ウルトラセブン第37話「盗まれたウルトラ・アイ」放映45周年!(1968/06/16 19:00)
ウルトラセブンは1967年10月1日に放送が開始されました。1968年6月16日は第37話「盗まれたウルトラ・アイ」が放映された日です。
夜間に未確認の発光体が落下。アマギ隊員とフルハシ隊員がポインターでパトロール。アマギ隊員が基地のソガ隊員に「何をぼやぼやしているんだ!落下地点ぐらい確認できないのか!」と激怒しています。それに対して、「レーダーには何千という怪事件がキャッチされている」と反論するソガ隊員。
アマギ隊員は「だから、コンピュータがあるんだろう。お前みたいなウスノロが、よくもウルトラ警備隊員になれたもんだ」と追い打ちをかけます。「アマギ、いいかげんにしろ。我々は、警察から連絡を頼りに探そう」と制止するフルハシ隊員。
ソガ隊員が「そうしていただきたいですね、ウスノロの僕じゃ、その未確認飛行物体とやらは」と答えると、アマギ隊員は「うるさい!奴と話をしていると、頭に来る」と通信を切ってしまいます。
- アマギ隊員はソガ隊員に完全に切れています。
- ソガ隊員はちょっとウルトラマンのイデ隊員みたいな感じ。もとはそういう設定だったらしい。
ポインターを発車するフルハシ隊員。すると、向こうからダンプカーが走ってきます。運転しているのは少女でした。
未確認の発光体が空に飛んでいき、その場にかけつけるポインター。アマギ隊員とフルハシ隊員があたりを捜索すると、一人の男が倒れていました。男は「光の中に女が」と言って、息絶えてしまいます。2人がさらにあたりを捜索すると、地面に猛烈な噴射の跡を発見。噴射の跡、謎の発光体、ダンプカーの少女、何か関係があるようです。
アマギ隊員が「ポインター1号からポインター2号へ」と連絡、ポインター2号のダンが答えます。アマギ隊員はダンに、若い女が運転するダンプが山を下ったので、検問を頼むと依頼します。すると、さっそくダンの乗るポインター2号に向かってダンプカーがやってきます。ダンは身体を張ってダンプを止めようとしますが、ダンプはそのまま通過。ダンはとっさに身をかわして、ポインターで追跡します。そこに謎の発光体が現れ、閃光をあびせます。目がくらんだダンはハンドル操作を誤り、崖から落下。ポインターから投げ出されてしまいます。意識が遠のくダンの前に、ダンプカーの少女が現れ、ダンの胸のポケットに手を伸ばしウルトラアイを盗んでいきます。その後、謎の発光体が空へ舞い上がります。
シーン変わって、プラネタリウム。星空が映し出され、ナレーションが流れます。
- ペガッサ星人の回で使われた曲が流れます
皆さんが小さい頃、お父さんやお母さんが亡くなると、お星様になるなんて聞いたことがありますね。そうして、みんなが住んでいる、この地球以外にも、まだまだたくさん、この地球と同じ惑星があることを知っていますね。そこには、我々人間と同じような人間が住んでいるのかもしれません。もしかすると、いま君の横にいる人と同じ人がいるかもしれません。その星から、今頃、地球を見て、なんて綺麗な星だろうと、我々の地球のことを褒めているかもしれません。
ナレーションを聞きながら夜空を見上げる観客たち。その中に、ダンプカーの少女。あたりに目を配りながら、何か発光する装置を手にします。まるで夜空に向けて信号を送るように。
シーン変わって、宇宙空間。宇宙ステーションV2が奇妙な電波をキャッチします。「マゼラン星へ、マゼラン星へ、第一任務完了しました。迎えの円盤を送ってください」という女性の声が聞こえてきました。地上基地に怪電波のことを報告します。地球防衛軍作戦室でキリヤマ隊長がV2に応じます。
シーン変わって基地内の廊下。治療を終えてメディカルセンターから出てくるダン。そのダンにソガ隊員が声をかけ、自分がもたもたしたためダンに怪我をさせてしまったと誤ります。ダンはうっかりしていた自分が悪いと答えます。ソガと分かれたダンは胸に手をやり、「きっと見つけ出してやる。あの顔、忘れるものか」とウルトラアイを盗んだ少女を探し出すことを決意します。
シーン変わって作戦室。キリヤマ隊長、アンヌ隊員、フルハシ隊員が怪電波の発信源を調査しています。発信源はK地区のプラネタリウムセンター。怪電波を発信した者が、付近に隠れている可能性があります。アンヌ隊員が「ボウリング場にジャズ喫茶、地下に潜ればアングラ・バー」と付記に存在する施設を読み上げていきます。怪電波の発信者はおそらくダンプカーの少女と関係がありそうです。アマギ隊員がK地区から発せられる電波をもらさずキャッチするようレーダーの設定を完了。
それから3日間が絶ちましたが、怪電波の発信はありませんでした。ついに、4日目の午前2時にレーダーが怪電波をキャッチしました。アマギ隊員が解読器の用意します。
怪電波の発信源はK地区のスナック・ノア。さっそくノアに向かうフルハシ隊員とダン。アマギ隊員の解読機が怪電波の内容を解読、「迎えはまだか」というメッセージが繰り返しマゼラン星に送られていることがわかりました。
シーン変わって、スナック・ノア。若者たちが生バンドの演奏で狂ったように踊っています。射的ゲームをしているものもいます。フルハシ隊員とダンが、誰かを探すように、その様子をうかがいます。
- フルハシ隊員は隊員服なのに、ダンは何故か黒い帽子に黒い服を着ています。
そこに津津イット到着するアマギ隊員とソガ隊員、フルハシ隊員と合流します。踊っている若者の中に、白い服を着たダンプカーの少女が踊っています。その姿を見つけたダンは女の子に「聞こえるか、僕がわかるか」とテレパシーで声をかけます。「誰?地球人ならテレパシーは使えないはずよ。わかったわ、あなたはウルトラセブンね」と答える少女。ダンが「ウルトラアイをなぜ盗った」と聞くと、少女は「それが私の任務だから」と答えます。「なに?」と聞き返すダン。
- ダンはマヤを見つけるまで、ちょっとノリノリでダンスを見ていた感じです。
ダンが「地球を侵略するつもりなのか」と聞くと、少女は「こんな狂った星を?見てごらんなさいこんな星、侵略する価値があると思って?」と答え、狂ったように踊ります。ダンが「迎えはまだか、迎えはまだか」と言うと、少女はハッとして動きを止めます。このときダンはリズムボックスから、タンタンタンという音が出ていることに気が付きます。どうやら、これが発信機だったようです。ダンはアマギ隊員、ソガ隊員、フルハシ隊員にリズムボックスを調べるように伝え、少女の後を追っていきます。ソガ隊員が照明を撃ちます。スナック・ノアの灯りが消えて、若者たちが悲鳴をあげます。
シーン変わって、ウルトラ警備隊作戦室。持ち帰ったリズムボックスを作動させて、繰り返しメッセージをマゼラン星へ送ります。すると、マゼラン星から返事が来ました。アマギ隊員が解読機で「恒星間弾道弾、既に発射せり。迎えに及ぶ時間なく」と解読。大変なことがわかりました。マゼラン星が地球に向けてミサイルを撃ったようです。これで、少女が何らかの任務を帯びて地球にやってきたことがわかりました。アンヌ隊員が「迎えには来ないって、どういう意味なの?」と聞くと、ダンは「裏切られたんだよ。自分の星に」とつぶやきます。
アマギ隊員の計算によるとミサイルが地球到達する時間は午前0時。現在午後5時ですから、あと7時間しかありません。このとき、宇宙ステーションV2から「巨大なミサイルが宇宙から接近中」という連絡が入ります。
シーン変わって宇宙空間。巨大なミサイルが宇宙ステーションV2にどんどん近づいてきます。V2はミサイルにレーザー攻撃しますが、まったく効きません。ミサイルはそのまま進み、ついにV2に衝突してしまいます。大爆発が起こり、V2とミサイルは炎と煙に包まれます。V2は木端微塵に破壊されたようですが、ミサイルは無傷でした。そのまま地球へと向かいます。
シーン変わって作戦室。キリヤマ隊長が「フルハシ、アマギ、ソガはホーク1号、ダンは俺とホーク2号だ」と出動命令を出します。ウルトラアイをなくしているダンは「はっ!」と返事をするものの、少し不安げな表情。キリヤマ隊長は「ダン、頼むぞ」と声をかけてホーク2号に向かいます。しかし、ダンは胸に手をあてて、申し訳なささそうな表情をして、基地から出て行ってしまいます。
ホーク1号が発進します。しかし、ホーク2号がやってきません。ホーク2号は発進する態勢が整っていますが、ダンがやってきません。キリヤマ隊長が作戦室に連絡をし、アンヌ隊員にダンを探すよう命令します。しかし、このときダンはウルトラアイを盗んだと思われる不思議な少女を探すため、ポインターに乗って山を下っていました。
キリヤマ隊長はダンを待たずに出撃することを決断します。すると、操縦室のドアが開き、アンヌ隊員が乗り込んできました。キリヤマ隊長が「ダンは?」と聞くと、アンヌ隊員は「どこにも見当たりません。アタクシが代わりに」と返事をします。キリヤマ隊長とアンヌ隊員はホーク2号で出撃します。ホーク1号とホーク2号はミサイルの迎撃に向かいます。
シーン変わって、スナック・ノア。踊り狂う若者たち。そこにダンがやってきます。すると、音楽が鳴り止み、踊っていた若者たち全員が一斉にダンの方を向きます。すると、全員がウルトラアイをかけていたのです。ダンは一人ずつウルトラアイを外して、少女を探します。ギターリストがギターを弾いえ合図すると、皆がダンに詰め寄ります。
- ダンは少女を探しているのか、本物のウルトラアイを探しているのか・・・たぶん少女を探しているのだろうと思います。
ミサイルは着々と地球に近づいてきます。時計が午後11時の時報を鳴らします。床に倒れていたダンが、その時報で気が付きます。あたりには誰もいません。ダンが不思議そうな顔をしていると、「ダン!」と呼ぶ声。スナック・ノアに少女がやってきたのです。ダンがウルトラガンを抜きますが、少女が銃でウルトラガンを撃ち落とします。
シーン変わって宇宙空間。ホーク1号とホーク2号がミサイルを攻撃しますが、まったく歯が立ちません。ミサイルは赤いランプを点滅しながら、何事もないように地球に向かいます。
シーン変わってスナック・ノア。ダンと少女が向かい合ってテレパシーで話をします。
少女:「この星の命、午前零時で終わりです」
ダン: 「君も死ぬのか…」
少女: 「私は、仲間が迎えに来てくれるわ」
ダンはマゼラン星からの返信のテープを少女に渡し、
ダン: 「誰も来ない。君ははじめから見捨てられていたんだ」
と伝えます。少女はテープを見て、すべてを悟ります。
故郷に裏切られたことを知り、ショックを受けた少女にダンが語りかけます。
ダン: 「この星で生きよう。この星で一緒に…」
マヤは黙って、盗んだウルトラ・アイを差し出し、ダンに返します。
ダンはウルトラセブンに変身し、ミサイルを攻撃するため宇宙へ向かいます。
ウルトラセブンはミサイルの内部に侵入し、ミサイル内部の装置を調べます。セブンが装置を操作すると、ミサイルが向きを変え、やってきた方へと戻っていきます。ウルトラセブンは破壊することのできないミサイルをマゼラン星に戻っていくようにしたのです。
シーン変わってスナック・ノア。カチカチと鳴り響く時計の音。1人たたずむ少女。少女はジュークボックスを操作してJ7というボタンを押します。
- J7、日本語のキーボードでは、J=ま、7=や となります。
- 円谷英二さんの誕生日が7月(July)7日という説もあります。
すると、レコード盤に針がおります。削るような金属音とともに、レコード盤から白い煙が出てきます。煙は少女を包み込み、少女の姿は消えてしまいます。
時計が午前0時の時報を鳴らします。そこに戻ってきたダン。ジュークボックスの前に少女のブローチが落ちていました。それを見て、すべてを悟ったダン。
ダンはスナック・ノアを出て、夜の街の中を1人歩きます。
ダン:「なぜ、他の星ででも生きようとしなかったんだ。僕だって、同じ宇宙人じゃないか」
ナレーション
数年後には我々も、月旅行が可能になるかもしれません。しかし、月にも土星にも、生物が全くいないという確証はないのです。我々が月に、その他の惑星に行けるとしたら、あるいは不思議な少女と同じ運命が、待ち受けているのかもしれません
ダンは夜の街を無念そうな表情で歩きます。そして、ポインターに乗り、K地区から基地へと帰っていきます。
- マヤは最初にダンにこう言っています。 「こんな狂った星を?見てごらんなさいこんな星、侵略する価値があると思って? 」
- ダンは地球が好きだったが、マヤは・・・
ここで終劇です。
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コメント
マゼラン星の目的は地球の破壊でした。その妨げとなるのがウルトラセブン。マヤにはダンからウルトラ・アイを盗みウルトラセブンに変身させないようにする重要な任務が課せられていました。
マヤはしっかりと教育されていたはずですが、円盤が迎えにくると信じていました。目的を達成するためには自分の命も厭わないとまでは教育されていなかったのでしょう。しかし、地球で生きることを選ぶこともできませんでした。
投稿: toshizo | 2020年11月23日 (月) 12時40分
こんばんは。
「盗まれたウルトラ・アイ」このエピソードも胸に残る話でしたね。マゼラン星の少女・マヤは狂った星・地球を破壊する為、邪魔になるウルトラセブンの変身アイテム・ウルトラアイを奪い取る為に地球へ送られてきましたが、彼女は少なくとも自分の任務に疑問を抱いていた筈です。本当に地球が狂った星なら、何故セブンは守ろうとするのか?
そして、彼女は見ました。プラネタリウムという文化施設、そこで純粋に宇宙の星々に目を向けている人々、自分よりも年少の少年少女達、他の星々に友好的なアナウンス(自我自尊な言い方にも聴こえますが、他の星々を友人と認めているのは分かります)。
地球人は荒廃的な人間達ばかりでは無い。だからこそセブンは地球を守る。マヤにはそれが分かった筈ですが、母星の上層部に不信感を抱きつつも彼女はそれに従わなければ生きていけない。だから彼女は己を隠して終始無表情を貫いていたのでは。
最終的にマヤは母星(上層部)から見捨てられるのですが、彼女の迎えを求める通信に迎えは無理と返信をよこしたのは彼女に友好的な善良な者だったと思われます。彼女に危機を伝えれば彼女は自分で対処すると見ての事でしょう。
そして、彼女はダンにウルトラアイを返しダンはセブンに変身、恒星間弾道ミサイルの進路は変えられ地球は危機を逃れます。
危機が去ったのを確認した後、マヤは自害してしまいます。同じ宇宙人の自分が他所の星でも生きているというのに何故マヤにはそれができなかったのかとダンは嘆きますが、マヤにしてみれば生きる為とはいえ犠牲にしようとした(冒頭の運転手さんは亡くなったかもしれない)地球の人々の恩恵を受ける訳にはいかなかったのでしょう。
地球がダンにとって「第2の故郷」であっても、マヤにとっては「他人の星」なのです。後に地球人が彼女のような運命を辿らない為には裏切りの無い世界を作らなければいけないのですが、それはなかなかできないようですね。
投稿: A-chan | 2020年10月30日 (金) 22時25分