ウルトラセブン第34話「蒸発都市」放映45周年!(1968/05/26 19:00)
ウルトラセブンは1967年10月1日に放送が開始されました。1968年5月26日は第34話「蒸発都市」が放映された日です。
水道、ガス、電気、地下鉄など。大都会の動脈をつくる工事が、いつもどこかで行われています。昼も夜も、それは私たちが見慣れている風景。だが、安心してはいけません。侵略者は私たちの心の隙を狙って、何をたくらむかわからないのです。
ネオンが光る大都会。真夜中のビル街で、黄色と黒の縞模様の作業服を着た作業員たちが工事を行っています。何やら怪しい雰囲気です。
その街の中をポインターがパトロール中。ソガ隊員が「第6管区パトロール完了。ただいまより帰投します」と基地に連絡。アンヌ隊員から「了解」という返事と同時に、ポインターを運転していたダンが急停車。驚くソガ隊員。どうやら、ダンには怪しい音が聞こえたようです。ソガ隊員には単なるカッターの音に聞こえるようですが、ダンには普通のカッターの音には聞こえないようです。アスファルトを切断し、地底深く掘り下げる特殊なマシンの音のようです。
ポインターをUターンして音の聞こえる工事現場へと向かいます。ポインターが近づいてきていることを知ってか、1人の作業者がマイクロバスに逃げ込みます。そこへポインターがやってきます。
作業員たちがカッターを使ってアスファルトを切っていますが、不思議なことにカッターは動力源とつながっていません。ダンとソガ隊員が作業員たちに声をかけますが、無反応。すると、マイクロバスが後部からポインターに発砲。ダンとソガ隊員はポインターで追いかけます。ポインターは、乱射してくるマイクロバスのタイヤを狙ってレーザー砲を発射。レーザー砲は命中し、マイクロバスは歩道に乗り上げて停止。
ダンとソガ隊員はポインターから降りてマイクロバスに近寄ります。すると、マイクロバスは青白く光って消滅してしまいました。その様子を驚いて見守るダンとソガ隊員。後方から2人の警察官がかけつけます。すると、ダンとソガ隊員、そして警官1人が青白く光って消滅してしまいます。
連絡を受けてシークレットハイウェイNo3を通って現場にかけつけるウルトラ警備隊のキリヤマ隊長、フルハシ隊員、アマギ隊員、アンヌ隊員。無事だった警察官が状況を説明します。どうやらマイクロバスはポインターを誘導するために、わざと発砲したようです。ダンとソガ隊員は計画的に消された可能性が高いようです。「どうやら一波乱ありそうだ」と不安げな顔をするキリヤマ隊長。
- 隊長!もう事件は起きています!
シーン変わって、朝のビル街。出勤途上の人々。すると、何と言うことでしょう。ビルが次々と消えて行きます。逃げ惑う人々。
ウルトラ警備隊に第6管区のビル街が消えたという連絡が入ります。キリヤマ隊長とアマギ隊員がヘリコプターで出動。上空から確認すると、ビル街の一部がすっぽりと消えて、土がむき出しの荒れ地と化しています。ダンとソガ隊員からの連絡を期待するアマギ隊員。それに対して「生きていればのことだが」と答えるキリヤマ隊長。
- 隊長!そこは「ダンとソガのことだ。必ずや生きている」でしょ。
その空き地の真ん中で白い泡が吹き出してきます。キリヤマ隊長がアマギ隊員に「撃ってみろ」と命令。アマギ隊員はヘリコプターのレーザー砲を発射。泡はみるみる消えてしまいます。「何だったんだ?」とキリヤマ隊長。
- 隊長!撃つのは調べてからにしないと・・・
シーン変わって、街中を走るポインター。スーツ姿のフルハシ隊員と黄色いワンピースを着たアンヌ隊員が乗っています。フルハシ隊員が運転しながら、こんなことを言っています。
「そう言っちゃなんだがね。街もスモッグや排気ガスでくたびれてんだよ。でっかいビルをのっけて、やれ地下鉄だ、下水管だって、年がら年中掘じくりかえされてるんだ。人間なら、とうの昔に、おら死んじまっただぁってとこだな。川は干からびてしまう、並木は枯れてしまう、これじゃ街だって、蒸発したろうって気になるね」
- 今回の「蒸発都市」というタイトルの背景には環境問題への警鐘があるんですね。
フルハシ隊員とアンヌ隊員が到着したのは、とあるホテル。タケナカ参謀と待ち合わせでした。フルハシ隊員が案内所の女性に「タケナカ参謀みえていますか」と訪ねます。女性が「お二階のロビーです」と答えます。
- この女性の声、ひし美さんの声に似ています。ただし、ひし美さんはアンヌ隊員以外にはアフレコしていないみたいなので別の人の声でしょうか。そういえば、他の話でもひし美さんの声によく似た声があります。この人の声かなぁ。
タケナカ参謀がフルハシ隊員とアンヌ隊員を待っていました。タケナカ参謀の話によると、女性霊媒師のユタ・ハナムラがウルトラ警備隊にビル蒸発事件のことで会見をしたいと申し込んできたようです。3人はユタ・ハナムラの部屋に向かいます。
ユタ・ハナムラのドアをノックすると老婆が出てきました。部屋の奥には大きな水晶玉をのぞくユタ・ハナムラがいました。
- ユタ・ハナムラを演じたのは金城さん憧れの真理アンヌさんです。
ユタ・ハナムラが話をはじめます。
「我々は太陽系からそう遠くない星から来た者だ。一時的な宇宙乱流を避けるために、しばらくの間、地球の住人となる」
ここまで話をしたところで、声が男に変わります。どうやら、男は別の場所からユタ・ハナムラを操っているようです。男の正体は宇宙人。
「我々は、今日住むためのビルを頂戴した。そして自分たちの居住区を決めた。私たちが無断でやったのは、相談をしている余裕はないからだ。」
再び女性の声に戻ります。
「我々の居住区に近づくな。約束を守るなら仲間は返してやる」
アンヌ隊員がダンとソガ隊員の安否を聞くと、ユタ・ハナムラは無事であると答えます。ただし、邪魔をすると2人の命の保証しないと答えます。つまり、人質ということです。
タケナカ参謀は一時的な滞在なら手出しをしないので、居住区の場所を教えてくれと聞きますが、ユタ・ハナムラは機を失ってしまいます。
シーン変わって作戦室。ウルトラ警備隊が宇宙人の居住区の捜索を始めます。タケナカ参謀が蒸発都市を発見しても慎重に行動するよう念を押します。捜索の目的はあくまでもモロボシ、ソガの両隊員をもらいうけることです。キリヤマ隊長とアマギ隊員はホーク1号で上空から、フルハシ隊員とアンヌ隊員はポインターで地上から捜索です。
一時間が過ぎ、二時間が過ぎますが、ホーク1号、ポインターから作戦室に何も連絡がありません。業を煮やしたタケナカ参謀はホーク1号のキリヤマ隊長に捜索の状況を知らせよと連絡を取ります。ホーク1号は犬山山脈上空を通過中、スピードを落として予定のコースを数度往復するも宇宙人居住区の発見には至らないようです。キリヤマ隊長はポインターに連絡を取ります。異常なしと答えるアンヌ隊員。
シーン変わってドライブイン。フルハシ隊員とアンヌ隊員が一休み。フルハシ隊員がコーラを買ってきて、アンヌ隊員に渡します。アンヌ隊員は「サンキュー」と答えますが、飲む気にはならないようす。フルハシ隊員はコーラのびんに口をつけてグビグビと飲みます。
フルハシ隊員はアンヌ隊員に「どうする?」と声をかけます。「どうするって?」と呆気にとられるアンヌ隊員。どうやらフルハシ隊員はユタ・ハナムラの話を信じていないようで、これ以上探しても無駄だと考えているようです。基地へ帰ろうと言うフルハシ隊員。
ダンのアマギ隊員のことを心配しているアンヌ隊員はフルハシ隊員に「ずいぶん冷たいのね」と返します。フルハシ隊員は勘違いして(コーラが)「よく冷えているだろう」と答えます。アンヌ隊員は、コーラのことじゃないわ、拉致された2人の気持ちも知らないで、よくこんなものが飲めるわね」と言って、フルハシ隊員からコーラを取り上げ、中身を地面にまいてしまいます。
- アンヌ隊員、2人の心配をしていないフルハシ隊員に怒っています。
コーラをまいたアンヌ隊員、遠くの方を見つめて、指をさします。その方向を見るフルハシ隊員。なんと、何もなかった場所にビル街が出現します。フルハシ隊員はホーク1号に蒸発都市を発見したことを報告します。
フルハシ隊員とアンヌ隊員はビル街に侵入し、ダンとソガ隊員の捜索を始めます。街の中に動きが止まったままの人々を発見します。思わず駆け寄ろうとするアンヌ隊員。フルハシ隊員がタケナカ参謀の慎重にという注意を忘れたかと、アンヌ隊員を制止しようとしますが、アンヌ隊員は人々の方へ向かいます。
どうやら逃げ遅れた人たちのようです。フルハシ隊員とアンヌ隊員は手分けして、ダンとソガ隊員を探します。
アンヌ隊員が歩いていると、足に引っかかる物が。足下を見てみると、ダンのウルトラガンが落ちていました。そして、ポインターとソガ隊員を発見します。その様子を宇宙人の男が監視していました。
シーン変わってウルトラ警備隊作戦室。タケナカ参謀宛にユタ・ハナムラから電話が入ります。ウルトラ警備隊が裏切ったこと、ウルトラセブンを味方に引き入れたこと、すべては我々の自由であり、行動を開始すると伝えてきました。
- 裏切った行動をしたのはアンヌ隊員?街に行ってみようと言ったのはフルハシ隊員だけど。
シーン変わってホーク1号。蒸発都市を発見、着陸します。
シーン変わって街の中。捜索を続けるアンヌ隊員とフルハシ隊員。その様子を制御室のようなところから監視している宇宙人の男。スイッチを切り替えると、画面が倒れているダンに切り替わります。男が「さ、変身するんだ」と声をかけると、ダンがむくっと立ち上がり、胸のポケットからウルトラアイを取り出して、ウルトラセブンに変身します。
変身したウルトラセブンは腕を両手にあがて立ち尽くします。ウルトラセブンを見て安心した声で「セブン」と声をかけるアンヌ隊員。ウルトラセブンはアンヌ隊員たちに気が付くと、良からぬ雰囲気を醸し出しながら近づいていきます。アンヌ隊員は何かおかしいことに気が付き、「セブン、気でも狂ったの?」と叫びます。
ウルトラセブンはお構いなし、キーキーという怪獣のような声をあげると、両手を額のビームランプにあて、エメリウム光線を発射、近くの自動車を爆破します。ウルトラセブンはそこらじゅうにエメリウム光線を放ち、ビルを殴る蹴るして倒していきます。
アマギ隊員が「セブン止めてくれ」と言うと、ウルトラセブンは彼らに向かってアイスラッガーを放ってきます。キリヤマ隊長は固まっているソガ隊員を倒します。隊員たちはアイスラッガーから間一髪で逃れます。
シーン変わって宇宙人の制御室。そこにフルハシ隊員がやってきます。フルハシ隊員は宇宙人の男を射殺し、装置を破壊します。男は泡となって消えてしまいます。
すると、街の中で泡が現れます。泡はみるみる大きくなって、現れたのは怪獣ダンカン。頭を抱えるようにしたウルトラセブンがダンカンに気が付き、攻撃を仕掛けます。フルハシ隊員が装置を破壊したため、ウルトラセブンは正気に戻ったようです。
ダンカンは街の中を丸まって逃げ回ります。追いかけるウルトラセブン。ウルトラセブンはダンカンにエメリウム光線を放ちます。ダンカンの体から白い煙と泡が吹き出します。すると、街の中で固まっていた人々が動けるようになりました。
ダンカンから吹き出した泡はやがて消えて小さくなり、最後に風に飛ばされてしまいます。
その様子を見て安心するウルトラ警備隊のキリヤマ隊長、フルハシ隊員、アマギ隊員、ソガ隊員、アンヌ隊員。
白い泡は何にでも変身できる宇宙生命だったようです。
隊員たちのもとに人々がかけよってきます。
元に戻ったビル街。そして、このナレーションで終劇です。
蒸発都市事件はこうして終わりを告げ、市民を恐怖のどん底から救いました。でも、こうして平和の中に立ったビル街を見ると、美しい田園都市に見えます。ビルに心があれば、あのゴミゴミした過密都市に帰るより、この方がいいと思うかもしれません。
- 最後にも環境問題のメッセージが入ります。
- 以前だと、必ずダンが「お~い」とかけよってきて、ワン、トゥー、スリー、フォー♪という曲が流れるシーンが入るはずなのに、今回も、またまた、最後にダンが出てきません。
- アンヌ隊員をはじめ隊員たちは、ダンが見つかっていないのにニコニコしています。あ~、ナレーションで終わってしまいました。
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