ウルトラセブン語録@第26話 超兵器R1号 (1968/03/31)
ウルトラセブン第26話は「超兵器R1号」です。ギエロン星獣が登場します。
「地球防衛国際委員会のセガワ博士、宇宙生物学の第一人者マエノ博士らをメインスタッフとして、この防衛軍基地内の秘密工場で、今、恐怖の破壊兵器が完成しようとしていた。それは惑星攻撃用の超兵器R1号である」(浦野光)
超兵器R1号の図面を見て、ウルトラ警備隊の隊員たちが、これで地球の平和が守れると喜んでいます。ダンをのぞいて・・・
▼アンヌ
「そうよ!使わなくても、超兵器があるだけで平和が守れるんだわ」
ダン「新型水爆8000個の爆発力だって?」
フルハシ「しかもこれは実験用だぞ!」
アンヌ「すごいわ、ねぇ、ダン!」
フルハシ「いよいよ48時間後に発射するそうだよ」
ソガ「発射するって、この基地から?」
アマギ「そうだよ」
フルハシ「ダン、これで地球の防衛は完璧だな。地球を侵略しようとする惑星なんかボタンひとつで木っ端微塵だ。我々は、ボタンの上に指をかけて侵略しようとする奴を待っておればいいんだ!」
アンヌ「それよりも地球に超兵器があることを知らせるのよ」
フルハシ「そうか、そうすれば侵略してこなくなる」
アンヌ「そうよ!使わなくても、超兵器があるだけで平和が守れるんだわ」
彼らの話を聞きながら、浮かない表情で考え込むダン。
▼ダン
「それは血を吐きながら続ける悲しいマラソンですよ」
ダンとフルハシが廊下を歩いています。超兵器R1号の開発がどうしても気になるダン。思い余ってに声をかけます。
ダン「フルハシ隊員!」
フルハシ「何だ?」
ダン「地球を守るためなら、何をしてもいいのですか?」
フルハシ「えっ?」
ダン「返事をしてください!」
返事ができないフルハシ。
ダン「よし!」
フルハシ「おい、ダン!いったいどこに行くんだ?」
フルハシ「忘れるなダン、地球は狙われているんだ。今の我々の力では守りきれないような強大な侵略者がきっと現れる。その時のために」
ダン「超兵器が必要なんですね」
フルハシ「決まっているじゃないか!」
ダン「侵略者はもっと強烈な破壊兵器を作りますよ」
フルハシ「我々は、それよりも強力な兵器をまた作ればいいじゃないか!」
ダンはこの言葉に落胆するように言い放つ・・・
ダン「それは、血を吐きながら続ける悲しいマラソンですよ」
しかし、超兵器R1号の実験のため、地球防衛軍はギエロン星を破壊してしまいます。
マエノ博士とセガワ博士の調査によると、ギエロン星は温度270度、酸素0.6%。金星とよく似た燃えない焦熱地獄で、生物が住める星ではありませんでした。
ところが、ギエロン星から巨大な生物ギエロン星獣が地球にやってきます。ウルトラ警備隊がミサイルでギエロン星獣を攻撃。ギエロン星獣は木っ端微塵に破壊されます。あっけない最期が信じられないキリヤマ隊長。その後、バラバラになったギエロン星獣の体が集まり、ギエロン星獣が復活します。再び、ウルトラ警備隊が攻撃をしかけますが、今度は通用しません。ギエロン星獣は黄色いガスを吐き続けます。そのガスには放射線が含まれていました。
この事態に地球防衛軍は開発中の超兵器R2号を投入しようとしますが、超兵器R2号の使用によって、ギエロン星獣がさらに巨大化する可能性もあります。科学者たちが相談していますが、その間にも放射能が広がっています。
その間もギエロン星獣を攻撃するウルトラ警備隊。ウルトラホーク1号がギエロン星獣の攻撃により被弾。不時着したウルトラホーク1号から脱出したダンがウルトラセブンに変身します。ウルトラセブンはギエロン星獣を攻撃、片翼を引きちぎり、アイスラッガーをナイフのように手にして、ギエロン星獣の喉元もかき切ります。ギエロン星獣は黄色い血を吹き出し、絶命します。
超兵器R1号の実験がなければ、ギエロン星獣が地球にやってくることはなかったのです。
▼キリヤマ
「しかし侵略者はそれより強力な破壊兵器で地球を攻撃してくるかもしれません」
マエノ「タケナカ参謀、アタクシはどうしても、あのギエロン星獣を憎むことはできません。R1号の爆発のショックで、あんな恐ろしい宇宙怪獣になったけど、本当は美しい星ギエロンに住む平和な生物だったのかもしれません」
セガワ「同感だ。私も」
タケナカ「私もうかつだった。もっと万全の配慮が必要だった。セガワ委員、超兵器の開発競争だけが、地球を防衛する道ではない」
キリヤマ「タケナカ参謀。放射能の汚染地域は完全に閉鎖しました」
タケナカ「隊員たちは異常ないか?」
キリヤマ「ダン隊員だけが、多量の放射能を浴びておりましたんで、今消毒してメデイカルセンターで休ませています」
タケナカ「キリヤマ隊長、超兵器R2号が完成したら地球の平和は絶対に守れると思うかね?」
キリヤマ「しかし、侵略者はそれより強力な破壊兵器で地球を攻撃してくるかもしれません」
タケナカ「うむ、我々はさらに強力な破壊兵器を作る。地球を守るために」
キリヤマ「そういえば、ダンがしきりにうわごとを言ったんです。血を吐きながら続けるマラソンだと」
マエノ「ダン隊員がそんなことを」
キリヤマ「えぇ」
マエノ「参謀。人間という生物は、そんなマラソンを続けるほど、愚かな生物なんでしょうか?」
メディカルセンターのダンのところにタケナカ参謀とマエノ博士がやってきます。
ダン「あの参謀、お願いがあるんですが」
タケナカ「よし、わかった」
ダン「まだ何も言ってません」
タケナカ「いや、言わなくてもいい。私は今から委員会に出席するが、R2号の製造を直ちに中止するように提案してみよう」
マエノ「私も他の委員を説得するわ」
ダン「ありがとうございます」
タケナカ参謀とマエノ博士が戻り、一人病室でリスに目をやるダン。リスが回し車の中で、走り続けています。まるで終わりのないマラソンをしているかのように・・・
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