ケミカルライトはなぜ光る?
コンサートやパーティーなどで使われるケミカルライト。最近はいろいろな色のものが手に入るようになりました。ダイソーで光の三原色の赤・緑・青のケミカルライト買ってきました。さっそくスティックをボキッと折って点灯させてみましたが、なかなか綺麗な色が出ます。
ケミカルライトの発光原理は化学発光(ケミカル・ルミネッセンス)です。化学反応で高エネルギー(励起状態)となった分子が元の安定したエネルギー(基底状態)に戻るときに、その差分のエネルギーを光として放出する現象です。科学捜査で血痕の分析に使われるルミノール反応も化学発光によるものです。
ケミカルライトのスティックの中には2つの液体が別々に入っていて、スティックを折ることによって混合します。片方の液体は光のエネルギーの元になる物質と色の元になる色素と反応を進めるための物質(触媒)の混合物です。もう片方の液体は過酸化水素水です。
この2つの液体を混合すると、シュウ酸ジフェニルが分解し、高エネルギー状態の物質ができます。その高エネルギー状態の物質が色素を高エネルー状態にします。色素が高エネルギー状態から元の安定したエネルギー状態に戻るときに、その差分のエネルギーを放出し、そのエネルギーに相当した色の光が出てきます。
(光のエネルギーの元になる物質+色素+触媒)+(過酸化水素水) →高エネルギー状態の物質+色素 →高いエネルギー 状態の色素 →安定なエネルギー状態の色素+差分のエネルギーに応じた色の光 |
色素を変えることにより、差分のエネルギーが変えることができるので、異なる色の光を発光させることが可能です。また、光の三原色を出す色素を任意に混ぜると、異なる色を作り出すことができます。たとえば、赤・緑・青の色素を混ぜると白い光が出てきます。これは光の三原色の混色によるものですが、その原理については「光の三原色」と「色の三原色」|色が見える仕組み(7) で説明がありますので、興味がありましたら是非ご一読ください。
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