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2021年11月25日 (木)

真実の口の真実

 「真実の口」(ボッカ・デラ・ベリタ)はローマのサンタ・マリア・イン・コスメディン教会柱廊玄関に飾られている大理石の彫刻です。偽りの心を持つ者が真実の口に手を入れると、手が抜けなくなったり、手を噛み切られると言われています。

 「真実の口」はオードリーヘップバーン主演の映画「ローマの休日」(1953年)で世界中で知られるようになりました。オードリー・ヘップバーン演じるアン王女はイタリアを表敬訪問していましたが、自由のない王女の生活に嫌気をさしてある夜宿泊先から抜け出してしまいました。このときローマ市内で出会ったのがグレゴリー・ペックが演じる新聞記者ジョー・ブラッドレーでした。出会った女性が王女であることを知ったジョーは王女のローマ体験をスクープしようと考えアン王女をローマの観光に連れ出します。アン王女はこれまで経験したことのない自由なひととき「ローマの休日」を過ごします。ジョンはアン王女の「真実の口」に連れていきその伝説を説明した後、自分の手を「真実の口」入れて抜けなくなる演技をしてアン王女を驚かそうとしました。純粋なアン王女は真に受け、恐怖のあまり叫び泣いてしまいます。

真実の口(ローマの休日)
真実の口(ローマの休日)

 さて「真実の口」の顔は顔はギリシア神話に登場する海神オーケアノスとされています。古代ギリシアでは大陸の周りを海が囲んだ円盤のような形をしており、オーケアノスが海流となって大陸の周りを回っていると考えられていました。

 オーシャン(大洋)の語源にもなっているオーケノアスは謀略をたいへん嫌う神だったそうです。それで「真実の口」の彫刻にオケアノスの顔が採用されたのでしょうか。実は「真実の口」は装飾用に作られた彫刻ではなく、古代ローマの公共広場フォルム・ボアリウムにあったヘラクレス・ポンペイアニ神殿の排水溝の蓋であったという説が有力です。「真実の口」を設置しているサンタ・マリア・イン・コスメディン教会はこの地区にあったヘラクレス・ポンペイアニ神殿が改築されたものです。

 この排水溝の蓋がどのような経緯で「真実の口」となったのかはよくわかっていません。さてローマの休日ですが、アン王女のローマ旅行を秘密裏にスクープしようとしたジョーですが、ジョンとアン王女はローマの観光を楽しみながらお互いに惹かれていきます。ジョーはすべての写真を破棄して、アン王女との「ローマの休日」を封印したのです。ジョーが「真実の口」に手を突っ込んだとき、謀略の嫌いなオーケノアスがひと仕事したのかもしれません。

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ローマの休日 (字幕版)

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