ウルトラセブン語録@第48話 史上最大の侵略 前編(1968/09/01)
ウルトラセブン第48話は最終回前編「史上最大の侵略」です。ゴース星人、パンドン、セブン上司が登場します。
カチカチと時計の音が鳴り響く真夜中のダンの部屋。寝ながら苦しそうにしているダンが跳ね起きます。目の下にはクマができ、汗をびっしょりかいています。フクロウ掛け時計の時間は午前3時20分。隊員服に着替え、任務につきます。
部屋を出たダンは長い廊下をふらふらと歩いて行きます。向かう先はウルトラホークの発射場です。そこへ、ソガ隊員がやってきてダンに声をかけます。
ソガ「AM300現在、大気圏外ポイント728方面パトロール終了。異常なし」
ダン「はぁ、交代します」
ソガとダンのパトロール任務交代ですが、ソガは顔色が悪いダンに気が付きます。
ソガ「ダン、顔色が冴えないぞ。どっか悪いんじゃないのか?」
ダン「いや」
ソガ「代わってやろうか?」
ダン「大丈夫です、じゃあ」
ソガは元気がなさそうなダンを心配して、すれ違いざまに、もう一度声をかけます。振り向くダンにガムを投げ、声をかけます。
ソガ「元気出せよ!」
と声をかけるソガ隊員。
ウルトラホーク2号で宇宙パトロールに出かけるダン。体調不良、星々がぐるぐる回って焦点が定まりません。
ダン「脈拍360、血圧400、熱が90度近くもある。原因は何だ。この異常な症状が、もしや?」
自分の体調の異常に何か気が付いたダン。そのときステーションV3のクラタ体調から緊急連絡が入ります。
クラタ「こちらステーションV3、こちらステーションV3。ホーク2号応答せよ、ホーク2号応答せよ」
ダン「はい、こちらホーク2号」
クラタ「ポイント701方面に飛行物体発見。現在マッハ1.3のスピードで移動中。進行方向地球、こちらの呼び掛けに応答なし。ただちに追跡撃墜せよ」
ダン「了解」
ダンはホーク2号を急旋回し、ポイント701方面に向かいます。飛行物体は地球へ向かう円盤でした。ダンはホーク2号のレーザー砲で攻撃を開始しまが、円盤はレーザーをかわします。
ダンは円盤を追尾し、再度攻撃しますが、円盤にレーザーが当たりません。ダンは円盤が三重に見え、気を失いかける寸前です。そこにV3のクラタ隊長から連絡が入ります。
クラタ「ホーク2号、何をやっているんだ。目を開いているのか、ボヤボヤするな」
ダンは慌ててレーザー砲のスイッチを押します。しかし、レーザー砲は当たりません。やがて、円盤が反撃してきました。ホーク2号は被弾し、火を噴きます。そこに、クラタ隊長がステーションホークで駆けつけます。
クラタ「バカモン!搭乗者は誰だ。名前を言え、名前を!」
ダン「はい。モロボシダンです」
クラタ「モロボシ?貴様、弾の撃ち方も知らんのか。それでよくウルトラ警備隊の隊員が勤まるな。邪魔だ。どけ、どけ!」
クラタ隊長はホーク2号の機体の状況を確認。
クラタ「ケツに火が点いているぞ。不時着して昼寝でもするんだな。防衛軍のエリートさん」
クラタ隊長は円盤を追尾、一方、ダンは不時着し、気を失います。円盤はクラタ隊長の攻撃を受け、煙を吐きながら山に墜落し、爆発します。
メディカルセンター。ダンがベッドで寝ています。アンヌが起き上がろうとするダンを制止してベッドに寝かしつけます。
アンヌ「ダン、起きちゃダメよ。運がいいのね、アナタって。ホーク2号が大爆発を起こしたのよ。クラタ隊長からの連絡がもう少し遅かったら、助かってなかったかもよ」
ダンは何か言いかけて起き上がろうとします。
アンヌ「ダメダメ、少しはアタシの言うことも聞いて。あなたはひどく疲れているんだから」
ダン「平気だよ」
アンヌ「いけないわ。身体に自身のある人ほど、身体の欠陥を知らないものよ」
そう言うと、アンヌはダンの汗を拭きます。
アンヌ「さあ、静かにして」
ダンは心の中で「体が思うように動かない。すべて駄目になってしまったんだろうか」とつぶやきます。
射撃訓練場でクレー射撃をするダン。しかし、まったく当たりません。「畜生」と悔しがるダン
体育館でバスケットボールをするダン。しかし、まったくゴールにシュートできません。「くそっ」と悔しがるダン。そして、鉄棒。鉄棒につかまろうとジャンプしますがまったく手が届きません。やっと鉄棒をつかむことができましたが、。落っこちてしまいます。ダンは汗まみれでマットの上に大の字になり、「ダメだ!ダメだ!」と悔しがります。
アンヌがその様子を見守っています。
アンヌ「ダン、ひとりで何をそんなに苦しんでいるの?」
▼アンヌ
「どうしたのダン、何でもないことじゃないの。レントゲン写真と心電図をとるだけなんだから」
作戦室。最近発生している異常現象について打ち合わせをしています。
キリヤマ「頻々と飛来する宇宙からの飛行物体、そして怪電波、異常なデリンジャー現象、地球がこのところ不穏な空気に包まれていることは諸君もよく知ってのことと思う。何者かが大規模な侵略計画を企てているに違いない。レーダーによる監視を厳しくし、パトロールを強化して、インベーダーを一歩たりとも地球に寄せつけないよう一層防衛体制を固めてもらいたい」
キリヤマ隊長の話が終わるやいなや、苦しそうにしていたダンは作戦室を出ます。アンヌ隊員はダンを追いかけます。
アンヌ「ダン、いけないわ。すぐ精密検査を受けましょうよ」
ダン「精密検査?」
アンヌ「そうよ、体の内部を徹底的の調べてみる必要があるわ」
ダンは逃げるようにその場を立ち去ろうとします。
アンヌ「どうしたのダン、何でもないことじゃないの。レントゲン写真と心電図をとるだけなんだから。ねっ、アタシのお願いも聞いてちょうだい。さっ、行きましょ」
ダン「ほっといてくれ」
アンヌ「ダン!」
ダンはアンヌを突き放して、その場から立ち去ります。
▼ダン
「しかし、この美しい星は狙う侵略者たちは後を絶たない。僕が帰ったら地球はどうなるんだ」
ダンの私室。時間は23時。ダンは隊員服を着たままベッドで寝ています。すると、枕元にウルトラセブンが現れます。
セブン上司「340号!」
目を見開くダン。
セブン上司「いや、地球での呼び名に従って、ウルトラセブンと呼ぼう。君の死体は過去の侵略者たちとの激しい闘いによって、多くのダメージを受けた」
ウルトラセブンの過去の壮絶な戦いがフラッシュバックします。
セブン上司「これ以上、地球にとどまることは非常に危険だ。ウルトラセブン、M78星雲に帰る時が来たのだ」
ダン「しかし、この美しい星は狙う侵略者たちは後を絶たない。僕が帰ったら地球はどうなるんだ」
セブン上司「セブン、今は自分のことを考えるべきだ。地球にとどまることは死を意味するのだ」
ダン「元の体には戻れないのか」
セブン上司「それにはM78星雲に帰る必要がある。君の体は人間とは違うんだ」
ダン「今は帰れない。地球に恐ろしいことが起こりそうなんだ。このまま、放っておくわけにはいかん」
セブン上司「ひとつだけ忠告する。闘って、これ以上エネルギーを消耗してはならん。M78星雲に帰ることができなくなってしまう。変身してはいかん!」
セブン上司は念力(?)でダンの胸からウルトラアイを取り出します。ウルトラアイは壁掛けのフクロウ時計のフクロウの目にかかります。
ダンは飛び起きて、汗をぬぐい、胸ポケットに手をやります。胸にウルトラアイが入ってないことに気が付くダン。そして、クロウ時計の目にかけられたウルトラアイを見つけて驚きます。ダンはウルトラアイを手にします。セブン上司との会話は夢の中の出来事ではなかったようです。
作戦室。ダンがレシーバーをつけて通信機の前に座っています。
ゴース星人の基地。立派な椅子に座っているゴース星人を中心に5人のゴース星人が会議をしています。何を話をしているのかわかりませんが、中心のゴース星人が史上最大の侵略の指令を出したようです。
宇宙ステーションV3から緊急連絡が入ります。
クラタ「緊急事態発生、緊急事態発生、ポイント580方面に、飛行船状の物体をキャッチ。地球に向って移動中。ただちに攻撃態勢に移れ」
夜勤で通信機の前で待期しているダン。クラタ隊長からの緊急連絡が聞き取れません。意識がもうろうとなり、肝心のレシーバーを外してしまいます。未確認飛行物体への対応が遅れます。
地上レーダーが敵影を捉え、正気を取り戻したダン。作戦室のコントロールパネルのスイッチを入れます。作戦室の装置が動き始め、キリヤマ隊長と隊員たちが作戦室に集まってきます。
キリヤマ「どうした?」
ダン「はっ、未確認飛行物体が地球に侵入します」
キリヤマ隊長「なに。ウルトラホーク出動スタンバイ!」
隊員「はい!」
ウルトラホーク1号と3号が緊急出動します。飛行物体を発見して両機はすかさず攻撃を開始します。レーザー砲が当たっているのに撃墜することができません。また、飛行物体は反撃もしてきません。
フルハシ「変だな。隊長、中には誰も乗ってないんじゃないですか。誰かいたら反撃してくるはずですよ」
キリヤマ「油断するな。チャンスをうかがっているのかもしれん」
飛行物体は地上に着陸します。ホーク1号と3号は着陸、隊員たちに地上からの攻撃を命令するキリヤマ隊長。キリヤマとフルハシ、ソガとアマギ、ダンとアンヌと3グループに分かれ、飛行物体のまわりに待機します。
ソガとアマギが岩陰からゴース星人を発見します。アマギはウルトラガンを構えて近づいていきますが、ゴース星人がアマギを返り討ちにします。ゴース星人が放った光線が、球状のカプセルなり、アマギを捉えます。カプセルはアマギとともに宙に舞い上がります。
続いてゴース星人はソガを攻撃し。ソガは間一髪でカプセルから逃れます。そこに駆けつけるキリヤマ隊長とフルハシ隊員。
キリヤマ「ソガ、大丈夫か」
ソガ「アマギがやられました」
ソガは空へと飛んでいく球体を指さし、アマギの拉致を報告します。
フルハシがエレクトロ・H・ガンで飛行物体を攻撃、キリヤマ、ソガもウルトラガンで攻撃を開始します。しかし、飛行物体にはまったく通用しません。やがて、飛行物体が開き、そこから火を吐く大怪獣パンドンが現れました。
パンドンは、キリヤマ、フルハシ、ソガに向かって火を噴きます。3人は火の海に包まれます。逃げる場所を閉ざされてしまいます。その様子を見ているダンとアンヌ。ダンはアンヌにホーク3号で消火するよう指示します。ダンはウルトラアイを取り出し、ウルトラセブンに変身しようとします。そのとき、セブン上司が現れます。
セブン上司「待て!変身してはいかん!」
ウルトラ・アイを地面に叩きつけるダン。ウルトラセブンに変身することを断念して悔しがります。しかし、パンドンはキリヤマ隊長らに攻撃を続けています。
仲間の絶対絶命のピンチを目の前にしたダンは、自分の命も顧みず、意を決して、地面に落ちたウルトラアイに向かってうつぶせに倒れ込みます。ダンはウルトラセブンに変身します。
ウルトラセブンはパンドンに体当たりし、パンドンを突き飛ばします。そして、キリヤマ、フルハシ、ソガを助けようとしますが、背後からパンドンに岩を投げつけられ羽交い締めにされます。ウルトラセブンは苦戦、隊長たちを助けることができません。
そこへ、アンヌが搭乗するウルトラホーク3号がやってきます。
アンヌ「セブン、隊長たちの方は、アタシに任せて」
ウルトラホーク3号は上空を旋回し、消化剤をまきます。隊長たちを包み込む炎が鎮火し、キリヤマ、フルハシ、ソガが救出されます。
パンドンとの戦いを続けるウルトラセブン。セブンはエメリューム光線を放ちますが、エネルギーが少なくなっているため、パンドンに届きません。がっくりと崩れ落ちてしまうセブン。そのセブンにパンドンが容赦なく攻撃を続けます。セブンは地面に倒れてのたうち回ります。
セブンは頭からアイスラッガーを外し、パンドンの身体を切ろうとしますが、アイスラッガーをたたき落とされてしまいます。地面に落ちたアイスラッガーを踏みつけるパンドン。
そのとき、ホーク3号がパンドンをミサイル攻撃。アンヌが必死になってセブンを援護します。パンドンがホーク3号に気を取られているうちに、セブンはアイスガッラーを拾い、パンドンの左手と右足を切り落とします。
その場に崩れ落ちたパンドンを確認したウルトラセブンは変身を解き、ダンの姿に戻ります。ダンは地面に倒れます。顔面血だらけの瀕死の重傷です。
▼キリヤマ隊長
「クラタ、V3は何をやっていたんだ」
メディカルセンターに運ばれるダン。かなり厳しい容体のようです。
キリヤマ「助かりますか?」
キタムラ博士は答えが見つからず無言。
そこにクラタがやってきました。
キリヤマ「クラタ、V3は何をやっていたんだ」
クラタ「なにぃ」
キリヤマ「そっちからの連絡が早ければ、モンスターは宇宙で始末できたのに。アマギは拉致され、ダンは再起不能のキズを負った。V3の責任だぞ」
クラタ「いいがかりはやめろ。俺はちゃんと連絡をとった。しかし、そっちから、ウンともスンとも返事がないんで、気になって降りてきたんだ」
キリヤマ「本当か」
クラタ「貴様、「当番が居眠りでもしてたんだろ!」
キリヤマ「そんな、馬鹿な」
キリヤマ「誰だ。ゆうべの当番は」
ダン「ボクです」
クラタ「またお前か。一度ならずも二度もミスを犯すなんて。それでも地球防衛軍の隊員か。通信機が故障だなんていわせんぞ。無線室で何をやっていた。イビキでもかいて寝てたんだろう」
苦しそうなダン。
クラタ「自業自得だ。おいキリヤマ、人に文句を言う前にな、自分の部下の教育をするんだ」
そう言って、クラタはメディカルセンターを出てきました。
ダンが苦しみはじめます。
アンヌ「ダン」
キリヤマ「おいっ」
「悪魔のような侵略者から地球を守るために戦ってきたウルトラセブンにも最期の時が近づいていた。もう二度と再び立ち上がることはできないのだろうか。死んではいかん。地球はまだ君を必要としているのだ。がんばれ!モロボシダン。ウルトラセブン、生きるんだ」(浦野光)
アンヌ「ダンは今、必死に死神と戦っているんだわ」
ソガ「がんばるんだ、ダン」
フルハシ「負けるんじゃないぞ、ダン」
隊員たちがダンに励ましの声をかけます。
しかし、突然ダンのうめき声が止まりました。
どうしたダン!
前編が終了。
ダ~~~~ン(>_<)
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