外来種アカボシゴマダラを発見
駅のホームで電車を待っていたところ、目の前にアゲハ蝶がやってきてホームに降り立ちました。こんなところでアゲハが間近で見られるとはラッキーと思い、すぐにスマホで写真を撮影しました。そして気が付いたのは後翅の赤い斑紋です。このチョウはタテハチョウ科のアカボシゴマダラです。
アカボシゴマダラはベトナムから中国、台湾、朝鮮半島まで広く分布しているチョウで、本来は日本の本土にはいない外来種です。1995年に埼玉県で発見されて以来、本州を中心に分布が拡大しています。日本にはアカボシゴマダラとよく似た在来種のゴマダラチョウがいますが、ゴマダラチョウには赤い斑点はありません。現在、確認されているアカボシゴマダラは中国本土由来のもので、蝶マニアによる人為的な「放蝶ゲリラ」によって国内に侵入したと考えられています。特定外来生物に指定されています。
上の写真は羽を開いていますが、羽を閉じて「立て羽」となったところを真横から撮影してみました。羽の斑紋がよくわかります。
さて、写真のアカボシゴマダラは人が通るとすぐに逃げていきますが、すぐ同じところに舞い戻ってきます。よく見ると口から黄色いヒモのようなものが出ていますが、これはチョウの口吻(こうふん)です。口吻は吸収管とも呼ばれますが、これは顎が進化したもので、ストローのような形をしています。普段はぐるぐる巻きになっていますが、食餌の時には写真のように伸ばします。口吻を伸ばすと、途中で折れ曲がりますが、その位置は決まっています。その位置を屈折点といいます。チョウは屈折点から先の部分で花の蜜などを探します。
このアカボシゴマダラはホームの上にある何かを食べにきているのです。誰かがホームにジュースでもこぼしたのでしょうか。ですから何度も舞い戻ってきていたのでしょう。この後、電車がやってきて、どこかへ飛んで行ってしまいました。
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