パラシュートの日(1797年10月22日)
パラシュートの原型を発明したのはイタリアのレオナルド・ダ・ビンチと言われていますが(1480年代後半)、ダ・ビンチ以前に描かれたパラシュートの図の存在も確認されています。
世界で初めて実用的なパラシュートを作ったのはフランスのルイ=セバスティアン・ルノルマンです。1783年12月26日、ルノルマンはフランス南部の都市のモンペリエ天文台の塔の上から、木製の枠組みで作ったパラシュートで降下しました。ノルマンは建物が火災時に避難する道具としてパラシュートを開発しました。ルノルマンは自ら作ったこの道具をフランス語の抑制という意味の「パラ」と落下という意味の「シュート」を組み合わさてパラシュートと名付けました。
1785年、気球による世界初のドーヴァー海峡横断飛行に成功したフランスのジャン・ピエール・ブランシャールは同年に熱気球から犬をパラシュートで降下させる実験に成功しました。ブランシャールは1793年に破裂した熱気球からパラシュートを用いて無事に脱出しています。最初の頃のパラシュートは木の枠に麻の布を貼り付けたもので、重量も大きく扱いにくかったようです。ブランシャールは軽量の絹製のパラシュートの開発を始めました。
フランスの元軍人のアンドレ・ジャック・ガルヌランは絹製のパラシュートを作成し、1797年10月22日にパリでパラシュートの降下実験を行いました。ガルヌランは900 mまで上昇した熱気球から飛び降りました。気流の影響を受けてパラシュートが横揺れし不安定な状態となりましたが着地時に衝撃はあったものの無事に降下しました。この日が「パラシュートの日」となりました。
ガルヌランは知人の助言を得て、パラシュートの頭部に排気弁を取り付け安定な降下を実現しました。1798年にはガルネランの婦人が女性初のパラシュート降下を行いました。
この頃のパラシュートには安全性において多くの問題がありました。その後、改良が重ねられ1890年に背負うタイプのパラシュートが発明されました。1900年に入ると飛行機からの降下実験も行われ、やがて戦闘機の緊急脱出時の救命用具として使われるようになりました。
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