録音文化の日(1878年11月16日)
アメリカの発明家トーマス・アルバ・エジソンが自作の蓄音機(フォノグラフ)を発表したのは1877年12月6日のことでした。エジソンの蓄音機はScientific American誌などで紹介され世界中で知られるようになりました。
この頃、日本は西洋文化を導入し近代化を図るため外国人学者の雇用を積極的に進めていました。イギリスのグラスゴー大学に勤務していた物理学者ジェームズ・アルフレッド・ユーイングはケルヴィン卿ことウィリアム・トムソンやフリーミング・ジェンキンのもとで働いていました。ユーイングはトムソンとジェンキンの推薦で1878年9月に来日し東京帝国大学で物理学や機械工学を教えることになりました。
このときユーイングはエジンバラのJ. Milne & Son Makersに製作させたエジソンの蓄音機を持参していました。1878年11月16日に東京帝国大学理学部の実験室で、この蓄音機を使って日本で初めての録音と再生の実験を行いました。この蓄音機や翌年には一般公開が行われ、たくさんの人が蓄音機を見物しました。当時、日本ではこの装置を蘇言機(そごんき)や蘇音機(そおんき)と呼んでいました。
日本記録メディア工業会は日本で初めての録音・再生の日を記念し11月16日を「録音文化の日」と制定しました。ユーイングが実験に使った装置は2004年に重要文化財に指定され、上野の国立科学博物館・地球館2階「科学と技術の歩み」に蘇言機のレプリカが展示されています。
なお、エジソンが蓄音機を発表した12月6日は日本オーディオ協会が1994年に「音の日」と制定しています。
円筒レコード式エジソン蓄音機 (大人の科学マガジンシリーズ)
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