世界最大のダイヤモンド原石を発見(1905年1月26日)
1905年1月26日、南アフリカのトランスバールのプレミア鉱山において、地表管理者フレデリック・ウェルズが地表から深さ5.5 mのところで世界最大のダイアモンド原石を発見しました。この鉱山を1902年に開いたトーマス・カリナン卿の名前に因んで「カリナン・ダイヤモンド」と名付けられました。
このカリナンは長さ約10.1 cm、幅約6.35 cm、高さ約5.9 cm、重さ約3,106カラット(621 g)もありました。この大きなダイヤモンド原石は8面体でしたが、4面は滑らからな表面をしていました。このことは、カリナンが自然の力で砕かれたより大きな原石の一部であることを示唆していましたが、残りの原石は発見されていません。カリナンは青白色を呈しており、ある角度から見ると虹のように色づいて見えました。カリナンは発見後にヨハネスブルグのスタンダードバンクで公開されました。カリナンをひと目見ようと9千人の見学者が訪れたそうです。
1905年4月、プレミア・マイニング社のロンドン代理店に預けられることになりました。カリナンは厳重な警備のもと蒸気船で運ばれましたが、実はこの船で運んだのは偽物でした。本物のカリナンは無地の箱に梱包されて書留郵便で送られていたのです。カリナンは注目を集めましたが、あまりに高価だったため売れませんでした。
1907年10、南アフリカのトランスバール政府はイギリス国王エドワード7世へ献上する目的でカリナンを15万ポンド(現在では1500万ポンドの価値)で購入しました。1907年11月9日サンドリンガム宮殿において、カリナンはエドワード7世の66歳の誕生日プレゼントとして大勢の来賓が見守るなかでトランスバール総領事から献上されました。
エドワード7世はオランダのアムステルダムのアッシャー社にカリナンのカットを依頼しました。アッシャー社は1908年1月にカリナンを預かり、1908年10月にカリナンを2つに割りました。当時の技術ではダイヤモンドを分割することは容易ではなかったのです。最終的に、カリナンは9つの大きなダイヤモンドと96個の小さなダイヤモンドに分割されました。
大きな9つのダイヤモンドにはカリナンI世からIX世の名が付けられました。これらはすべてイギリス王室か王族個人の所有物となりました。そのうちのいくつかはロンドン塔で展示されています。
カリナンI世は大きさが最大で「ザ・グレート・スター・オブ・アフリカ(偉大なアフリカの星)」と呼ばれています。カットダイヤモンドつとしては世界最大で530.20カラット(106.04 g)にもなります。
余談になりますが、現在、世界最大のカットダイアモンドは545.67カラット(109.13 g)の「ザ・ゴールデン・ジュビリー」です。プミポン国王の治世50周年を記念して1997年にタイ王室に献上されました。もとの原石は755カラット(151 g)で、カリナンの大きさには及びません。
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