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2021年1月10日 (日)

ビクターが45回転のレコードを公開(1949年1月10日)

 アナログレコードと言えば円盤に音声を記録したものですが、初期のレコードはエジソンが1877年12月6日に発表した蓄音器フォノグラフに用いられていた円筒状のものでした。レコード盤の原型を備えた円盤式の蓄音器グラモフォンが1885年にベル社のエミール・ベルリナーによって発明されると、円盤式が主流となりました。また、フォノグラフは音の信号を溝に対して縦方向(溝の深さの違い)に記憶しましたが、グラモフォンは音の信号を溝に対して横方向(溝の幅の違い)に記憶しました。蓄音器の開発の経緯についてはココログ「夜明け前」の「エジソンが蓄音機を公開(1877年12月6日)」に説明があります。

 さて、当初の円盤式アナログレコードは蓄音器がゼンマイ仕掛けであったため製品によって回転数が異なりましたが、後に定速回転が可能な電気モーターを使った蓄音器が登場したことで、回転数が78回転のものが主流となりました。これはSP盤(Standard Play)と呼ばれ、収録時間が3分間の直径25センチ(10インチ)のものと5分間の直径30センチ(12インチ)のものがありました。どちらにしても収録時間が短いため、演奏時間の長いクラッシックなどの音楽は複数枚に分けて収録され、アルバムのような入れ物に収められていました。やがて1枚でも複数の曲が収録されたメディアはアルバムと呼ばれるようになりました。

 SP盤のレコードは収録時間が難しく、レコードの材質も天然樹脂のシェラック(カイガラムシの分泌物)などで長時間の収録には適していませんでした。1940年代後半にポリ塩化ビニル製のレコードが実用化されると、1947年には33 1/3回転の直径30センチ(12インチ)のLP盤(Long Play)が登場しました。収録時間は30分で同サイズのSP盤の6倍の長さの曲を収録できるようになりました。

 その後、米国のビクター社がジュークボックスで再生可能で5〜8分の曲を収録することができる45回転の直径17センチ(7インチ)のレコード盤を開発し、1949年1月10日に公開しました。このレコード盤には正式な名称はつけられませんでしたが、中心の穴が大きいことからドーナツ盤と呼ばれました。日本ではLP盤に対してシングル盤と呼ばれました。LP盤とシングル盤は用途が異なるため競合することはなく、レコード盤の主流となりました。

Lp
シングル盤とLP盤

 さて、円周は半径をrとすると2πrですから、直径30センチLP盤の外周は約94センチ、17センチのシングル盤の外周は約53センチになります。LP盤は1分間に33 1/3回転ですから、レコード盤が1回転するのに要する時間は0.030分、約1.8秒になります。外周においては1.8秒で94センチ進むのですから、1秒あたりは約52センチ進むことになります。一方、シングル盤は45回転ですから、外周が1回転するのに要する時間は0.022分、約1.33秒になります。外周においては1.33秒で53センチ進むのですから、1秒では約40センチ進みます。つまり、外周での比較では、1秒間の音の信号を記録するのに、LP盤がの方が長い距離を使って信号を記録していることになります。LP盤はシングル盤より音の信号をより細かく記録しており、分解能が高いことになります。

 それではLP盤の中心から17センチのところではどうでしょうか。1回転する時間は約1.8秒で変わりませんが、17センチのところの円周はシングル盤と同じ約53センチになります。1.8秒で53センチ進むのですから、1秒では29センチ進みます。ここでは、シングル盤の方がLP盤よりも音の信号をより細かく記録しており、分解能が高いことになります。

 以上のことだけを考えると、回転数が高ければそれでか音が良くなるわけですが、それ以外にも溝の幅をどれぐらい取れるかということも重要です。これは1曲しか録音されていないシングル盤の方が有利です。幅が広ければダイナミックレンジも広くなり、音をより正確に記憶し、再現できることができるようになります。このあたり奥が深くいのですが、回転数が早くて、曲数の少ないレコード盤の方が音が良くなるでしょう。

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