ウルトラセブン語録@第49話 史上最大の侵略 後編(1968/09/08)
ウルトラセブン第49話は最終回後編「史上最大の侵略」です。ゴース星人、パンドン、セブン上司が登場します。
苦しんでいたダンのうめき声が突然止まり、前編は終了。
「悪魔のような侵略者から地球を守るために戦ってきたウルトラセブンにも最期の時が近づいていた。もう二度と再び立ち上がることはできないのだろうか。死んではいかん。地球はまだ君を必要としているのだ。がんばれ!モロボシダン。ウルトラセブン、生きるんだ」(浦野光)
隊員たちが、ダンを心配そうに見守ります。
アンヌ「大丈夫。峠は越したようだわ」
ダンは命を取り留めたようです。ダンをアンヌに任せて、作戦室に戻るキリヤマ隊長と隊員たち。
ダンの病室にキタムラ博士がやってきました。アンヌに手術室の用意を依頼します。
キタムラ「レントゲン写真を撮ってみよう、手術の必要があるかもしれない。アンヌ隊員、手術室の用意を」
病室から出て行くアンヌとキタムラ博士。こっそり2人の話を聞いていたダン。
ウルトラセブンがパンドンを倒した現場を上空からホーク3号でパトロールするフルハシとソガ。しかし、そこには、ウルトラセブンに切り落とされた腕と足が転がっていただけで、パンドンの姿はありませんでした。そこに作戦室から連絡が入ります。
キリヤマ「ソガ、フルハシ、直ちに基地へ帰れ!敵の攻撃を受けている」
円盤からの攻撃を受ける地球防衛軍基地。ホーク1号の発進場のある二子山が攻撃で山火事になっています。
クラタ隊長が応戦のためホーク1号で出動しようとしますが、キリヤマ隊長は、ホーク1号を発進すると二子山が開いて基地が丸見えになってしまうと制止します。応戦することができないことを悔しがるクラタ隊長。
緊急状態でダンが心配になったアンヌはメディカルセンターに戻ります。しかし、ベッドの上にはダンはいませんでした。ダンを探し回るアンヌ。
そこにホーク3号のフルハシとソガが戻ってきました。すかさず円盤にミサイル攻撃、見事に命中させます。逃げていく円盤を追いかけるホーク3号。円盤は真っ黒な雲の中に姿を消しました。ホーク3号も黒雲に突入しましが、円盤を見失ってしまいます。円盤は急降下して地下基地に逃げたのです。
地下基地の中を進む円盤。基地の中にはウルトラセブンに倒されたはずのパンドンが横たわっていました。
ゴース星人の首領が部下の報告を受けています。首領が何やら指示をすると、部下が首領の前に拉致していたアマギを連れ出してきます。
一方、地球防衛軍基地は混乱が収まりません。
キリヤマ 「敵が防衛軍基地上空から直接攻撃してきたのは、これがはじめてだ」
クラタ「久しぶりに手ごたえのある連中だ」
キリヤマ「大口を叩くな、次にどんな手を打ってくるかわからんぞ」
そこに、フルハシとソガが戻ってきます。
フルハシ「確かに命中はしたんですが、クマガタケの辺りで見失ってしまって」
ソガ「たぶん噴火口に突っ込んだでしょう」
そこに、ダンを探していたアンヌもやってきます。
アンヌ 「隊長!ダンがいないんです」
ダンは地球防衛軍の基地を抜け出していました。
ダン「許してくれ、アンヌ。レントゲン写真を撮られたら、僕が宇宙人であることがわかってしまう。アンヌ、僕をそっとしておいてくれ」
アンヌの話を聞いて笑い出すクラタ隊長。
クラタ「今度は脱走か。ウルトラ警備隊の恥じっさらしだよ、あいつは」
ソガがダンを擁護しますが、クラタ隊長は聞く耳をもっていません。
クラタ「怖くなったんだよ、防衛軍の仕事が」
そこに、緊急連絡が入りました。画面に映ったのは、なんとアマギでした。アマギがゴース星人のメッセージを伝えます。
アマギ「地球防衛軍に告ぐ。地球防衛軍は直ちに、我々ゴース星人に降伏せよ。我々ゴース星人に降伏すれば、火星の地底都市に移住を許可し、全人類の生活を保障する。我々は強力な地底ミサイルを持っている。地球人たちは空と海の守りは堅いが、地底はまったくの無防備だ。降伏に従わない場合には不本意ながら、世界各国の主要都市を一斉攻撃し、30億全人類の皆殺し作戦を実行する。ハッハッハッ」
この話を聞いて、徹底抗戦を主張し出す隊員たち。しかし、タケナカ参謀とマナベ参謀がいさめます。
タケナカ「 これは30億全人類の運命がかかった史上最大の侵略だ。軽率に行動してはならん」
マナベ「 やつらの言うとおり、地底はまったくの無防備だ。地底ミサイルを撃ち込まれたら防ぎようがない」
ヤマオカ長官がウルトラ警備隊に敵の基地を探すよう命令します。
ヤマオカ「ウルトラ警備隊は、敵のミサイル基地を探し出してくれ」
全員「はいっ!」
ヤマオカ「我々は各国首脳部を集めて、対策会議の真似事をやる。できるだけ長引かせるから、なんとか敵の基地を見つけてくれ」
夜道を停車しているポインター。そのポインターを見つけたアキオ少年とその姉のユミ。
アオキ「あっ、ウルトラ警備隊のポインターだ。停めてよ」
アキオとユミがポインターの運転席をのぞき込むと、そこにはハンドルに包帯を巻いた頭をのせて、苦しそうにしているダンがいました。
アキオ「どうしたんだろう?」
ユミ「早く病院へ連れていかなくちゃ。アタシ救急車呼んでくるわ」
ダン「待ってくれ。救急車はいらないよ。ちょっと休みたいだけなんだ」
ユミ「だってこんなところじゃ身体に毒よ」
アキオ「そうだ、ぼくん家おいでよ」
こうしてダンはアキオ君とユミの家に行くことになりました。
アキオ少年の家の部屋。ウルトラセブンの本や、ウルトラホークのプラモデルがかざってあります。二段ベッドの下で寝ているダン。
ダン「ありがとう」
アキオ「ボクも大きくなったらウルトラ警備隊の隊員になるからね」
一階ではユミと母親が話をしています。
母親「ユミ、ヤマモト先生に往診してもらいなさい。早く、電話をかけて」
ユミ「でもちょっと休みたいだけだって」
母親「いえ、ご遠慮してらっしゃるだけよ」
ユミ「そうね、きっと」
ユミはヤマモト医師に電話をかけます。
母親とユミの会話を聞いてアキオ君に話をするダン。
ダン「僕ねぇ、注射が嫌いなんだよ。だから」
アキオ「僕も嫌いなんだ」
アキオ「逃げちゃおうか、ボクたちの作戦本部があるから、そこに行こうよ」
ダン「うん」
アキオはダンを連れて彼らの作戦本部に移動します。資材置き場を通り抜ける2人。ラジオの野球中継が流れています。2人は作戦本部になんとか到着。
アキオ「さぁ、ここなら平気だよ。ここがボクたちの作戦本部さ。ねぇカッコいいでしょ」
シーン変わってゴース星人の基地。地球防衛軍からの連絡がないため、ついに首領がしびれを切らして、地底ミサイル発射命令を出します。
世界各国を攻撃する地底ミサイル。世界の主要都市が焼き尽くされていきます。
作戦室の画面に再び現れるアマギ。
アマギ「返事はまだか。30分後にもし返事がなければ、次に東京を攻撃する。イエスかノーか、その答えが欲しい」(
ヤマオカ「敵の基地はまだ発見できんのか?」
キリヤマ「クラタ君にも手伝ってもらっているんですが」
マナベ「長官、30分といえば時間がなさ過ぎます。対策会議どころじゃありませんよ」
タケナカ「この際、降伏もやむを得ません。町は大混乱です」
東京の街は大混乱。人々はパニック状況に陥っています。
アキオ君の作戦本部でテレビニュースを見ているダン。
アナウンサー「各駅とも避難する群衆が押し寄せ、大混雑となっております。東京も遂にゴース星人の魔の手にかかり、廃墟となってしまうのでしょうか」
そのニュースを見て、出かけようとするダン。そんな身体では駄目だと、それを制止するアキオ少年。確かにアキオ少年の言うとおりです。出ていくのを断念するダン。
ニュースが流れ続けています。
アナウンサー 「人類は遂にゴース星人の奴隷となるのでしょうか。それとも人類の誇りとともに滅亡するのでしょうか。二つのうち、いずれかを選ばねばならんときが来たのです」
ダンの様子を見て、アキオ少年が作戦本部を出て行きます。
アキオ「ちょっと待ってて。どこにも行っちゃダメだよ」
シーン変わって作戦室。どこからかの電話に応答するキリヤマ隊長。そこに、クラタ隊長、フルハシ、ダンが戻ってきます。
クラタ「敵の基地がわかりました」
ヤマオカ「そうか、よくやったぞ」
タケナカ「場所はどこだ?」
クラタ「クマガタケの地底」
フルハシ「クマガタケは活火山ですが、その噴火口が出入り口になっているんです」
キリヤマ「長官、一刻を争うときです。マグマライザーに時限爆弾を積んで自動操縦で敵の基地に突っ込みましょう」
ヤマオカ「よし、すぐ準備にかかれ」
ソガが思わずその命令を制止します。
ソガ「待ってください!敵の基地にはアマギが捕まっているんです。奴はどうするんですか?」
クラタ「何を言うんだ。この際、人間ひとりの命にかまっている場合ではない」
ソガ「私が助けに行きます」
クラタ「馬鹿!お前がノコノコ入っていったら元も子もなくなるんだ」
ソガ「しかし!」
クラタ「あきらめるんだ!」
クラタ「君がアマギを思う気持ちはよくわかる。だが、彼だってウルトラ警備隊だ。自分の命よりも人類すべてのことを大事に思うだろう」
この様子をビデオシーバーで見ているダン。
ついにキリヤマ隊長が出動命令を出す。
キリヤマ「マグマライザー、出動スタンバイ!」
▼ダン
「アンヌ、僕は、僕はね、人間じゃないんだよ!M78星雲から来たウルトラセブンなんだ!」
▼アンヌ
「ううん、人間であろうと宇宙人であろうと、ダンはダンにかわりないじゃないの。たとえ、ウルトラセブンでも」
ビデオシーバーで作戦室のやり取りを見ていたダンは思わず作戦本部の外に出て、旨のポケットからウルトラアイを取り出し、ウルトラセブンに変身しようとします。すると、ダンの目の前にセブン上司が現れ、ダンに変身しないよう告げます。
セブン上司 「やめるんだセブン。今度こそ本当に死んでしまうぞ!」
ダンはセブン上司に止められて変身をためらいます。
そこにダンを照らす自動車のライト。アンヌの乗るポインターがやってきたのです。
ダンに優しく声をかけるアンヌ。
アンヌ「アキオ君って子供が教えてくれたの、ダンがここにいるって」
アンヌ「なぜ、逃げたりなんかしたの?」
アンヌ「ねぇ、答えて」
しかし、ダンは無言のまま返事をしません。
アンヌ「ダン?」
意を決しって、アンヌの方を振り向くダン。自分の正体をアンヌに告白します。
ダン「アンヌ、僕は、僕はね、人間じゃないんだよ!M78星雲からきたウルトラセブンなんだ!」
ダン「びっくりしただろう?」
アンヌ「ううん、人間であろうと宇宙人であろうと、ダンはダンにかわりないじゃないの。たとえ、ウルトラセブンでも」
ダン「ありがとう、アンヌ」
作戦室では、キリヤマ隊長がマグマライザーの発進命令を出します。
キリヤマ「マグマライザー発進!」
ゴース星人の基地に向けて地底を走るマグマライザー。ゴース星人の基地にはアマギが拉致されています。このままではアマギの命はありません。
ダンとアンヌの会話。
ダン「今、話した通り、僕はM78星雲に帰らなければならないんだ。西の空に、明けの明星が輝く頃、ひとつの光が宇宙へ飛んで行く。それが、僕なんだよ」
ダン「さよならアンヌ!」
アンヌ「待って、ダン!行かないで!」
ダン「アマギ隊員がピンチなんだよ!」
アンヌを突き飛ばして、ついにウルトラセブンに変身するダン。
ダン「デュワッ!」
▼キリヤマ
「行こう!地球は我々人類、自らの手で守り抜かなければならないんだ」
ウルトラセブンはゴース星人の基地に侵入、アマギ隊員を助け出します。そこに無人運転のマグマライザーが到着し、基地は大爆発。ウルトラセブンとアマギは間一髪で逃げ出します。ウルトラセブンはアマギを連れ戻します。そのアマギを助け出すキリヤマ隊長以下、ウルトラ警備隊の隊員たち。
爆発炎上する山の地面が割れ、そこからパンドンが姿を現します。ウルトラセブンに切り落とされた片腕と片足はサイボーグ化されていました。ウルトラセブンは命をかけてパンドンとの戦いを始めます。
その姿を見て耐えられなくなったアンヌは、ついにダンの正体を皆にあかします。
アンヌ「ウルトラセブンの正体は、アタシたちのダンだったのよ」
アンヌ「M78星雲から、地球を守るために遣わされた平和の使者で、自分を犠牲にしてまでこの地球のために闘っているんだわ」
アンヌ「でも、もうこれが最後の闘いよ!ダンは自分の星に帰らなければならないの」
あっけにとられるキリヤマ隊長、クラタ隊長、隊員たち。
闘う力が残っていないダン。一方的にパンドンの攻撃を受けます。
その様子を見て、キリヤマ隊長は気を取り戻します。
キリヤマ 「行こう!地球は我々人類、自らの手で守り抜かなければならないんだ!」
ウルトラ警備隊はウルトラホークでパンドンに攻撃を仕掛けます。
ミサイルがパンドンに命中します。
フルハシ「ダン離れるんだ。怪獣は俺に任せろ!」
アマギ「ダン!」
ダンは隙をついてパンドンに近づいてとっくみあいを始めます。
アンヌ「ダンは死ぬ気で闘っているんだわ」
キリヤマ「体の具合が悪ければ悪いで、なぜはっきり言ってくれなかったんだ」
クラタ「モロボシ、許してくれ!」
ソガ「危ない!」
ウルトラホークの怒濤の攻撃でひるむパンドン。ダンはアイスラッガーを投げます。しかし、威力がなく、パンドンはアイスラッガーを手でつかみ取ってしまいます。アイスラッガーを投げ返そうとするパンドン。そこに、クラタ隊長がアルファ号でパンドンを攻撃。パンドンはダンに向かって、アイスラッガーを投げつけます。ダンは念力でアイスラッガーを跳ね返します。パンドンは首が切り落とされ、その場に崩れ落ちます。
ついにパンドンをたおしたダンは、、最後の力をふりしぼり、西の空に向かって飛んでいきます。やがて、ダンはひとつの光となり、宇宙へと消えて行きます。
ダン「明けの明星が輝く頃、ひとつの光が宇宙へ飛んで行く。それが僕なんだ」
その光をみつめる隊員たち。ソガが思わずつぶやきます。
ソガ「ダンは死んで帰っていくんだろうか。もしそうなら、ダンを殺したのは俺たち地球人だ」
ソガ「奴は傷ついた身体で最後の最後まで、人類のために闘ってくれたんだ!ダンを殺したのは俺たちなんだ。あんないい奴を」
フルハシ「そんな馬鹿な。ダンが死んでたまるか、ダンは生きている。きっと生きてるんだ。遠い宇宙から、俺たちの地球を見守ってくれるさ。そしてまた、元気な姿で帰ってくる!」
アンヌの頬に涙が伝わる。アンヌはいつかまたダンと会えることを信じて、フルハシの言葉にうなずきます。
空いっぱいに元気に走るダンの顔。 ウルトラセブンの主題曲が流れる中、ダンは走る、走り続けます。そして、大きな笑い顔で地球を見守ってくれているのです。
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