沖縄そばの日(1978年10月17日)
沖縄で「そば」というと蕎麦粉を使った日本蕎麦ではなく小麦粉のみを使った麺料理「沖縄そば」のことです。沖縄そばの麺はかん水や灰汁を使って中華麺と同じような製法で作られます。
沖縄そばの由来は琉球時代に中国から伝わったという説がありますが、沖縄で小麦粉を用いた麺料理が食べられるようになったのは明治時代の中期以降です。当時、唐人が開いた「支那そばや」の広告が残っておりこれが沖縄そばの元祖と考えられています。大正時代になると多くの支那そば屋が営業していましたが最初の支那そばはラーメンに近く現在の沖縄そばとは異なっていたようです。やがて独自の味付けや具材が用いられるようになり「琉球そば」と呼ばれるようになりました。
第二次世界大戦中は物資の不足により琉球そば屋はほとんど姿を消しました。戦後は米国の小麦粉が流通するようになったため琉球そば屋が復活しました。戦後しばらくの間は日本の食文化の影響を受けなかったため、琉球そばは独自に発展していきました。
昭和47年(1972年)、沖縄が日本に返還されると琉球そばは沖縄そばと呼ばれるようになりました。豚のスペアリブ(ソーキ)を具材とした「ソーキそば」が登場したのは昭和50年(1975年)と言われています。
日本全国で沖縄そばという名前で売り出そうとしたところ、昭和51年(1976年)に公正取引委員会の指摘で「そば」と呼べなくなりました。全国生めん類公正取引規約では「そば」は蕎麦粉が30%以上含まれることと定義されています。沖縄そばの原料は小麦粉100%のため「そば」ではないとされたのです。しかし、沖縄県製麺組合が働きかけを続けた結果、昭和52年(1976年)10月17日に「本場沖縄そば」という名称で登録が許可されました。この日にちなんで沖縄生麺協同組合は平成9年(1997年)に10月17日を「沖縄そばの日」と制定しました。
自分が初めて沖縄を訪れたとき「そば」を食べに行こうと連れられたのが沖縄そば屋さんでした。このとき沖縄の「そば」は日本蕎麦ではく沖縄そばであることを認識しました。沖縄では年越し蕎麦も日本蕎麦ではなく沖縄そばを食べるようです。
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