日本鉄道の設立(1881年11月11日)
日本で鉄道敷設の機運が高まったのは幕末ですが明治維新の混乱から実際に鉄道の計画が進められるようになったのは明治時代に入ってからのことでした。
日本初の鉄道は1872年10月14日に新橋駅(現汐留駅)と横浜駅(現桜木町駅)を結ぶ路線として開業しました。この日は「鉄道の日」とされています。
明治政府で鉄道事業を推進していた井上勝をはじめとする鉄道関係者は日本の鉄道事業は国有鉄道で進めるを基本方針としていましたが、西南戦争などで財政が困窮したこともあり鉄道敷設は進みませんでした。
日本初の鉄道開業に先だち、横浜の実業家高島嘉右衛門は北海道開拓支援のため東京と青森を結ぶ鉄道の建設を政府に働きかけました。当初、高島の提案は却下されましたが岩倉具視の協力を得て、華族と士族が私財で鉄道会社を設立し、東京と青森もしくは東京と新潟を結ぶ鉄道を敷設し蒸気機関車を走らせる計画を進めることになりました。そして岩倉具視をはじめとする華族や士族が参加し私設の鉄道会社「日本鉄道」を創立することが1881年8月に決まり、同年11月11日に日本鉄道会社が設立されました。
日本鉄道は1882年に敷設工事を開始し、1883年7月28日に上野ー熊谷を開業しました。その後も延伸を続け1891年9月1日に現在の東北本線となる上野ー青森を開業しました。さらに路線を充実させて現在のJR東日本の路線の多くを敷設しました。
日本鉄道の設立をきっかけとして全国各地で私設鉄道会社が設立されました。日本の最初の鉄道の基本路線の敷設は私財で設立された私鉄によって進められたのです。
日本鉄道は私鉄ではありましたが、鉄道は極めて公共性が高く国の経済の発展に重要な役割を果たすことから路線の決定には国の意向が色濃く反映されていました。国も敷設工事に参加し、
国有地の無償提供や建設費用の利子負担など優遇措置をしています。
1906年(明治39年)に日本の鉄道網を一元化するための鉄道国有法が公布されると、日本鉄道をはじめとする全国の私鉄が国有化されました。日本鉄道が国有化されたのは同年11月11日で同社の設立日と同じ日となりました。
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