ウルトラセブン語録@第45話 円盤が来た(1968/08/11)
ウルトラセブン第45話は「円盤が来た」です。ベロリンガ星人、フクシン君、バロムワン・・・じゃない高野浩幸さんが登場します。
物干し台から天体望遠鏡で星空を観察するアマチュア天文家のフクシン君。彼は、機械加工の仕事をしながら、毎晩、夜を徹して星の世界に誘われるのです。おかげで昼間は眠くて仕方ありません。
「そう、彼が心休らかに星の世界へ飛び込めるのは、夜遅くなってからでありますが、夜を徹して星を見るあまり、このありさま」(浦野光)
フクシン君は、ついつい居眠り。そして、身体が加工機械の方へ傾きます。
工員「危ない!しっかりしろ」
工場の社長 「星を見るのもいいかげんにしろや。第一、いい年して少しは自分のことを考えたらどうだ。ここんとこ、成績がよくないぞ」
フクシン「すみません」
仕事を終えて、河原の土手の草むらに寝転ぶフクシン君。弁当箱が土手の下に落ちていきます。その弁当箱を拾って、フクシン君に声をかける一人の少年。
少年「なんか悩んでんね、おじさん」
フクシン「近頃じゃネオンとかいろんな明るいものが多いだろ。夜遅くならないと星を見ることが出来ないんだよ。だから、お兄さん、会社じゃ眠くてヘマばかり」
少年「お兄さんは星を見るの?」
フクシン「うん、毎夜ね」
少年「どうして?」
フクシン「宇宙にね、お兄さんの名前の付いた星を持ちたいのさ。フクシン彗星」
少年「ふ~ん」
フクシン「それに星は汚れてなくてきれいだろ。地球なんか人間もウジャウジャいるし、うるさくて。君も一度、星を見てごらん、素晴らしいぞ」
少年「まあ今夜いいことがあるよ。きっと」
そして、夕日が沈み、また夜がやってくるのです。
「草木も眠る丑三つ時、それでもフクシン君はやめられず」(浦野光)
いつものように望遠鏡を覗いて星の観察をしていたフクシン君。ところが、今夜は視界の中に何か他のものが。
フクシン「星じゃない。大変だ!円盤だ!宇宙人だ!」
隣のゲンさんの家のドアをを叩き、電話を借りて、ウルトラ警備隊に連絡するフクシン君。ゲンさんは夜中にたたき起こされて不機嫌です。
ウルトラ警備隊作戦室。
ソガが一人で夜勤をしています。そこにフクシン君からの電話が入ります。円盤が襲来とおいう通報を受け、作戦室は緊急態勢。キリヤマ隊長以下、隊員たちが集まってきます。フルハシ隊員はパジャマのままです。
しかし、地球防衛軍の観測では異常はないようです。
ダン「隊長、うちの観測班も全天に渡り、そのような襲来事実はないとのことです」
しかし、円盤を発見したという電話がたくさんかかってきているようです。
フルハシ「隊長、第一報の後、同じようなアマチュア天文家からかなりのの電話がかかってきてるそうです。交換からです」
キリヤマ「もしもし、知らせてくれた人には丁重に感謝して下さい。現在調査中ですと」
東京天文台、東大でも異常は認められないとのこと。
キリヤマ「よし、おそらく何かの間違いだろう。別の気象状態を、アマチュアの数人が偶然錯覚したものと思う」
この円盤騒動は異常気象が原因と片付けられましたが、念のためダンとソガがパトロールに出ます。
▼ダン
「やけにロマンチックだなあ」
星のゆらめく光の中をホークでパトロールするダンとソガ隊員。
ソガ「何か普段よりも星の数が多いみたいだ」
ダン「やけにロマンチックだなあ」
ダン「ソガ隊員、さっきのアマチュマの観測データを下さい」
ソガ「ああ」
ダン「おかしいな」
ソガ「何も発見されないじゃないか。何がおかしい?」
ダン「いやあ、星の数が普段より多いみたいだ」
昼間の団地。空き地で昼寝中のフクシン君。そこに、あの少年がやってきます。フクシン君は夕べ円盤を発見しところ、ウルトラ警備隊に通報したが、錯覚と答えがかえってきことを少年に話をします。その話を聞いて、きっと円盤が見られると言う少年。
フクシン「ああ、僕が一番に知らせたんだ。昨日は何人ものアマチュアが見間違えたらしい。気象の状態で地上の何かの光が蜃気楼となって、円盤に見えたらしいんだな」
少年「おじさん、今日こそ円盤が見られるよ。星が見つかるかな。東の空だよ、きっと!」
蕎麦屋の増田屋でゲンさんとシゲさんが話をしています。そこにフクシン君がやってきます。ゲンさんは夕べの大騒動についてフクシン君に文句を言います。
ゲンさん「今度、邪魔しやがったら双眼鏡なんてたたき折ってやる」
フクシン「あれは望遠鏡です!」
ゲンさん「この野郎!」
また、夜がやってきます。相変わらず星空の観測をするフクシン君。すると、また円盤が現れます。大騒ぎするフクシン君。
フクシン「円盤だ、宇宙人だ!円盤だ、宇宙人だ!円盤だ、宇宙人だ!円盤だ、宇宙人だ!」
フクシン君の様子を見てゲンさんはもう勘弁ならないと、フクシン君につかみかかります。フクシン君はゲンさんに望遠鏡を覗くように言います。
目をつぶったまま望遠鏡を覗くゲンさん。フクシン君に目が反対だと指摘されます。ゲンさんが望遠鏡の視界の中に見たものは、なんと円盤でした。
ゲンさん「ひえ~っ、おいすぐ消防署、消防署行こう!」
フクシン「違うよおじさん!ウルトラ警備隊、ウルトラ警備隊だよ!」
望遠鏡にカメラを取り付けて円盤の写真を撮影するフクシン君。
フクシン君「よし、今日こそ証拠があるぞ」
その写真がウルトラ警備隊に届けられます。
▼キリヤマ
「我々が無駄な働きをすればするだけ、地球は平和ってことだ」
作戦室。
アンヌ「隊長、昨日の第一通報者、世田谷区のフクシンさんです。今日は円盤のフィルムを持って駆けつけたそうです」
キリヤマ「よし、とにかく写真班に回せ」
しかし、隊員たちが調べた限りでは、今夜も特に異常はありませんでした。
ソガ「昨日今日とアマチュアからの知らせがやけに多い。しかし、天文台その他の観測所では何の異変も認めていない。どういう現象だろう?」
フルハシ「馬鹿げてるよ。こんなデララメな通報をいちいちウルトラ警備隊が真に受けて、パトロールに出動するなんてのは」
キリヤマ「何ともなければ、それでいいじゃないか。我々が無駄な働きをすればするだけ、地球は平和ってことだ」
アンヌ「隊長、フクシンさんの持参した写真を焼いたんですが、何の異変もないようです」
こうして、今夜の騒動も問題ないと片付けられました。しかし、ダンとソガは写真を見て、
ダン「ふ~む」
ソガ「ふ~む」
ダンとソガ「星が多いな!」
星が多いことが気になる2人。
酔っぱらったゲンさんを連れ帰るフクシン君。ゲンさんは自分が見た円盤が信じてもらえず気に入らないようです。酔っぱらって、円盤だ!宇宙人だ!と騒ぐ、ゲンさん。ゲンさんとフクシン君の仲が良くなっているのを不思議そうに見るシゲさん。
土手を自転車で走るフクシン君。トラックにあおられ転んでしまいます。そこに少年がやってきまし。。
フクシン「お兄ちゃんなあ、あんまり気が強い方でもないし、星を見ることだけが楽しみだったんだよ」
少年「ふ~ん」
フクシン「どこでもヘマばかりやって、怒られてばかりだろ。それに人間なんて嫌いなんだ」
少年「慰めてくれる恋人はいないのかい?」
フクシン「ませてるなぁ、ボクは?」
少年「あっ、一番星!」
フクシン「いいだろ星は綺麗で、星の世界に行ってしまいたいよ」
少年「僕がお兄ちゃんの望みをかなえてあげるよ。綺麗な星の世界に連れてってあげる」
フクシン「いいだろうなあ、星の世界で暮らすのは。のんびりと誰にもまずらわされず・・・でも夢さ。僕の頭はどうかしてるんだ。ありもしない円盤のことなんかを夢中になってウルトラ警備隊に報告したりしたんだから。うちのガラクタ望遠鏡で見えるんなら警備隊や天文台じゃ、もっと早く見えるはずだもんな」
少年はフクシン君を家に連れていきます。少年の家は望遠鏡屋さんでした。フクシン君がうらやむほどの立派な望遠鏡がたくさんありました。その望遠鏡を覗いてみたフクシン君。なんと、また円盤の大群を発見します。
フクシン「坊や、ちょっとこの望遠鏡覗いてみてごらん。円盤が見えるかどうか確かめてくれよ」
少年「確かめなくたって見えるよ、お兄さん」
フクシン「えっ?」
少年「もっとよく、大きな画面で見せてあげるよ」
フクシン「それは?」
少年「これは、ペガッサ星雲第68番ペロリンガ星で、地球を征服するために送り込んだ円盤群さ」
フクシン「やっぱり」
少年は光の中に姿を消します。そこに現れたのはベロリンガ星人でした。
ベロリンガ星人「君が見たものは正しかったのさ。ウルトラ警備隊や天文台が信用しなかったのは無理もない。私たちは円盤を星にカモフラージュしたんだからね。君の素晴らしい直感で円盤と見えたものも専門家には星としか見えない。それで専門家を油断させるのが、私たちの狙いさ。つまり、ウルトラ警備隊やウルトラセブンをね。私たちななるだけ穏やかに事を運びたいのさ。狼が来たー、幾度も言っているうちに誰も振り向きもしなくなる。本当の狼は、その隙にやって来る。こんな地球の童話を私たちも知っているよ」
ベロリンガ星人は電話を取りだし、フクシン君にウルトラ警備隊に連絡を取るように言います。
ベロリンガ星人「普通の地球の電話機さ。試してごらん。私は今、宇宙人のペロリンガ星人と話をしていると言って」
フクシン君はウルトラ警備隊に電話しますが、地球防衛軍の交換手は、もう取り次いでもくれません。
ペロリンガ星人「ほうら、もう本当のことを信じちゃくれないし、本部の誰にも取り次いでもくれないだろう。人間なんてそんな動物さ。専門家は常にアマチュアより正しいと思っているのさ。そこを突けば、油断している隙に苦もなく地球へ大円盤群を着陸させられる。ははっ、約束を果たしてあげよう。私は地球に飽き飽きした君を星へ連れていってあげるよ。もう随分大勢の地球人を私は星へ連れていってあげたんだ。ほら、ある日突然蒸発して、いなくなった人たちが、君の身の回にもいるだろう」
最初は呆然としていたフクシン君ですが、ベロリンガ星人に肩を組まれて、その誘惑にすっかり耳を傾けてしまっています。
▼アンヌ
「星が一瞬の露光で写るわけがないとしたら、これはなんだと思う?」
メディカルセンター。アンヌとダンとソガがフクシン君の写真を見ています。アンヌが写真の不審な点を指摘しはじめます。
アンヌ「いいこと、星が一瞬の露光で写るわけがないとしたら、これはなんだと思う?」
写真を良く見直すダンとソガ。
アンヌ「これは星じゃないのよ」
ダンは写真をじっくり見ます。
アンヌ「星に見せかけた円盤群なのよ、やっぱり!異常発光物体だから、アマチュアのカメラにも写ったってわけ」
円盤が来週していることを、確信する3人。
作戦室。ダンがフクシン君からの電話の声を再生します。話の途中に別人の声が入っていることを指摘するダン。
テープの声「あのね警備隊や天文台の観測機は強力な磁気と、何だっけ? ~不透視バリヤ~ 不透視バリヤーだってさ、そいつで見えるものも見えなくされちまっているんだよ。わかんないのかい、宇宙人が襲来」
キリヤマ隊長は、ダンとソガに、パトロールに出動するよう命令します。
ダンとソガはホーク1号で宇宙空間に向かいます。ホーク1号に襲いかかる円盤群。ホーク1号は円盤群と戦い始めます。すると、そこにベロリンガ星人が飛んできました。ホーク1号に襲いかかります。そのとき、ウルトラセブンが現れました。ウルトラセブンとベロリンガ星人、円盤群の戦いです。決まり手はわかりませんが、大乱戦の結果、ウルトラセブンが勝利しました。
シーン変わって、フクシン君のアパート。ダンとアンヌとソガがポインターでフクシン君を送ってきました。
住人「おっ!帰ってきたぞ」
住人たちがポインターのところにやってきます。
ダン「いずれ、ウルトラ勲章は君のものさ」
アンヌ「サブロウさん、これからもがんばってね」
ソガ「じゃ、さよなら」
ダン「じゃ」
アンヌ「さよなら」
ゲンさん「いい青年だよ。俺は昔から目をつけていたんだ!」
シゲ「ほおぅ」
住人「サブ!よくやった」
そして、フクシン君は今晩もまた星空を見上げます。しかし、今夜は物思いにふけっています。
そうして朝がやってきます。出勤の時間です。
工場地帯のゴミ捨て場。廃材がたくさん転がっています。
いつものゴミゴミとした風景がそこにありました。
その中を自転車で走るフクシン君。
工場の始業のサイレンが鳴り、急いで工場に向かうフクシン君。
また同じ日常生活が始まります。
もし、ベロリンガ星人に星空の世界に連れていってもらったら、フクシン君の夢はかなったのでしょうか。今となっては、誰もわかりません。いや、ウルトラセブンだけは知っているでしょう。
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