ウルトラセブン第25話「零下140度の対決」放映45周年!(1968/03/24 19:00)
ウルトラセブンは1967年10月1日に放送が開始されました。1968年3月24日は第25話「零下140度の対決」が放映された日です。
第25話、全49話の折り返し地点です。記事掲載開始から約半年、あと残すところ半年です。
先週に引き続いて雪国のシーン?しかし、前回とは様子が少し違うようです。
不吉な雲の流れが、地球防衛軍の上空をみるみる暗くします。あたりの気温はぐんぐん下がり、猛吹雪です。
猛吹雪の中をポインターがホバークラフトのように空中に浮かびながら走っています。運転しているのはダン、どうやらパトロール中のようです。しかし、前方がまったく見えません。まもなくポインターがエンストしてしまいます。ドアを開けて外に出ようとしますが、雪がたくさん入ってきます。ダンは、ただの吹雪ではないことを察知します。外を透視で見てみますが、そこには猛吹雪の雪景色が広がっているだけでした。
シーン変わって地球防衛軍基地。アマギ隊員が雪まみれの姿でウルトラ警備隊の作戦室に戻ってきます。基地を中心とする一帯が冷凍室のような原因不明の異常寒波に包まれているようです。外の気温は零下112度。フルハシ隊員が、北海道でもせいぜい零下40度と驚きます。とにかく、とんでもない寒さです。
ソガ隊員は、コーヒーを入れながら、基地の地下には原子炉が赤々と燃えているから、びくびくすることはないと楽観的。そのコーヒーをアマギ隊員にわたします。アマギ隊員はコーヒーを口にして「うまい!」とソガ隊員と満足そうな顔をします。
そこへ、ダンから連絡。アンヌ隊員が答えます。どうやら、ポインターがエンストで動けなくなってしまっているようです。キリヤマ隊長はダンに、ポインターを捨てて、基地に戻れと命令します。しかし、ダンの顔が曇ります。その顔を見て、キリヤマ隊長はダンに「どうしたんだ?」と聞きます。アンヌ隊員は「暖かいコーヒーがあるわよ。早く帰ってらっしゃいよ」とダンに声をかけます。ダンは「できる限り、頑張ってみるよ」と不安そうな声で答えます。ダンはポインターを降りて、ボンネットを開け、エンジンを見てみます。エンジンは凍り付いていて、やはり動きそうな感じではありません。あたりを見回して、意を決して雪原を歩いて、基地へ帰ります。
- 外は零下112度にもなっているのに、キリヤマ隊長とアンヌ隊員はまるで他人事のように楽観的です。
再び暖かい作戦室。そこに大きな地震が発生し、停電してしまいます。作戦室は大騒ぎ。キリヤマ隊長がライターの火をつけ、動力室に連絡します。動力室から、原子炉がやられたという返事。原因も何が何だかわかりません。キリヤマ隊長はフルハシ隊員とアマギ隊員に地下に降りて原因調査をするよう命じます。
再びダン。雪の中をひたすら歩きます。ひざまで雪につかりながら、雪をかきわけて基地をめざします。
ここでナレーション。「ウルトラセブンにも弱点があった。光の国M78星雲から来た彼は、普通の人間以上に寒さに弱かったのだ」
シーン変わって基地の動力室。ムカイ班長を中心としたチームが復旧作業をしています。そこに、フルハシ隊員とアマギ隊員がやってきます。ムカイ班長の話によると、動力室はドリルのようなもので突き破られたようです。そこにキリヤマ隊長からアマギ隊員に電話連絡が入ります。被害は想像以上に大きく、当分回復が見込みが立ちません。地下ケーブルは基地の命、全力をあげて復旧作業に取りかかるよう命じるキリヤマ隊長。
復旧作業の現場の壁の穴の中から、何やらハトみたいな鳴き声が聞こえ、大きな怪獣の口が見えます。怪獣はその口から冷凍ガスをはき出します。フルハシ隊員とアマギ隊員は、火炎放射器を怪獣に向かって放ちます。怪獣は冷凍ガスをはき続けます。怪獣の冷凍ガスに火炎放射器はまったく歯が立ちません。
そして、地球防衛軍のレーダーがついに停止してしまいます。
メディカルセンター。医師のアラキ隊員とアンヌが負傷者の手当をしています。そこに、ソガ隊員がやってきます。ソガ隊員がアンヌ隊員に、基地が氷詰めになったので、防寒服を出すよう頼みます。アンヌ隊員「オッケー」。
フルハシ隊員とアマギ隊員が作戦室に戻ってきます。ヤマオカ長官とキヤマ体調に、動力室に出た怪獣が原子炉の破壊と異常寒波の犯人であると伝えます。怪獣は冷凍光線をはき続けています。マグマライザーもウルトラホークも出動できません。素手で闘うより方法がない状況であることを理解するヤマオカ長官。
フルハシ隊員が時限爆弾で怪獣を吹き飛ばすよう進言しますが、基地ごと吹っ飛ぶ可能性があるので無理な作戦のようです。
そこにソガ隊員が防寒服を持ってやってきます。「超兵器も出動不能。レーダーも動かない。スチームをストップ。一発心臓部を破壊されると、さすがの科学基地もモロいもんです」と言いながら、防寒服を配ります。
- 現代においては、コンピュータとネットワークが止まったら大混乱。
そこにアラキ隊員とアンヌ隊員がやってきます。アラキ隊員はヤマオカ長官に基地内部の気温が零下90度になっており、300名の隊員を基地から退避させないと、全員凍死してしまうと忠告します。しかし、ヤマオカ長官は、基地を見捨てることは、地球を見捨てることと同じであり、地球を守る義務がある我々が退却することなどできないと、退避の許可を出しません。
シーン変わって吹雪の中を雪をかきわけて歩くダン。基地はもう少し。基地に着けば、暖かいコーヒーとスチームが待っていると言い聞かせます。しかし、ダンはついに雪の中に倒れ込んでしまいます。
- どうやら、ダンは基地で起きている事件は知らない模様。
シーン変わって基地。アンヌ隊員が倒れた隊員を抱きかかえて「立って、さぁ、眠ったらおしまいよ。体を動かすの」と声をかけます。しかし、隊員の意識はもうろうとしていて、眼を閉じてしまいます。
- ここで殉職する隊員を演じているは金城哲夫さん
「起きなさい」「起きて」と叫ぶアンヌ隊員。その叫び声は雪の中で倒れていたダンにも届いたようです。ダンはやっとのことで意識を回復し歩き出しますが、また倒れてしまいます。ダンが空を見上げると、そこには太陽の幻覚が見えました。すると、突然、あたりが炎に包まれて、そこにポール星人が現れます。
「光の国が恋しいだろうね、ウルトラセブン!でも、自業自得というものだ。M78星雲には冬はない。寒い思いをするがいい、ウルトラセブン」
「地球を凍らせるためにやって来たポール星人だ。我々はこれまでにも2度ばかり地球を氷詰めにしてやった。今度は3度目の氷河時代というわけだ」
「地球上の生きとし生けるものが、すべて氷の中に閉じ込められれしまうのだ。ウルトラセブン!もちろん、お前さんも一緒だ。ついでにいっておくが、地球防衛軍とやらを、まず手始めに凍らせてやった。あいつらがおると、何かと邪魔だからな。ハッハッハッハ」
- このポール星人の声が頭に45年前からず~っと残っています。ハッハッハッハって・・・
- ポール星人のバックに流れている音は女性のコーラス。今ならコンピュータでという感じの音になっています。
ポール星人は幻覚を利用して姿を現したのです。基地が危ないことをさとったダンは左胸のポケットに手を入れます。
ところがっ!
ウルトラアイがありません。雪の中を歩いているうちに、どこかに落としてしまったようです。ウルトラアイを捜しまくります。
- こんなことなら最初からウルトラセブンに変身して基地に戻れば良かったのではありますが、ウルトラセブンの良いところは、宇宙人や怪獣に対峙するとき以外は、あくまでも人間の姿をしたダンとして問題解決をはかろうとするところです。
シーン変わって基地の動力室。アマギ隊員が怪獣が姿を消していることに気が付きます。鬼の居ぬ間に不休作業にかかります。復旧作業が再開されます。
アマギ隊員が温度計を見てみると、なんと零下140度になっていました。
復旧現場に石油ストーブが持ち込まれます。これが、また今となってはレトロな石油ストーブです(もちろん、今でも使われています)。
シーン変わって、ウルトラアイを探しまくるダン。そこに再び太陽の幻覚が見え、炎の中のポール星人が現れます。
「ウルトラセブン。お前の太陽エネルギーはあと5分もすれば空っぽになる。地球がお前の墓場になるのだ。さぞかし本望だろう。ハッハッハッハ」
ダンが幻覚から意識を取り戻し、しっかりしろ俺!という感じでヘルメットをこずきます。そして、再びウルトラアイを探します。
すると、遠くでハトのような鳴き声が聞こえ、怪獣ガンダーが現れました。ウルトラアイをなくしているダンは黄色いカプセルを取り出して、カプセル怪獣ミクラスを呼び出します。
ミクラスとガンダーが闘い始めます。ミクラス、ガンダー相手にずいぶん頑張っています。
シーン変わって、復旧作業中の動力室。人がバタバタと倒れていきます。見かねたアラキ隊員がヤマオカ長官とキリヤマ隊長に、人命優先を訴えます。ついに、ヤマオカ長官は退却を決断します。
動力室。ついにムカイ班長が倒れます。フルハシ隊員がムカイ班長を起こします。ムカイ班長が気が付きます。すると、ハトの鳴き声と地響きが聞こえてきました。外で闘っているミクラスとガンダーが出す音です。口から炎を吐くミクラス。ミクラスは健闘しています。
ウルトラアイを探すダン。ついにウルトラアイを見つけて、ウルトラセブンに変身します。ところが、ウルトラセブンはエネルギーが残り少なくフラフラの状態です。ウルトラセブは太陽エネルギーを補充するため、最期の力を振り絞って、太陽に向かって飛んでいきます。
- 頑張ってくれミクラス
シーン変わって作戦室。ついにヤマオカ長官が倒れます。キリヤマ隊長が全館放送で、基地か退避するよう伝えます。
- よくある総員退避のシーンです。皆悔しがります。
ついにムカイ班長が倒れてしまいます。アマギ隊員が基地から2キロ離れれば冷凍倉庫から脱出できると班長に声をかけます。
- う~む、基地から半径2キロのできごとだったのか。いったい、ダンは基地からどれぐらいのところをさまよっていたのだろう。
フルハシ隊員は退避命令を無視してドリルを手に作業を続けます。
太陽に向かうウルトラセブン、炎の中でエネルギーをたくわえて、地球に戻ってきます。
総員撤退。キリヤマ隊長が隊員たちを気遣っていると、基地の電気が復旧します。どうやら、フルハシ隊員が執念で修理したようです。
基地は再び復活した。さぁガンダーとの決戦だ!
ウルトラ警備隊はホーク1号、ホーク3号で出動。ミクラスを倒したガンダーに攻撃を仕掛けます。ホーク1号は3つに分離。4機で攻撃します。ガンダーは空を飛びますが、ホークに撃たれて、地面に落っこちます。
そこに、さっそうと登場したウルトラセブン。アイスラッガーをガンダーに投げます。ガンダーの腕と頭が切り落とされ、ガンダー絶命。
そこにポール星人の声。
「ウルトラセブン!どうやら、我々ポール星人の負けらしい。第3氷河時代は諦めることにする。しかし、我々が敗北したのはセブン、君に対してではない。地球人の忍耐だ。人間の持つ使命感だ。その事をよぉ~く知っておくがいい、ハッハッ」
「我々は君のエネルギーが、元のように多くなく、そして活動すればたちまち苦しくなる弱点を作っただけでも満足だ。ハッハッハッハッ」
ポール星人の声を聞いているウルトラセブンのビームランプが点滅します。
太陽を覆っていた黒雲が消えます。ウルトラセブンはダンに戻り、ダンはミクラスを呼び戻します。
青空の中を基地へ帰って行くホーク1号と3号、手をふるダン。ダンはさんさんと輝く太陽光の中、歩いて基地へ帰っていきます。
地球防衛軍とウルトラセブンにとって魔の時は去り、地上には再び平和が戻った。科学力を誇る地下秘密基地にも弱点があったように、我らがウルトラセブンにも思わざるアキレス腱があったのです。しかし、セブンの地球防衛の決意は、少しもひるむことはありません。
ここで終劇。
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