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2021年1月27日 (水)

白熱電球を発明したのは誰?|エジソンが電球の特許取得(1880年1月27日)

 白熱電球の発明者と言えば、一般に米国の発明家トーマス・アルバ・エジソンという説が広まっていますが、世界で初めて電球を発明したのはイギリスの科学者ジョセフ・スワンです。スワンは1840年代後半から、真空のガラス球にカーボン紙のフィラメントを備えた電球の実験に取り組みました。1860年に電球を点灯させることに成功していますが、最初の電球はサイズが大きくて真空度も十分ではなく、肝心の寿命が短かかっため実用的ではありませんでした。

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スワン(左)とエジソン(右)

 スワンは1875年に真空度を改善したガラス球と炭化した糸のフィラメントで新しい電球を作成しました。この電球は寿命も改善されていましたが、フィラメントの抵抗が低かったため、明るい光を灯すためにはたくさんの電流を流す必要がありました。

 スワンは1878年12月18日にニューカッスル・アポン・タイン化学協会の講演で電球の点灯実験を公開しました。この実験ではスワンが電流を流し過ぎたため電球が壊れてしまいました。1879年2月3日にニューカッスル・アポン・タイン文学哲学協会の講堂で700人の聴衆の前で電球の点灯実験を成功させました。これが世界最初の電球の点灯とされています。電球の寿命は十分ではありませんが、当時としては実用的な40時間に達していました。

 スワンは1880年1月2日にフィラメントと電球を真空にする方法に関する特許(英国特許18)を取得しました。その後、綿を処理して羊皮紙の糸のフィラメントを作る方法を考案し、1880年11月27日に特許(英国特許4933)を取得しました。そして、自身の電球がいろいろなところで使用されるようになると、1881年にスワン・エレクトリック・ライト・カンパニーを設立し、電球の生産を開始しました。同年、ニトロセルロースから導電性繊維を作る工程を開発して特許を取得し、以降はセルロースのフィラメントを使用するようになりました。スワンの電球は大きな電流を供給しなければならないために非常に高価な銅線が必要で、さらに寿命を伸ばすことが容易ではなく、効率的とは言えませんでした。

 さて、電球が開発される以前はアーク灯が普及していました。アーク灯は明るすぎて屋内での利用には難があったため屋内ではガス灯が使われるようになりましたが、爆発の危険性など安全性に問題がありました。そこで、多くの科学者や技術者が電灯の発明に取り組みました。その中にはエジソンもいました。

 エジソンは屋内で利用できる寿命の長い白熱電球の発明に取り組むためニューヨークにエジソン・エレクトリック・ライト・カンパニーを設立しました。そして、スワンの電球の点灯から約8ヶ月後の1879年10月21日、木綿糸を炭化したフィラメントを用いた電球の点灯に成功しています。この電球の寿命は45時間でした。エジソンは1880年1月27日に電球の特許(米国特許0223898)を取得し、ほぼ同時に英国でも同じ内容の特許(英国特許4576)を取得しました。

 スワンは自身が発明した電球は既存の技術を使ったものと考え、電球そのものの特許は取得していませんでした。エジソンの会社が英国で電球の販売を開始すると、まもなくエジソンとスワンの間で電球に関する特許紛争が生じました。スワンの特許が電球そのものに対してのものでありませんでしたが、英国ではスワンの電球の発明の実績は誰もが認めるところでした。一方でエジソンの特許は電球に関する幅広い請求範囲をカバーするものでした。最終的にエジソンとスワンは和解する道を選び、1883年にエジソン&スワン・ユナイテッド・エレクトリック・カンパニーを設立しました。

 この通称「エディスワン」と呼ばれた会社はスワンが発明したセルロースのフィラメントを使用した電球を製造・販売していました。その一方で、エジソン自身は、より寿命が長く、効率的な電球を開発するため、フィラメントの材料を探し続けました。ある日、扇子に使われていた竹をフィラメントとして使ってみると、電球が200時間も光り続けたのです。エジソンは世界中に人を派遣し、電球のフィラメントとして最適な竹を探しました。そして、およそ1200種類の竹の中から、京都の八幡男山の真竹を選びました。真竹のフィラメントは径が細く、電灯の点灯と消灯がたやすくなりました。また、電球の寿命は2450時間にもなりました。八幡の真竹は1894年まで電球のフィラメントとして使われました。京都府八幡市の石清水八幡宮にはエジソンの記念碑、京阪電鉄の八幡市駅前にはエジソンの像が建てられています。

 エジソンは電球のフィラメントの抵抗を高くすることでの電球の電源電圧を100Vとし、電球を並列に接続しそれぞれ独立して点灯と消灯ができるようにしました。また、電球を取り付けるソケットをねじ式にして自由に交換できるようにした。こうして、エジソンは実用的で効率的な電球の開発に成功したのです。

 さて、スワンが電球の特許を出さなかったのは、スワンやエジソンが電球の発明に取り組む前から多くの電球が開発されてきたからですが、商用の実用的な電球を初めて開発したのはスワンであり、その電球をさらに発展させたのがエジソンです。

 現在の白熱電球のフィラメントにはタングステンが使用されています。タングステンのフィラメントは1904年にオーストリアのアレクサンダー・ユストとフランツ・ハナマンによって発明され、1906年に商品化されました。その後、改良を重ねて、効率が高く、寿命が長い電球が開発され、私たちの暮らしに明かりを灯してきたのです。現在では白熱電球は発光効率が悪いため、製造・販売が中止され、電球型蛍光灯やLED電球が主流になっています。

 白熱電球の仕組みついては、ココログ 夜明け前白熱電球の原理と仕組み」、LEDの仕組みについては、光と色とLEDが光る仕組み(1)」に解説がありますので、ご興味のある方はご一読ください。

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