パイオニア10号が太陽系を離脱(1983年6月13日)
パイオニア10号は米国航空宇宙局NASAがパイオニア計画で1972年3月2日に打ち上げた木星探査機です。パイオニア10号はおよそ1年9ヶ月かけて木星に向かい、1973年11月から木星や衛生の写真を撮影し、それらの画像データを地球に送信してきました。同年12月4日には木星まで20万キロメートルのところまで接近し、高解像度の写真を撮影することができました。
パイオニア10号は木星の重力を利用して太陽系を脱出する軌道に入り、太陽系の外側に向かい始めました。パイオニア10号から信号を受信できる距離は地球から木星までの距離(7億5千万キロメートル)の2倍ぐらいを想定していました。しかし、地上基地の受信設備の改良によって、遠く離れたパイオニア10号からの信号を受信し続けることができるようになりました。そのため、NASAはパイオニア10号の捕捉と観測のミッションを続けました。
1983年6月13日、パイオニア10号は海王星の軌道を越え、太陽系を脱出した初の人工物となりました。NASAは1997年までミッションを続け、その後は断続的にパイオニア10号からの信号を受信し、2003年1月23日に信号が途絶えまでパイオニア10号の位置を確認しました。最後に確認されたパイオニア10号の位置は地球から約123億キロメートル離れたところでした。そして、打ち上げから34年後の2006年3月にパイオニア10号の最後の捕捉が試みられましたが、パイオニア10号を確認することができず、このときをもってパイオニア10号の運用は終了とされました。
現在、パイオニア10号は地球から180億キロメートル以上離れたところを、アルデバランに向けて進んでいると考えられています。パイオニア10号には太陽系や人類が描かれた金属板が取り付けられています。これはアメリカの天文学者のカール・セーガン博士の発案によるもので、異星人とのコンタクトを想定して取り付けられたものです。人類は知るよしはありませんが、いつかパイオニア10号が異星人に発見されるかもしれません。
| 固定リンク | 0
「今日は何の日」カテゴリの記事
- 子ども130人の誘拐事件「ハーメルンの笛吹き男」(1928年6月26日)(2022.06.26)
- プロ野球の天覧試合の日(1959年6月25日)(2022.06.25)
- アルカトラズからの脱出(1962年6月11日)(2022.06.11)
- ドナルドダック登場(1934年6月9日)(2022.06.09)
- 第1回全国自動車競走大会の開催(1936年6月7日)(2022.06.07)
「天文」カテゴリの記事
- 記録に残る最古のハレー彗星の接近の記録(紀元前240年5月25日)(2022.05.25)
- 史上最大の明るさ 超新星SN 1006が現れる(1006年4月30日)(2022.04.30)
- 惑星直列(1982年3月10日)(2022.03.10)
- ガリレオが「天文対話」を刊行(1632年2月22日)(2022.02.22)
- 白瀬南極探検隊が大和雪原に到着(1912年1月28日)(2022.01.28)
コメント