ドイツの飛行船ツェッペリン伯号が世界一周を達成(1929年8月29日)
ドイツの大型飛行船LZ 127型、通称「グラーフ・ツェッペリン(Graf Zeppelin、ツェッペリン伯号)」はフェルディナント・フォン・ツェッペリン伯爵が20世紀に開発した飛行船のひとつです。
ツェッペリン伯号は全長236.6メートルで当時としては世界最大の飛行船でした。船体内部のガス袋には水素ガスが充填されていました。1928年9月18日に初飛行し、1928年10月に米国ニュージャージー州レイクハーストへ長距離飛行を行いました。ツェッペリン伯号と乗員たちは大歓迎され、ホワイトハウスに招待されました。その後、ヨーロッパの各国を訪れドイツに戻りました。
1929年、ツェッペリン伯号による世界一周飛行が計画されると、多くの企業がスポンサーとなりました。当時、飛行船は大人気だったのです。主要なスポンサー企業の要請により出発地はドイツではなく米国ニュージャージー州レイクハーストに設定されました。
ツェッペリン伯号はツェッペリン伯爵の飛行船開発の地であるドイツのフリードリヒスハーフェンからレイクハーストに移動、同年8月8日、レイクハーストを出発し、大西洋を横断してフリードリヒスハーフェンを目指しました。フリードリヒスハーフェンで燃料を補給した後、シベリア上空を無着陸で横断し、一路日本の茨城県の霞ヶ浦に向かいました。霞ヶ浦が選ばれたのはここに飛行船の施設があり、気象条件が良い土地柄だったからです。同年8月19日に霞ヶ浦航空隊に到着、霞ヶ浦には30万人もの見物客が訪れ、新聞には「君はツェッペリンを見たか!」という見出しが躍りました。
5日後の8月23日、日本を出発したツェッペリン伯号は太平洋を無着陸で横断し米国西海岸を目指しました。3日間をかけて世界初の無着陸太平洋横断飛行を成し遂げ、サンフランシスコ上空を経由してロサンゼルスのマインズ・フィールドに到着。その後、シカゴ経由で米国を横断し、出発地のレイクハーストに向かいました。
レイクハースト出発から21日後の1929年8月29日、ツェッペリン伯号はレイクハーストに帰着し、世界一周飛行に成功したのです。出発地のレクハーストから到着地レークハーストまでの飛行距離は3万1400キロメートル、最初のフリードリヒスハーフェンからレイクハーストまでの飛行距離を含む総飛行距離は4万91618キロメートルにも及びました。
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