エスカレーターガール
現在は都市部のいたるところにエスカレーターが設置されていますが、昔は大型デパートなど限られた場所にしか設置されていませんでした。
日本において初めてエスカレターが設置されたのは大正3年(1914年)3月20日から7月31日にかけて上野で開催された東京大正博覧会の会場でした。このエスカレーターは第一会場の正門から第二会場の池之端を結ぶために設置され、昇降部分と平坦部分を合わせた距離は240 mもありました。東京大正博覧会が開催される前にエスカレーター試運転が行われています。この試運転の日が「エスカレーター日」とされているのですが、インターネットで検索してみると多くのサイトで3月8日とされていますが、(社団)日本電気教会は3月9日としています(参考資料)。どちらが正しいのかはわかりません。
さて、日本で最初にエスカレータを設置した商業施設は三越デパートです。大正3年(1914年)10月1日に三越呉服店(三越日本橋本店)が地上5階、地下1階建ての新館をオープンしました。当時としては国内最大級の建築物で日本で商用としては初のエスカレーターが備えられていました。
現在においてエスカレータは自動階段の役割にしか過ぎませんが、かつてはエレベーターとともにお客様を各階にお届けする出迎えの場所となっていました。昭和40年代ぐらいまではエスカレータの前にはエスカレーターガールという女性がいて、お客様がエスカレーターに「搭乗」するときに一礼し、不慣れなお客様には「搭乗」のお手伝いをしたり、案内をしたりしていました。 エスカレーターガールの存在が高級感を醸し出し、お客様もゆったりしていましたから、当時はエスカレーターを走って登ったり、片側を開けたりするなどはありませんでした。
エスカレーターガールが姿を消したのはいつ頃だったでしょう。まだまだデパートが栄えていた頃ですが、その頃から店舗間の競争が激しくなり効率化が進められ、またエスカレーターが多くの人にとって当たり前の存在になり、エスカレーターガールが廃止されたのだと思います。しばらくすると、エレベーターガールも同様に姿を消していきました。
バスガールの記事(ココログ 夜明け前「バスガールの日(1920年2月2日)」)でも書きましたが、世の中便利になってくると競争も激しくなり、効率が重視されるようになります。今まで当たり前だった職業が消えていくわけです。世の常ではありますが、便利になっていく反面で、精神文化的な何かが失われているような気がします。
ところで先日アップしたココログ 夜明け前「ソフトボール大会での不思議な写真(昭和35年頃)」の記事ですが、写真の女性チームはどうやらこの方々であることが判明しました。
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