バレエ組曲「白鳥の湖」の初演(1877年3月4日 )
「白鳥の湖」は「眠れる森の美女」と「くるみ割り人形」に並ぶピョートル・チャイコフスキー作曲のバレエ組曲です。国立アカデミー・ボリショイ劇場の依頼によってチャイコフスキーが1875年に作曲に着手、1876年に完成させました。
「白鳥の湖」はチャイコフスキーにとって初めてのバレエ組曲の作曲で、初演は1877年3月4日、ボリショイ劇場バレエ団によって公演されました。現在ではバレエと言えば「白鳥の湖」が定番のように頭に浮かぶ人もたくさんいると思いますが、1877年に行われた初演では高評価を得られず、40回ほど上演されたのちお蔵入りとなりました。
1893年にチャイコフスキーが急死すると、バレエダンサー振付師マリウス・プティパとレフ・イワノフが「白鳥の湖」の振り付けを改めて行い、1895年1月15日にサンクトペテルブルク・マリインスキー劇場バレエ団によって蘇演されました。現在上演されている「白鳥の湖」には演出の異なる様々な版がありますが、どれも初演版ではなくプティパとイワノフの蘇演版が元になっています。日本での初演は1877年の初演から約70年後の1946年8月9日、東京バレエ団が帝国劇場で上演しました。
ところで、日本の音楽学者の西岡信雄さんは、ハクチョウはダンスを踊らないことから、ダンスを踊る「白鳥」はタンチョウがモデルになっており、ツルのダンスにハクチョウをあわせたのではないかという見解を示しています。実際に「白鳥の湖」のリズムはタンチョウの求愛ダンスによく合うそうです。
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