スコヴィル値とは|ハバネロを超える辛子
世界で最も激辛と言われている唐辛子ハバネロを頂きました。ハバネロの多くはユカタン半島で栽培されていますが、もともとはアマゾン川流域に広がる盆地が原産と考えらています。ちょっと刻んだものを醤油漬けにしてみましたが、辛い、辛い!
唐辛子の辛さは、米国の化学者、薬剤師のウィルバー・スコヴィルが1912年に考案した「スコヴィル味覚テスト」で求められるスコヴィル値(SHU, Scoville heat units)で表されます。
スコヴィル味覚テストは、唐辛子のエキスであるカプサイシンを辛みを感じなくなるまで砂糖水に溶かし、その希釈倍率を求めるものです。つまり、辛みを感じなくなるまでエキスを薄めたときの希釈倍率がスコヴィル値となります。スコヴィル値は、カプサイシンを含まないピーマンを0とし、ハバネロでは30万SHU以上にになります。ハバネロの辛みを消すには、エキスを30万倍希釈する必要があるということです。
スコヴィル味覚テストは複数の被験者に対して行われますが、人間の味覚による方法のため、カプサイシンの含有量を正しく表しているとは言えません。しかし、スコヴィル値は唐辛子の辛さを表す数値として、非常に長い間使われている値です。そこで、現在は分析機器で測定されたカプサイシンの含有量をスコヴィル値に換算したものが使われています。
1994年にギネスブックに登録されたハバネロの辛さは57万7,000SHUにもなります。タバスコは5万SHUの唐辛子を熟成して酢を加えたものですが、タバスコソースのスコヴィル値は5000SHU程度です。カイエンペッパーでも10万SHUぐらいですから、ハバネロがいかに辛いのかわかると思います。
世界一辛い唐辛子はギネスで認定されています。かつてはトリニダード・スコーピオン・ブッチ・テイラーという唐辛子が146万3700SHUででだったのですが、現在はキャロライナ・リーパーという唐辛子が156万9300SHUで世界一となっています。
実はキャロライナ・リーパーより辛い唐辛子として、ドラゴンズ・ブレスやペッパーXという栽培品種が開発されています。それらのスクヴィル値はそれぞれなんと240万SHUと318万SHUにもなります。
ペッパーXはキャロライナ・リーパーを開発したエド・カリー氏が2017年に開発したものですが、ギネスに認定されているのはいまだキャロライナ・リーパーのようです。
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