ウルトラセブン第44話「恐怖の超猿人」放映45周年!(1968/08/04 19:00)
ウルトラセブンは1967年10月1日に放送が開始されました。1968年8月4日は第44話「恐怖の超猿人」が放映された日です。最終回まであと5話です。
夜道をパトロールする警官2人。暗闇の中をニワトリを2羽わしずかみにして歩いている挙動不審な大男を発見します。警官が男にニワトリを盗んできたのかと職務質問すると、男は無反応。いきなり暴れだします。男は怪力で警官を投げ飛ばし、警棒をへし折ります。2人ががりの警官でも手に負えません。やむなく警官は男の二の腕に拳銃を発砲、男を取り押さえて手錠をかけます。男は手錠をかけられた手をじっと見つめます。
すると、なんということでしょう。男の手には毛が生えだし、やがて男の全身が毛に覆われると、男はゴリラのような顔をした猿人間と化してしまいました。
- 第2話「緑の恐怖」でイシグロ隊員がワイヤール星人に変化するシーンを思い出します。
猿人間は手錠を引きちぎり、2人の警察官に襲いかかり殺害します。そこへ赤い色の自動車が通りかかります。自動車を見た猿人間はその場から逃げ出します。
シーン変わってウルトラ警備隊。キリヤマ隊長をはじめとする隊員たちが、事件の現場写真を見ています。2人の警察官の死因は、頸骨が粉々とされたことであり、かなり強烈な一撃を首に受けたことは明白でした。その力は人間の限界をはるかに超えていました。犯人が人間ではない可能性があります。そのため、警察からウルトラ警備隊に捜査の依頼が来たのです。
別の写真には真っ二つに折れた警棒が写っています。また、ゴリラのようなものが3メートルもある堀に飛び上がって、軽い身のこなしで塀伝いに逃げて行ったという目撃証言も届いています。しかし、単純にゴリラが犯人であれば、ウルトラ警備隊に捜査の依頼があるはずはありません。
現場には、犯人の血痕が残っていました。この血液を分析したところ、人間のものであり、ゴリラのものではありませんでした。ソガ隊員がキリヤマ隊長に目撃者が大男をゴリラと見間違ったのではないかとお気楽な見解を述べますが、キリヤマ隊長は人間が3メートルの塀を跳び越えることや、警棒や頸骨をへし折ることはできないと一蹴します。
「ゴリラと見えてゴリラじゃない。人間の血液で人間とも思えん、ではいったい何だ」とキリヤマ隊長が疑問を投げかけます。隊員達は犯人の正体について考え込みます。
考え込むフルハシ隊員の顔が、オーバーラップの効果で、猿の顔となります。そして、たくさんの種類の猿の姿が映し出されます。どうやら、猿の研究センターのようです。
- 愛知県の日本モンキーセンターです。
猿の檻の前で掃除をしている大男。やってきたポインターに気が付き、どこかへ立ち去ります。ポインターでやってきたのはダンとアンヌ隊員でした。ここには世界の猿が1000頭もいます。どうやら、事件について専門家に話を聞きにきたようです。
研究センターの入り口に、白衣の女と大男。大男は女にウルトラ警備隊がやってきたことを知らせに行っていたようです。ウルトラ警備隊を確認した女は大男に仕事に戻れと命令します。
- この女性、キュラソ星人に襲われた家のお母さん!
ダンとアンヌは研究センターの入り口に向かいます。途中、大男とすれ違います。大男は少しアンヌが気になる様子です。アンヌ隊員は女に「こんにちは」と声をかけます。ダンとアンヌ隊員は研究所の中へ。建物の中は猿の骨格や剥製などの展示物などがあります。
アンヌ隊員が女に 「博士はお元気ですか」と訪ねると、女は「ただいま、お仕事中です」と答えます。どうやら、アンヌ隊員は女と博士と知り合いのようです。アンヌ隊員は博士に挨拶に行こうと歩き出します。角を曲がったところで、ショーケースの中の大きなゴリラの剥製に驚くアンヌ隊員。この剥製は3ヶ月前に死んだゴリラだそうです。ダンが 「ここにゴリラは?」と聞くと、女は「現在1頭もおりません」と答えます。
- しっかりと、ゴリラのことを聞くダン。さすがです。
シーン変わって博士の部屋。アンヌ隊員が挨拶に来ました。アンヌ隊員は博士とは3年振りの再会です。
- アンヌ隊員、2本指の敬礼です。
アンヌ隊員:「ここにはゴリラがいなくて、良かったです
博士: 「うむ。例の事件か」
アンヌ隊員: 「ええ、猿なのか人間なのか。まだハッキリしていないんです」
博士: 「早く犯人を捕まえてもらいたいね。そうでないと、あらぬ疑いをかけられて困るよ」
アンヌ隊員: 「あら、アタシそんなつもりで来たんじゃありません」
その間、ダンは館内を女に案内されていました。ゴールデン・ライオン・タマリンという猿を見て、「これが猿だろうか。待てよ」と考えるダン。ダンはこの猿のことを覚えているのか、何か気になるようです。
そこにアンヌ隊員が戻ってきます。猿を見に行こうとダンを誘います。2人は猿の檻を見てまわります。檻の前に大男がいます。男はアンヌ隊員に気を取られたせいか、猿の檻に手を入れてしまい、手を噛まれてしまいます。
アンヌ隊員はすぐに大男にかけより、ハンカチで大男の手当します。アンヌ隊員は大男に「もう、大丈夫よ」と声をかけて、ダンと他の猿を見るため、その場を去ります。目でアンヌ隊員を見送り、手を包んだハンカチを見つめる大男。
猿を見てまわるダンとアンヌ隊員。ダンが何やら視線を感じて振り返ると、遠くから女が2人を見ていました。女は気が付かれて、とっさに隠れます。
ダン: 「どうも気になる。あの大男にしても、助手にしても。どこか様子が変だ。アンヌ、これは調査の必要がありそうだぞ」
- 助手はもちろん白衣の女性のことです
アンヌ隊員:「どうするつもり?」
ダン: 「一度、何気ないふりで引き上げる。それから戻って忍び込む」
アンヌ隊員: 「OK。じゃ、博士に挨拶してくるわ」
シーン変わってポインター前に大男。ボンネットを開けてニッパーでエンジンの配線を切っています。研究センター入り口でダンとアンヌ隊員を見送る博士と助手。その様子に気が付いた大男はその場を去ります。ポインターのボンネットが開いていることに気が付いたダン。急いでポインターにかけよります。エンジンの配線が切られていることに気が付きます。
博士は夜道は大変だから泊まっていくように提案します。アンヌ隊員は一瞬躊躇しますが、ダンの泊まっていこうという言葉で、2人とも研究センターに泊まることになりました。
ダンはビデオシーバーで本部に連絡。 「別に異常ありません。ただ、ポインターが故障して、今夜こちらで一泊したいんですが」と報告します。連絡後、ダンとアンヌ隊員は研究センターに戻ります。その様子を木の陰から見守る大男。
- ポインターは何者かに壊されたのであって、故障ではありません。それなのに別に異常ありませんと報告するダン。とにかくアンヌ隊員とお泊まりなったのです。キリヤマ隊長も「定時連絡だけは忘れるな」と釘を刺しています(^^ゞ
シーン変わって、鮮やかな夕焼け空。博士と助手はゴールデン・ライオン・タマリンの檻の前で会釈をしています。ゴールデン・ライオン・タマリンが鳴き声を発し、それを真剣な顔で聞く博士と助手。
ダンがポインターのエンジンを修理しています。そこへ、突然、背後から大男が襲いかかります。部屋で本を読んでいたアンヌ隊員がその異変に気が付きます。ダンは大男を殴りますが、まったく効き目がありません。逆に大男に殴られて、その場に倒れてしまいます。ダンを倒して満足そうな顔をする大男。
- お気に入りのアンヌ隊員と一緒にいるダンは敵ということでしょうか。
そのとき、大男の背後から「ゴリーっ!」というっ助手の声が聞こえ、大男にムチを撃ちます。大男ゴリーに 「ゴリー、大事な実験材料を殺したわね」と声をかける助手。ゴリーは無言で助手を見ています。
シーン変わって研究センター内。異変を感じたアンヌ隊員が建物内部を捜索しています。ゴリラの剥製の前を通り過ぎて、懐中電灯を持って地下へとやってきます。すると、鉄扉の部屋の中から、うめき声とムチを撃つような音が聞こえます。部屋の上部の天窓から中をのぞこうとするアンヌ隊員。すると、突然、鉄扉が開いて中から助手が出てきます。助手はアンヌ隊員を捕まえて、部屋の中へ引っ張り込みます。そして、助手はアンヌ隊員にムチをふるおうとします。
アンヌの後ろには両腕を鎖でつながれたゴリーがいました。ゴリーはアンヌ隊員が危機的な状況にあるのを見て怒りに震えています。助手がゴリーについて説明をはじめます。
助手:「その男は、人間の格好をした猿人間さ。体は人間だけど、脳波は猿のものと交換されているんだ。この脳波交換装置によってね。お前の脳みそも、今夜、猿のと替えてやるからね」
そこへ、博士が登場。アンヌ隊員は博士に助けを求めて抱きつきますが、博士はアンヌ隊員を突き飛ばしてしまいます。博士も助手の仲間だったのです。びっくりした表情のアンヌ隊員。博士は助手に 「手術台にのせろ」と言います。そして、ゴリーに向かって、「お前の勝手な行動によって、我々の目的があやうく警備隊にもれるところだった。バカめが!」と叱咤します。
手術台にのせられたアンヌ隊員。頭に脳波交換装置が取り付けられます。「お願いします。止めてください」と頼むアンヌ隊員。その様子を見てゴリーの怒りは頂点に達します。ゴリーはゴリラの姿となって、鎖を引きちぎり、アンヌ隊員を手術台に縛り付けている革紐を引きちぎり、助手に襲いかかります。逃げ出すアンヌ隊員。その後を追う博士。それを見て博士を追うゴリー。
シーン変わってウルトラ警備隊作戦室。ダンとアンヌ隊員から連絡が入らないことを心配するキリヤマ隊長と隊員たち。出動を考える面々。
シーン変わって研究センター内。博士がアンヌ隊員を探しています。その背後からゴリーがやってきて博士を殴りつけます。倒れる博士。その様子を物陰に隠れて見ているアンヌ隊員。しかし、ゴリーに見つかってしまいます。アンヌ隊員に近寄るゴリー。アンヌ隊員は悲鳴をあげて気絶してしまいます。
その悲鳴が耳に届いたのか、気が付くダン。目を覚ますと、ゴリーがアンヌ隊員を抱えて、どこかに連れ去ろうとしている光景が目に入ってきます。ダンはウルトラガンを取り出して、ゴリーめがけて投げつけます。ウルトラガンは見事にゴリーに命中。ゴリーが地面に倒れる隙に、アンヌ隊員は逃げ出して、ダンの元に。
ダンとアンヌ隊員が合流。ダンはアンヌに至急本部に連絡するように言います。そして、アンヌ隊員に川を下って逃げるように言います。
ダン: 「ポインターが使えない。間もなく夜が明けるだろう。向うに降りて、日本ラインを下った方が早い」
アンヌ隊員: 「ダンは?」
ダン 「僕は調べたいことがある。あの猿は宇宙人かもしれないんだ。速く!」
アンヌ隊員はダンの言いつけを聞き、日本ラインへと向かいます。
シーン変わって、研究センター内のゴールデン・ライオン・タマリンの檻。檻の中にはゴールデン・ライオン・タマリンの姿はありませんでした。その後、ダンは博士を発見、博士に声をかけていると、突然、赤い光が当たります。脳波攻撃による頭痛で頭を抱えるダン。笑い声が聞こえてきます。
ダン:「やっぱり貴様、ゴーロン星人」
ゴーロン星人: 「さすがはセブン。よくぞ見破った」
ダン: 「人間と猿の脳波を入れ替えて、どうするつもりだ」
ゴーロン星人: 「猿人間を増やすんだ。地球はやがて猿人間が支配するようになる」
- このゴーロン星人の声。キカイダーのダークロボットの声に似ているのですが、もしかすると同じ声優さん?
ゴーロン星人は、人間は思い通りロボットのようにコントロールすることができるが、ウルトラセブンであるダンはだますことができなかったので殺すと言います。ゴーロン星人の脳波攻撃がいっそう強まり、頭痛に苦しむダン。
ダンは苦しみながら研究センターの外に出ます。すると、そこにはゴールデン・ライオン・タマリンが巨大化したゴーロン星人が立っていました。その姿を見てダンはウルトラセブンに変身します。
シーン変わって日本ライン。アンヌ隊員が川下りの小舟に乗り込みます。ふと小舟の漕ぎ手を見ると、それはゴリーでした。アンヌ隊員はすかさず船頭に「船を岸に着けて下さい。お願いします!」と頼みます。ちょうどそのとき、ウルトラホーク1号が日本ライン上空に到着します。アンヌ隊員を捜索しているようです。フルハシ隊員が双眼鏡で小舟で川下りをしているアンヌ隊員を発見、近くに着陸します。
船頭が小舟を岸につけると、アンヌ隊員は小舟から下りて、岩場を逃げて行きます。その後を追うかけるゴリー。アンヌ隊員は間もなくウルトラ警備隊の隊員たちと合流。ゴリーは崖の上で猿に変身して、岩を投げつけようとします。フルハシ隊員がウルトラガンを撃ち、ゴリーに命中。ゴリーは崖から落ちて死んでしまいます。複雑な面持ちで死んだゴリーを見守る隊員たち。
シーン変わって、ウルトラセブンvsゴーロン星人。ゴーロン星人が身体をうごめくようにすると、研究センターの猿たちが騒ぎます。
ウルトラセブンはアイスラッガーを手に取り構えます。すると、ゴーロン星人は姿を消します。アイスラッガーを手にしたままウルトラセブンはゴーロン星人を探します。
- これほど長時間、アイスラッガーを頭に装着していないウルトラセブンは他では見られません。頭がつんつるてんです。
やがて上空の方角に何かに気が付いたウルトラセブン、アイスラッガーを投げつけます。すると、アイスラッガーは上空で姿を消していたゴーロン星人に命中。ゴーロン星人が落下してきます。
ゴーロン星人が怪光線を放つと、研究センターの猿たちが騒ぎ出します。これが脳波攻撃になっているようです。ゴーロン星人は倒れたウルトラセブンの足をわしずかみにつかみ、地面を引き回します。ウルトラセブンは背後からエメリューム光線でゴーロン星人の背中を攻撃、何とか逃れます。
ウルトラセブンとゴーロン星人の力比べ。ウルトラセブンは苦戦しますが、ゴーロン星人を背中越しに投げ飛ばします。その後、ウルトラセブンは、ハンドショットを乱れ撃ち。
ゴーロン星人は逃げ回りますが、やがて転んでしまいます。そこにウルトラセブンはエメリューム光線を放ちます。ゴーロン星人は片手を上にかかげながら爆発。地面に残るゴーロン星人の首と体毛から煙が立ちのぼります。ウルトラセブンの勝利です。
シーン変わって研究センター内。助手が気を失っている博士に声をかけます。2人はまったく記憶がないようです。そこにダンがかけより、すべてが解決したこを告げます。2人は何が何だかわからない様子。ダンと助手は博士を小脇に抱えて、研究センターの外に出ます。そこにやってきたウルトラ警備隊の隊員たち。博士が無事であることを喜びます。
研究センターの公園の花時計。子どもたちと手をつなぎ、猿たちを見て回るウルトラ警備隊の面々。そして、ナレーション。
「人間と猿の脳波を交換して、猿人間を増やし、地球を征服しようとしたゴーロン星人の計画は失敗に終わった。平和を取り戻したモンキーランドは、今日もよい子の見学者たちでいっぱいです。しかし、安心は出来ません。いかにも人間らしい顔つきで、その実、脳みそは猿という、トンでもない動物が、あなたの身近にもいないとは限りませんからね」
- 会社にいそうだぞ・・・
牙をむき出しに、鳴き声をあげる猿の顔。
ここで終劇です。
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