電話料金が3分10円に(1972年11月12日)
現代社会では多くの人が電話を携帯していますが、グラハム・ベルが実用的な電話を発明して特許を申請したのは1876年のことです。ベルが電話を開発してまもなく当時ボストンに留学中の伊沢修二(東京音楽学校校長 )と金子堅太郎(後の司法大臣の)がベルの研究所を訪れました。このとき2人は電話で日本語で通話しました。英語の次に電話が運んだ音声は日本語だったのです。
電話が日本に輸入されたのは1877年、翌1878年には国産のベル式電話機が開発されました。1883年、上海の電話交換局を視察した工部省電信局長の石井忠亮は電話事業の必要性を感じ、政府に国営電話事業の開始を進言しました。これによって日本の電話事業が始まり、1890年に東京都と横浜で電話事業が始まりました。
最初の電話料金は市内通話は年定額料金で市外通話は区間ごとに料金が異なりました。市内通話は定額料金でかけ放題だったのですが、電話を頻繁に使う人とほとんど使わない人で料金が同じであることに対して不満の声があがりました。そこで、電話を利用した回数で課金する度数制が提案されましたが、電話を頻繁に利用する新聞社などが度数制は通信機関の発展の妨げになると猛反対しました。このため度数制が導入されるまでにはしばらくの時間を要しました。電話料金の度数制が導入されたのは1920年のことです。
この市内通話の度数制は50年以上にわたり採用されましたが、電話が一般的な通信手段になるにつれて市内通話と市外通話の料金の著しい格差が問題となりました。1970年代初め、市内通話の料金は1回7円で時間の制限なく通話ができるのに対して、市外通話は距離と時間によって課金されていました。この格差を解消するため1972年11月12日に電話料金の度数制が時分制に改められ、市内通話と市外通話の著しい料金格差が解消されました。これによって市内通話の料金は3分10円となりました。
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