JR新宿駅・渋谷駅が発車メロディを導入(1989年3月11日)
昔は電車の発車時間になるとけたたましい金属や電子ベルの音がホームに響きました。大きな音を鳴らしていたのは電車発車時の危険通知や安全確保の目的と思いますが、この音を聞いてあわてて電車に乗り込む人もたくさんいました。
1980年代の終わりに駅のホームの拡声器によるアナウンスや発車ベルの騒音が問題となりました。1987年11月13日付の朝日新聞では駅の騒音を話題にした記事が掲載されると、駅の音環境の改善を求める声が多くみられるようになりました。
1988年8月にJR千葉駅は発車ベルを全面的に廃止とし、これがきっかけとなって発車ベルの見直しが進みました。そして、けたたましい発車ベルを穏やかなメロディに変更するというアイデアが採用されました。メロディに変更したことで、けたたましさがなくなったからと言って、電車発車時の危険通知や安全確保が損なわれては意味がありません。また、穏やかな音でも遠くまで聞こえるようにする必要がある、複数のメロディが重なっても不協和音にならず聞こえるようにする必要があるなど、様々な課題がありました。
JR東日本は発車メロディのプロジェクトを立ち上げヤマハ株式会社に発車メロディのシステムの開発を依頼しました。様々な課題を乗り越えて、1989年3月11日にJR新宿駅・渋谷駅で発車メロディが導入されると、首都圏をはじめとする全国の駅で発車メロディの導入が進みました。
さてベルをメロディに変更するアイデアについては諸説ありますが、京阪電気鉄道が1971年8月15日に発車メロディを採用しています。ですから、JR東日本の発車メロディは発車メロディを広く世間に知らしめることには貢献しましたが、最初の発車メロディではありません。
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