「明日に向かって撃て!」の2人の最期(1908年11月7日)
「明日に向かって撃て!」は1969年に公開されたウイリアム・ゴールドマン脚本、ジョージ・ロイ・ヒル監督の映画です。1890年代の終わりに実在した強盗団「ワイルドパンチ」のブッチ・キャシディとサンダス・キッドを主人公にした西部劇です。ブッチ・キャシディはポール・ニューマン、サンダス・キッドはロバート・レッドフォード、ヒロインのエッタ・プレイスはキャサリン・ロスが演じました。
西部開拓時代の終わりにアウトローのブッチとサンダスは家畜を盗んだり、銀行を襲ったり強盗を繰り返していました。やがて鉄道会社の列車から大金を強盗し、近くの町に住むサンダスの恋人エッタのもとを訪れます。しばらくの間、3人は楽しい平和の日々を送りますがブッチとサンダスは再び列車強盗をします。2人の悪事にしびれを切らした鉄道会社はピンカートン探偵社に2人を追跡させします。ブッチとサンダスは何とか逃亡に成功しますが、ピンカートン探偵社は諦めることなく2人を追跡します。
ゴールドラッシュに湧く南米ボリビアにあこがれていたブッチはサンダスとエッタにボリビアへの逃亡を提案し、3人はボリビアに向かいました。しかし、ボリビアはブッチが考えたような状況ではありませんでした。ブッチとサンダスは強盗から足を洗い鉱山の用心棒となりました。エッタは2人に牧場を開くように勧めますが乗り気でない2人を見てアメリカに帰国しました。
エッタがいなくなるとブッチとサンダスはボリビアで強盗を繰り返すようになりました。あるとき2人はアルパコ鉱山の給料を奪い、宿屋で食事をしていました。2人が連れていたラバにアルパコ鉱山の焼き印が押されており、2人を強盗と疑った宿屋の少年が警察に連絡します。警察と2人の銃撃戦が始まり、2人を建物に逃げ込みます。完全に包囲された2人は「次はオーストラリアだ」と言って意を決して銃を構えて外に飛び出します。ここで映画はストップモーションで終劇します。
さて、実際にブッチとサンダスとエッタが南米に渡ったのは1901年のでした。最初に滞在したのはボリビアでなくアルゼンチンでした。しばらく牧場で過ごしましたが、1905年に強盗を働いたことをきっかけに再び警察とピンカートン探偵社の追跡からの逃亡の日々を過ごします。逃亡に疲れたエッタは2人と別れることを決意し、1906年6月にサンダスに護衛されてアメリカに帰国しました。
その後、ブッチとサンダスはボリビアで落ち合い鉱山で給与の護衛をする用心棒として働きます。牧場主になることを夢見ていたブッチは1907年にサンダスとボリビア西部の町に旅行しています。
1908年11月3日、ボリビア南部で覆面をした2人のアメリカ人強盗がアラモヨ鉱山の給与を運搬していたロバを奪います。2人は近くの宿に宿泊していましたが、宿主がロバがアラモヨ鉱山のものであることに気が付き通報します。11月6日の晩に宿に騎兵隊や警察が集まり、銃撃戦が始まりました。11月7日深夜に宿の中から1発の銃声が聞こえ、その後もう1発の銃声が聞こえてきました。宿中から観念して自決した2人の強盗が見つかりました。
この2人の強盗はアラモヨ鉱山の給与を奪った犯人であることは特定されましたが名前や身元は特定されないままま共同墓地に埋葬されました。
この2人がブッチ・キャシディことロバート・ルロイ・パーカーとサンダス・キッドことハリー・アロンゾ・ロンガボーと考えれています。しかし、身元が特定されていないため、ブッチとサンダスの生存説もあります。1991年に共同墓地が調査されていますがブッチとサンダスのDNAと一致する遺物は見つからなかったようです。映画のラストがストップモーションになっているのも感慨深いものがあります。
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