アメリカ合衆国独立記念日(7月4日)
アメリカ大陸は大航海時代のスペインと契約していたクリストファー・コロンブスによる1942年の大西洋航路の発見において確認された大陸ですが、コロンブス自身は1502年の第4回航海に至る最後までアメリカ大陸をアジアと考えていました。
1499年、スペインと契約していたアメリゴ・ヴェスプッチがカリブ海を探検し、1503年までに四回の航海を行いました。アメリゴは自らが確認した大陸が既知の大陸ではないことを確信し、1503年に「新世界」という南米大陸の論文を発表しました。1507年に南ドイツの地理学者マルティン・ヴァルトゼーミュラーが世界史入門を出版し、アメリゴが到達した新大陸にアメリカという名前をつけました。その後、イギリス、スペイン、フランスなどから多くの人々がこの新天地に移住するようになりました。
ところでアメリカ大陸の「発見」というと、コロンブスとアメリゴの名前が出てきますが、これは当時のヨーロッパ社会での出来事です。コロンブスやアメリゴがアメリカ大陸に到達したときには既に先住民の社会がありました。彼らの祖先はユーラシア大陸の北東からアラスカを経て、人類としてアメリカ大陸を「発見」した人々と言えるでしょう。いずれにしろ、アメリカ大陸に移住したヨーロッパの人々はネイティブ・アメリカンと戦いながら領地を広げていったのです。たとえばインカ帝国は16世紀にスペインに滅ぼされています。
長い間、アメリカ大陸ではイギリス、フランス、スペインの入植地が発展しましたが、18世紀になると北アメリカ大陸の東沿岸部のイギリス領13植民地で、イギリス本国の一方的な重税に対する不満が高まりました。1773年にはイギリス本国がイギリス東インド会社に植民地での茶の販売独占権を与えた茶条例に対する反対運動が盛んとなり、ボストンに停泊中だった貨物船の積荷であった茶箱を海洋投棄する事件が起きています。13植民地の人々は自分たちが選出した代議士が本国のイギリス議会に投票できていないことから「代表なくして課税なし」をスローガンとしてアメリカ独立戦争を起こしました。
アメリカ独立戦争はイギリスと13植民地の争いにとどまらず、13植民地側にはフランス、オランダ、スペインが支援、イギリス側には先住民や奴隷などが加わり大混乱となりました。この戦いの中、7月4日にフィラデルフィアで開催された第二次大陸会議でアメリカ独立宣言(Decralation of Independence)がなされ、この日がアメリカ合衆国の独立記念日となりました。アメリカ合衆国の国旗の50の星は現在の合衆国の州の数ですが、13本の赤と白の縞模様は13植民地を現しており、アメリカ独立戦争からアメリカ合衆国が成立していることを意味しています。
ところで実際にアメリカ合衆国が成立したのは1783年9月3日のパリ講和条約の締結によります。ですから、7月4日はアメリカ独立宣言があった日で、アメリカ合衆国が独立した日ではありません。しかし、アメリカ独立宣言があってこそのアメリカ合衆国の成立ですから、7月4日が独立記念日とされたのです。
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