謹賀新年|丑年の初めにウイルスのおはなし
明けましておめでとうございます
本年もよろしくお願いします
2021年は丑年です。私たちは日頃から牛さんにはたいへんお世話になっているわけでですが、牛の病気が人類の不治の病を救ったことはご存知の方もいると思います。その病とはウイルス感染症の天然痘です。天然痘の記録は古くは紀元前1300年以上に遡ります。それから18世紀の終わり頃まで多くの人が天然痘で命を失いました。この天然痘ウイルスに対するワクチンを開発したのがイギリスの医師のエドワード・ジェンナーでした。ジェンナーは牛のウイルス感染症である牛痘にかかると天然痘にかからないことにヒントを得て、牛痘を利用して天然痘の予防ができないかを研究しました。
1796年5月14日、ジャンナーは使用人の子どもジェームス・フィリップスに牛痘にかかった女性ジェームス・フィリップスの膿を接種しました。その後、ジェンナーはその子どもに天然痘を接種しましたが、子どもは天然痘を発症しませんでした。そのため、5月14日は種痘の日と呼ばれています。
ジェンナーの家はグロスターシャー州バークレーの村にあり、現在は小さな博物館となっています。この博物館には牛の角が飾られていますが、この角は牛痘の研究に貢献した雌牛のブロッサムのものです。子どもに接種された膿は雌牛のブロッサムの乳絞りをして牛痘にかかった女性サラ・ネルムズの手にできた発疹から取り出されたものだったのです。
さて、今年は丑年です。牛の年にウイルス問題解決の明るい兆しが見えてくることを祈願し、今年最初の記事とさせていただきます。
エドワード・ジェンナーの予防接種について興味がある方はココログ「夜明け前」の「種痘の日(1796年5月14日)」をご一読ください。
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