ハロウィンの起源(10月31日)
いまや日本でもお祭り行事となったハロウィンですが、もともとは古代ケルトの信仰がその起源と考えられています。古代ケルトの1年は11月1日に始まりは10月31日に終わりました。11月1日は冬の始まりとされ夏の収穫を祝う行事サウィンが行われていました。1日の始まりは日没後に始まるとされていたことからサウィンは10月31日の日没後に始まりました。
サウィンでは古代ケルトの祭司ドルイドがかがり火を焚き、作物や屠殺された家畜が捧げられました。祭司たちがかがり火のまわりで踊り出し、太陽の季節が終わり、暗闇の季節が始まることを示しました。暗闇の季節が始まると霊界と現世の間に門が開き、死者の魂が現世に戻ってくる日と信じられていました。11月1日の朝を迎えると、祭司はかがり火の火を各家庭に分け与えました。各家庭では悪い精霊が家庭に入り込まないようにこの新しい火でかまどに火をつけました。この古代ケルトで行われていたサウィンがハロウィンの原型とされています。
ハロウィンは「聖人達の夜」を意味するキリスト教を起源とする言葉で、カトリック教会では11月1日が「諸聖人の日」とされています。1日の始まりは日没後ですから「諸聖人の日」は10月31日の夜に始まります。しかしながら、ハロウィンそのものはその起源からキリスト教の行事ではありません。ハロウィンとキリスト教の関係は異文化の融合とも考えられますが、キリスト教にとっては異教徒の行事であり、容認する立場を取っている教会もあれば否定的な立場をとっている教会もあります。
日本でハロウィンが知られるようになったのは戦後です。最初は米軍人をはじめとする米国人との交流からですが、1980年代に入ると仮装パーティーが行われるようになりました。1990年代になるとハロウィンが商業的にも利用されるようになり、ディズニーランドなどでイベントが行われました。菓子メーカーや玩具メーカーなどもハロウィン向けの商品の販売を開始し、日本の各地でハロウィンのパーティーが行われるようになりました。とりわけ仮装については日本のアニメやコスプレなどの文化と融合し独自の発展を遂げています。多くの人々が楽しんでいる一方で、過熱する盛況ぶりに対してやり過ぎだという批判の声も出ています。
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