日本でコアラ初公開(1984年11月20日)
1984年10月25日、オーストラリアから多摩動物公園に贈られた2頭の動物が日本に到着しました。その動物とは雄のコアラのタムタムとトムトムです。
オーストラリア政府は1980年までコアラの輸出を禁止していました。コアラの生息数が激減していたからです。当時、オーストラリア以外でコアラを見ることができたのは米国のサンディエゴ動物園だけでした。 サンディエゴ動物園にコアラがいるのは1915年に飼育を開始していたからです。オーストラリアは1980年に法律を改正し、コアラの輸出を許可しました。これによって日本の動物園にコアラが贈られることになったのです。
トムトムとタムタムは1984年11月20日に多摩動物公園で一般公開されました。1985年9月に2頭の雌が贈られて、翌年には子どもが生まれました。コアラは有袋類で生まれたばかりの子どもの大きさは約2cmです。生後約6ヶ月ぐらいまで母親の袋の中で成ちます。残念ながら最初に生まれた子どもは生後3か月で落下して死亡してしまいましたが、その後の子どもたちは順調に育ちました。
当初はコアラの飼育は大変だったようです。コアラはユーカリを食べますが、特定の種類の若葉しか食べないなど嗜好があります。また同じユーカリでも前日は食べたのに今日は食べてくれないなど、コアラの嗜好にずいぶん振り回されたそうです。
ユーカリの葉には昆虫や動物から身を守るためタンニンや油分が含まています。コアラはユーカリの匂いを確認しながら選別して食べる修正があります。コアラは2メートルもある盲腸でユーカリの毒素を発酵し分解したうえで消化します。ユーカリの葉から十分な栄養を取ることができないため1日のほとんどを樹上で寝て過ごし動きも緩慢です。通常、水を飲むことがなく水分はユーカリから賄います。
コアラが愛らしい顔をしていることもあり日本はコアラブームとなりました。コアラは今でも動物園で人気の動物ですが、来日当初ほどの人気はなくなりました。動物園で飼育されているコアラの頭数も減り、現在はコアラを飼育している動物園が協力して共同繁殖をしています。
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