ビートルズ最後のアルバム「Let It Be」発売(1970年5月8日)
「レット・イット・ビー(Let It Be)」は1970年5月8日に発売されたビートルズの13作目アルバムです。
「レット・イット・ビー」は12作目の「アビイ・ロード」より前に行なわれた「ゲット・バック・セッション」を元に制作されました。そのため、「アビイ・ロード」がビートルズの最終アルバムと考えられていましたが、1990年代に「レット・イット・ビー」の収録が「アビイ・ロード」発売以降も行われていたことを示す資料が見つかり、「レット・イット・ビー」が名実ともに最終アルバムであることが確認されました。
ビートルズがレコーディングと映画撮影のために「ゲット・バック・セッション」を開始したのは1969年1月2日です。この頃、すでにビートルズの人間関係は不安定になっていましたが、当初はポールの原点に帰ろう(Get back)というコンセプトでうまく進んでいるように見えました。
しかし、まもなくポールとジョージ・ハリスンが対立し、さらにジョージとジョン・レノンの対立が起こり、ジョージが参加を拒否しました。その後、話し合いにより1月21日にジョージが復帰し、ジョージの提案でキーボード奏者のビリー・プレストンが参加することになりました。1月30日にはビートルズ最後のライブ「ルーフトップ・コンサート」が行われました。
このような状況の中で「ゲット・バック・セッション」は頓挫し、ビートルズは2月22日から新しい楽曲の録音を開始、4月11日に「ゲット・バック・セッション」の成果である「ゲット・バック」が発売されるものの、7月1日から「アビイ・ロード」の制作を開始しました。
その一方で「ゲット・バック・セッション」をアルバムにまとめる作業も進められ、5月28日にはマスターテープができあがっていました。12月になると、映画のサウンドトラックとして作り直すことになり、追加の収録も行われました。1970年1月5日に新しいマスターテープができあがりましたが、これもビートルズの判断でお蔵入りとなりました。
「ゲット・バック・セッション」のテープを「レット・イット・ビー」にまとめたのはアメリカ人プロデューサーのフィル・スペクターです。フィルは3月23日からテープの編集を依頼され、短期間でアルバムにまとめあげました。そして、1970年5月8日、ついに「レット・イット・ビー」が発売開始となりました。
レノンとハリソンはフィルの仕事ぶりを高く評価しましたが、ポールは「ロング・アンド・ワインディング・ロード」の出来栄えに不満を示し、アルバム発売を中止することまでを考えましたが実行には移しませんでした。
発売後「レット・イット・ビー」は全英アルバムチャートで3週連続1位を獲得しました。1970年5月18日にはアメリカで発売となり、全世界で1,000万枚以上の売上となりました。
ビートルズは1970年4月10日にポール・マッカートニーが脱退を表明したことにより事実上の解散となりましたので「レットイットビー」はビートルズ解散後に発売されたアルバムになりました。
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