桜島の大正大噴火(1914年1月12日)
九州南部、鹿児島県鹿児島湾を見下ろす桜島。東西12キロメートル、南北10キロメートル、周囲55キロメートルの大きな火山で、現在も活発に活動し、噴火を繰り返しています。
桜島が「島」と名付けられているのは、もともとは海に囲まれた島だったからです。1914年1月12日午前10時あらりから始まった大きな噴火によって、山の南東に大量の溶岩が流れ出し、対岸の大隅半島の間にあった海峡を埋め尽くし、ついに陸続きになりました。海峡の最大幅は400メートル、最深部は100メートルで、いかに大量の溶岩が流れ出したかを容易に想像できます。
この大正大噴火は火砕流、溶岩流、火山灰はもちろんのこと、1月12日の夜にはマグニチュード7.1の大地震を引き起こしました。大災害となりましたが、住民の噴火に対する意識が高く、備がしっかりしていたため、死者は58名にとどまりました。
桜島ができたのは約2万6千年前とされています。かつては桜島のある場所にさらに大きな姶良という火山がありました。約3万年前の姶良大噴火により、火山灰が降り積り、これは九州南部のシラス台地となりました。鹿児島湾北部は姶良火山が陥没してできたカルデラで、桜島へのマグマの供給源となっています。桜島は姶良カルデラの端に存在する火山です。
大正大噴火で噴出した大量の火山灰・軽石は、上空20,000m近くまで上昇し、火山灰は東北地方まで届きました。このときの火山灰で黒神村の腹五社神社の鳥居が埋め尽くされてしまいました。火山灰は2メートルほど積もり、高さ3メートルの鳥居は上部の1メートルを残すのみとなりました。後世に桜島の噴火の記憶を残すため、鳥居は掘り返されることはなくそのままの姿で佇んでいます。
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