国産動力飛行機が初飛行に成功(1911年10月13日)
日本における動力飛行機の初飛行は1910年12月19日に成し遂げられました。このときは日本製の動力飛行機ではなくドイツ製の「グラーデ単葉機」とフランス製の「アンリ・ファルマン号」が使われました。日本陸軍の徳川好敏のアンリ・ファルマン号が先に離陸したことから、動力飛行機の初飛行を成功させたのは徳川好敏とされています。
この動力飛行機の初飛行の前年の1909年7月30日、気球と航空機の軍事利用のための日本初の航空機の公的機関「臨時軍用気球研究会」が設立されていました。1910年12月19日の動力飛行機の初飛行が成果すると、1911年4月に日本最初の飛行場である所沢陸軍飛行場が開設されました。この飛行場には海外製の飛行機が4機配備されましたが、間もなく飛行機の数が不足し国産の飛行機開発の機運が高まりました。
研究会はアンリ・ファルマン号を参考にさまざまな改良を加えた国産飛行機の開発に取り組みました。1911年7月から製作が開始され10月に完成しました。10月13日に徳川好敏の操縦により試験飛行が行われ、国産動力飛行機の初飛行に成功しました。この飛行機の正式名称は臨時軍用気球研究会式一号機で、会式一号機または徳川式と呼ばれました。初飛行では高度50 mを時速72 kmで飛び、その性能はアンリ・ファルマン号を凌ぐものでした。
会式は7号機まで製作され、会式七号小型飛行機は日本初の戦闘機となりました。しかしながら、この七号機が空中分解の事故を起こしたため開発は打ち切られました。その後、制式という名称で軍用機の開発が進められましたが、海外製の飛行機に匹敵する性能を出すことができず、国産の戦闘機の実現は叶いませんでした。輸入飛行機の国産化やライセンス生産を経て、国産の戦闘機が開発できるようになったのは1910年代後半になってからのことでした。
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