世界初の電子掲示板(BBS)が登場(1978年2月16日)
電子掲示板(BBS、Bulletin Board System)とはネットワーク環境において記事を投稿したり、閲覧したり、コメントしたりすることができるようにしたシステムのことです。人と人をつなぐBBSはインターネットが一般化される以前からパソコン通信などで利用されていましたが、インターネットサービスの普及によって大きく発展しました。
最初のBBSはテキストのみのやり取りでしたが、機能が追加されたり、マルチメディア化されたりすることによって、単純な掲示板の域を超えて、さまざまな分野で利用されるようになりました。また、スマートフォンやタブレットなどの新しい端末の登場により、さまざまな形態で活用されるようになりました。現在、多くの人が利用しているTwitter、Facebook、Instgram、YouTubeなどのソーシャルメディアサービスも本を正せばBBSが源流と言えるでしょう。インターネットで発展してきたBBSがインターネットそのものを発展させ、より豊かな体験をもたらすものにしています。
さて、時は遡って1978年1月末。米国イリノイ州シカゴはグレートブリザード1978と呼ばれる強い吹雪に見舞われ、1メートルにもなる積雪で閉ざされていました。外出もできない状態の中で、ランディ・スースは知人のワード・クリステンセンと電話で話をしていました。
スースとクリストセンはコンピュータ技術者で、シカゴのコンピューター愛好家のグループCACHE(Chicago Area Computer Hobbyists’ Exchange)で出会いました。2人は電話で話をしているうちに、誰もが気軽に意見を出し合い議論することができるシステムのアイデアをひらめき、2人でシステムを開発することにしました。CACHEのメンバーが電話回線で接続できるホストコンピュータの仕組みを考え、このシステムを「Computerized Bulletin Board System(CBBS)」と名付けました。
CBBSの開発においてスースはハードウェアを担当し、クリストセンはソフトウェアを担当しました。スースはコンピュータにモデムを接続し、電話回線でアクセスできるコンピュータシステムを構築しました。クリストセンは電話回線で送られてきたデータを受信して記録するソフトウェアを開発し、スースが構築したシステムに組み込みました。クリストセンは開発した通信プロトコルを公開し、後に広く利用されるようになりました。そのプロトコルの名前がXMODEMです。そして、スースとクリストセンは約2週間でCBBSを作り上げ、1978年2月16日に完成させました。
多くのユーザーがCBBSを使い始めましたが、ホストコンピュータには電話回線とモデムが1つしか接続されていなかったため、アクセスの順番を待つ必要がありました。しかしながら、多くのユーザーはこのシステムの有用性と可能性を理解し、1980年代にこのシステムが閉じられるまで、そのアクセス数は50万回にも達していました。
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