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2020年5月 5日 (火)

ウイルスの存在理由②ーウイルスとワクチン

 ウイルスは人間に悪影響を及ぼすものという認識をもっている人が多いと思います。ウイルスはラテン語で毒という意味で、病気を引き起こすものという意味で名付けられました。事実、これまでに多くのウイルスが人間の病気を引き起こしてきました。

 例えば、天然痘はウイルスが原因の感染症ですが、過去に多くの死者を出しています。しかし、1797年にイギリスの医学者エドワード・ジェンナーによって天然痘ワクチンが開発されると、天然痘患者の数が激減していきました。

 WHO(世界保健機構)は1980年に天然痘は根絶されたと宣言しています。その後、世界中の研究機関で保管されていた天然痘ウイルスは米国とロシア(当時はソビエト)の研究機関で厳重に管理されることになりました。

 WHOは保管されているウイルスを廃棄するよう決めましたが、米国とロシアは、天然痘ウイルスが外部に持ち出された可能性があり、生物兵器として使われたときの対策や、将来のワクチンの研究開発のためにも保存しておくべきであると主張しました。

 なにしろ、天然痘ウイルスが根絶されてからは、予防接種をしたことがない人が増えていますし、過去に予防接種を受けた人もすでに免疫を失っている可能性があります。ウイルスが生物兵器としてテロに利用された場合、大きな被害が出ることは容易に想像できます。

 この主張に多くの国が賛同し、天然痘ウイルスは今でも保存され続けています。今のところ、天然痘ウイルスの存在理由はあるとされているわけです。

 こうした話は天然痘に限った話ではありませんが、生物兵器の話を除いても、ウイルスを根絶させてしまうと、そのウイルスに関する研究や新しい予防ワクチンの研究ができなくなってしまいます。

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