ウルトラセブン第38話「勇気ある戦い」放映45周年!(1968/06/23 19:00)
ウルトラセブンは1967年10月1日に放送が開始されました。1968年6月23日は第38話「勇気ある戦い」が放映された日です。
箱根山中で原因不明の濃霧が発生し、自動車が30台が行方不明になるという事件が発生。そっそく、ウルトラ警備隊に調査の命令がくだりました。
ウルトラ警備隊の隊員たちが作戦室に集まってきます。しかし、ダンの姿がありません。実はダンはアンヌ隊員の友人スギサキ・ユキコの弟のオサム君が入院している病院に行っています。
オサム君は心臓欠損症で明日手術を受ける必要がありますが、手術が恐いので受けたくないと言っています。しかし、ウルトラ警備隊のダンに会うことができれば、手術を受けても良いと言っています。そこで、ダンがオサム君に会いに行くことになったのです。キリヤマ隊長はこの話を聞いて、ダンを呼び戻さずに、調査を進めることを決めます。
シーン変わって病院。ダンがユキコに会い、オサム君の病室へ向かいます。オサム君は病室で布団をかぶり、心臓移植手術失敗の新聞記事を見て、自分が死ぬかもしれないと怯えています。そこにダンが訪れ、オサム君がかぶっていた布団をはぎます。オサム君はびっくりますが、自分のためにわざわざ来てくれたダンの顔を見た瞬間に笑顔となります。ダンは「手術なんて寝ている間にすぐ済んでしまうさ」と励まします。オサム君の手術を担当するのは心臓手術で世界一の腕を誇るユグレン博士です。しかし、ダンの顔を見ても、手術が恐いことに変わりありません。オサム君は手術が恐くて、病室から逃げ出してしまいます。
ダンとユキコはオサム君を追いかけます。ユキコの話によると、ユグレン博士はシンガポールへ心臓手術に向かう途中で日本に立ち寄り、オサム君の手術を行うことになっているようです。ユグレン博士は忙しいので、オサム君が手術を受けることができるのは明日しかありません。その話を聞いたダンはオサム君に語りかけます。 そして、ダンはオサム君と明日の手術に立ち会うことを約束します。
「オサム君、ウルトラ警備隊のことは知っているかい。我々は地球を脅かす宇宙人と戦っている。オサム君、ウルトラ警備隊がどうしてあんな素晴らしい戦いができるか、わかるかい。それはね、我々の全てが人間の作った科学の力を信じているからだよ。小さなネジひとつ、メーターひとつにも人間の作った最高の科学が生かされている。そう信じているからこそ、ウルトラ警備隊はあんなに勇敢に戦えるんだ。わかるね。信じるんだオサム君、人間の科学は人間を幸せにするためにあるんだと。いいね。わかってくれるね。」
シーン変わって、箱根山中の現場。キリヤマ隊長とアンヌ隊員が地面にぽっかりと開いた大男の足跡のような大きな穴を見つけます。深い霧、消えた30台の車、霧の中で何か巨大なもの、キリヤマ隊長が怪訝な顔をします。謎は深まるばかりです。
- 隊長、毎回のことですから、宇宙人か怪獣の仕業に決まっているのですが
- この後、穴の反対側に、アマギ隊員、ソガ隊員、フルハシ隊員の姿が映り、アマギ隊員が「隊長~」と呼びます。ところが直後にシーンが変わってしまいます。カットされたシーンがあったような感じもしますが、大きな穴の向こうに3人がいるという特撮をあえて入れたという感じもします。
シーン変わって、作戦室。巨大なものの正体や消えた30台の車の手がかりはは見つかりません。ダンは明日はオサム君の手術のため、その巨大なものが明日現れないことを願っています。「明日どころか、永久に現れて欲しくない」と突っ込みを入れるキリヤマ隊長。
車が消えた事件ということで、ダンはアンヌに念のためユグレン博士を空港に迎えに行くよう頼みます。「あ・し・た」とつぶやくアンヌ隊員。
シーン変わって空港。アンヌ隊員とユキコがユグレン博士を迎えます。アンヌ隊員が「ユグレン博士ですね。ウルトラ警備隊のアンヌです」と声をかけると、ユグレン博士は、「ウルトラ警備隊、ありがとう。スイスでも皆さんのこと、よく聞いています」と答えます。
- ユグレン博士はスイス人なのでしょう。ずっとアメリカ人と思っていました(´д`)
挨拶を済ませ、3人は車で病院へと向かいますが、空港の高速道路は渋滞です。手術の時間がなくなることを心配するユキコに、アンヌ隊員は大丈夫と気丈に答えます。このとき、高速道路一帯に霧が立ちこめます。アンヌ隊員はビデオシーバーで本部に連絡。霧の中から、ズシン、ズシンと大きな足音が聞こえてきます。
アンヌ隊員の連絡を受けて出動したウルトラホーク1号が高速道路上空に到着。ホーク1号が赤い煙を吐き出しながら上空を旋回すると、みるみるうちに霧が消えていきます。霧が晴れると、そこにはロボットの姿がありました。攻撃を開始するホーク1号。ダンとフルハシ隊員はベータ号に移動。ベーター号が切り離され、二手に分かれてロボットを攻撃します。
ロボットは大きなハサミで次々と車をつかみ、腹部の格納庫に放り込んでいきます。アンヌ隊員は車から降りてウルトラガンでロボットを攻撃。ふたたび車に乗り込んだところで、ロボットがハサミで3人の乗る車をつかみます。ダンに助けを呼ぶアンヌ。やむなく攻撃中止の命令を出すキリヤマ隊長。
ロボットは頭部からビームを発射、ダンとフルハシ隊員の乗るベータ号が被弾、ベータ号は墜落していきます。先に気が付いたダンがウルトラセブンに変身。ウルトラセブンはロボットのハサミからアンヌ隊員たちの乗る車を取り戻そうとしますが、ハサミで飛ばされてしまいます。ロボットが車を腹部の格納庫に放り投げようとした瞬間に、ウルトラセブンが再びハサミを掴んで車を取り戻そうとします。もみ合いを続けているうちに、ロボットのハサミから車が落下。ウルトラセブンはとっさに車をキャッチ。高速道路上に車を配置します。運転者のアンヌ隊員は気絶していますが、車はゆっくりと前進していきます。
ロボットはその間に足を収納して、ジェット噴射を出して、空へと飛んでいきます。ウルトラセブンはすぐにダンの姿に戻り、車に乗り込んで、ハンドルを取って、車を停止します。気が付いたアンヌ隊員に、すぐに病院に向かうよう言い、ユキコにはオサム君の手術までには必ず病院に行くからと言って、現場に残ります。
シーン変わって、オサム君の病室。アンヌ隊員がオサム君にダンは宇宙人のロボットと闘っていると伝え、ユキコがさっそく手術を受けるように言いますが、ダンが来ないので手術は受けないと言い張ります。
シーン変わって、ロボットを追いかけるホーク1号。ロボットは空に浮かぶ謎の物体とドッキングして、飛び去ってしまいます。
シーン変わって、作戦室。隊員たちがその物体の写真を見ています。写真を見て、「バンダ星人の宇宙ステーションじゃないか」と口を滑らせるダン。キリヤマ隊長たちがダンの発言に驚きますが、ダンは「いや、ちょっと」と言ってごまかします。どうやら、パンダ星人は、自分たちの星の物資を使い果たし、地球に車を集めに来たようです。
このとき、無線に「都内の交通情報を申し上げます。街道筋はいつものとおり混雑し・・・」とラジオの交通情報が流れます。ダンは、バンダ星人が、これを聞いて、車の多そうなところへロボットを派遣していてたことに気が付き、あるアイデアを思いつきキリヤマ隊長に伝えようと言いかけます。キリヤマ隊長もダンのアイデアをすぐに悟り、ダンが話をする前に、「なるほど、ニセの交通ニュースを出して、ロボットをそこに引きつけるわけか」と返します。新型スペリウム爆弾を積んだ車を集結させて、それをロボットに食わせ、ロボットが宇宙ステーションに戻ったところで爆破するという作戦を実行することになりました。
ちょうど、そこにアンヌ隊員が戻ってきます。オサム君はダンが来てくれないと言って手術を拒否しています。ユグレン博士は遅くとも3時には手術を開始しなければ、シンガポールに向かえません。シンガポールでも、ユグレン博士の手術を待っている患者がいるのです。
キリヤマ隊長は、「ダン急げよ」と言って、出動していきます。ダンはさすがにこの事態で病院に行くことはできません。アンヌ隊員に「オサム君を頼む」と言って、出動します。
- このキリヤマ隊長の「ダン、急げよ」という言葉が気になります。ダンに病院に行ってもよいが、急いで戻って出動しろよと言っているのでしょうか。あるいは、今は病院に行くことはできない、すぐに出動して、急いで敵を倒せよと言っているのか。。。
シーン変わって、とある高速道路。たくさん集めた車に隊員たちが新型スペリウム爆弾を仕掛けていきます。近くの林にはウルトラガードが2機待期しています。準備が完了し、ニセの渋滞情報をラジオで流します。「交通情報を申し上げます。今日は珍しく、甲州街道高尾山付近の混雑が激しく、殊にレインボーライン入り口付近では、朝から車の列が続いています」。
シーン変わって病院。オサム君がダンのことを嘘つき呼ばわりしています。自分は手術をして死んでしまうと言います。そこにユグレン博士が笑みを浮かべて入ってきますが、オサム君は思わず病室を逃げ出してしまいます。看護師たちがオサム君を捕まえますが、ダンが来なければ手術は嫌だと言い張ります。
シーン変わって高速道路。ニセの交通情報を聞きつけ、ロボットがやってきました。ロボットは次々と車をハサミでつかみ、腹部の格納庫に収納していきます。そして、ロボットは足を収納し、空へと舞い上がり、宇宙ステーションへ戻っていきます。林からウルトラガードが発進し、ロボットを追いかけます。
宇宙ステーションとドッキングしたロボットは集めた車を宇宙ステーションに積み替えます。それを確認したかのようにキリヤマ隊長が爆破の命令を出します。ダンがウルトラガードの操縦席の爆破スイッチを押すと、ロボットと宇宙ステーションが爆発し、火だるまとなって地上に落下、再び大爆発します。しかし、ロボットは無傷でした。宇宙ステーションは爆破できたもののロボットを倒すことはできなかったのです。
時計が気になるダン。ロボットを倒すことができなかったため、オサム君の手術開始時間の3時までに病院に行けないことを悟り、心の中で、オサム君に許してくれと謝ります。この頃、病院で、オサム君が手術室へと入っていきます。ダンの嘘つきとうわ言を繰り返しています。
シーン変わって病院近くの市街地。ロボットは街に降り立ち、建物を次々と破壊していきます。ウルトラガードが攻撃しますが、歯が立ちません。フルハシ隊員とダンが乗る2号機がロボットのビームを被弾、墜落していきます。
- この2人、今回2度目の墜落です・・・
病院では手術が始まろうとしています。ダンとフルハシ隊員は墜落したウルトラガードから逃れて、ビルの谷間を通って、病院に向かいます。しかし、上から瓦礫が落下してきて、ダンが負傷してしまいます。フルハシ隊員はダンを病院に担ぎ込みます。
オサム君が気になるダンは自分の怪我には構わず手術室に入ります。麻酔が効いて寝ているオサム君に約束を守らなかったことを謝るダン。ダンはユグレン博士にオサム君の手術を頼みます。
シーン変わって街中。ウルトラガードがロボットの攻撃を続けていますが、ロボットはオサム君が手術を受けている病院に向かっていきます。病院でロボットの足跡を聞いたダンは、大怪我をしているのにも関わらず、屋上にのぼり、ウルトラセブンに変身します。
ウルトラセブンはロボットの前に立ちはだかり、病院に向かうロボットを阻止しようとしますが、怪我をしているため思うように動けません。ロボットに投げ飛ばされたり、踏まれてたりして、苦戦します。エメリューム光線も、アイスラッガーもロボットには歯が立ちません。
地上からロボットを攻撃するウルトラ警備隊。ウルトラセブンはミクロ化して、フルハシ隊員のエレクトロ・H・ガンの銃口に飛び込みます。フルハシ隊員がエレクトロ・H・ガンを撃つと、ウルトラセブンが弾丸となって、ロボットの方へ飛んでいきます。ウルトラセブンの弾丸はロボットに命中、ロボットは爆発します。ウルトラセブンとウルトラ警備隊の勝利です。
- このとき、ミクロ化したウルトラセブンはエレクトロ・H・ガンの銃口に入る前に銃身の上に降り立ちます。そこそこの大きさですが、フルハシ隊員はまったく気が付きません。セブンを弾丸にするというアイデアはこのシーンの撮影を取り終えた後に思いついたからのようです。
シーン変わって病室。傷ついたダンがオサム君に声をかけると、オサム君が気が付いて笑みを浮かべてダンと呼びます。手をしっかり握り合う2人。
シーン変わって病院の庭。車椅子に乗ったダンを隊員たちが取り囲みます。キリヤマ隊長がしみじみと 「我々は勝ったんだ。バンダ星人のロボットにも。そして、人間の愛と信頼との戦いにも!」とつぶやきます。
アンヌ隊員とソガ隊員が振り向くと、ダンとユキコが仲よさそうに握手しています。
ソガ隊員がアンヌ隊員にやくなよと言いたそうに自分の鼻をかくジェスチャーをして茶化し、先に歩いていきます。
アンヌ隊員は手にしていたタンポポの綿をダンの方に向けてフーッと吹きかけて、ソガ隊員の後を追いかけます。病院の庭の土手を歩く隊員たち。
夕方の街で、夕日に映し出されたロボットの残骸。
ここで終劇です。
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