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2021年10月24日 (日)

史上初の樽によるナイアガラの滝下り(1901年10月24日)

 子ども向けの雑誌に冒険家を紹介する記事が掲載されていて、読んでワクワクした記憶があります。その中に樽に乗り込んでナイアガラの滝下りに挑戦した女性冒険家が紹介されていました。その冒険家は米国の教員だったアニー・エドソン・テイラーです。テイラーがこの前人未到の世界初の冒険に挑戦しようと考えたのは晩年を安泰に暮らしたいと考えたからだったそうです。

 テイラーは内部にマットを敷いたオーク材と鉄で作った滝下り専用の樽を準備しました。1901年10月22日、テイラーはこの樽に飼い猫を入れてナイアガラの滝を構成するホースシュー滝を下らせて樽の強度試験を行いました。多くの人は猫の行く末は絶望的と考えましたが、17分後に猫は頭から血を流しながらも生還しました。テイラーは樽の前で猫と記念撮影し、自ら滝下りを実行することを決意します。

樽の前でアニー・エドソン・テイラーと猫の記念撮影
樽の前でアニー・エドソン・テイラーと猫の記念撮影

 63歳の誕生日を迎えた1901年10月24日、テイラーはハート型の枕とともに樽に乗り込みました。協力者たちは樽の蓋をねじ止めし、自転車の空気入れで樽の表面に開けられた穴から空気を送り込みました。穴はコルクで塞がれ、樽は密閉されました。

 テイラーを乗せた樽はゴート島の南部から流されホースシュー滝を下りました。樽が滝から落下した直後に救助隊が回収に向かいました。テーラーは頭部に小さな傷を負っていましたが、樽の中から生還しました。冒険の時間はわずか20分ほどでしたが、樽を開くのにしばらく時間がかかりました。冒険後、テイラーは滝下りには二度と挑戦しないこと、大砲に打たれた方がましだと表明しています。相当の恐怖を味わったのだろうと思います。

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 冒険後のテイラーの生活はどうなったのでしょう。テイラーはこの挑戦について講演することで多少のお金を稼ぐことはできましたが大金持ちになることはできませんでした。またマネージャーがテイラーの樽を盗んだため、この樽を発見するために貯金のほとんどを失いました。晩年はナイアガラの滝の土産店で観光客と記念撮影をするなどして過ごしました。そして1921年4月29日、82歳でナイアガラ郡診療所で息を引き取りました。

 このテーラーの挑戦によってナイアガラの滝下りが注目され、16名の冒険家が挑戦し、11名が生還を果たしています。現在はナイアガラの滝下りは法律で禁止されています。違反者には1万ドルの罰金が課せられることになっています。

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