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2012年12月 5日 (水)

トイレにまつわる怪談-トイレの花子さん、赤いマント

 お化け、幽霊、妖怪、物の怪。科学技術が進んだ現代においては、幽霊や妖怪など居るわけがないというのが一般常識ですが、それらが登場する怪談は今もなお世に語り継がれています。

 トイレにまつわる怪談はたくさんありますが、それはトイレが特別な場所であったからにほかなりません。昔の人は、自分たちが現存する世界とは別に、神様や妖怪が住むあの世の世界があると信じていました。そして、この世とあの世をつなぐ結界があり、そこに神様や妖怪が出没すると考えていたのです。

 結界には、神社や寺、納戸、軒、門戸、橋、峠、森林などがありますが、トイレも代表的な結界のひとつです。昔のトイレは屋外にあり、汲み取り式でした。屋外の暗闇の中で、トイレにぽっかりと空いた穴が地獄や魔界への入口に思えたのでしょう。また、暗闇の中で、無防備に下半身をさらけ出して、しゃがみこむことが恐怖心をさらにあおることになったことに違いありません。

 トイレにまつわる怪談をいくつか紹介しましょう。もっとも有名なのが「トイレの花子さん」です。花子さんは、おかっぱ頭で赤い服を着た女の子の姿をした妖怪です。花子さんを呼び出すには、夕方の四時や真夜中の一ニ時に、学校の三階のトイレの、右から三番目の個室を三回ノックし、「は~な~子さん、遊びましょう」と声をかけます。すると、中から「は~い」と返事が聞こえてきます。花子さんは、そのトイレを使った人に、とりついて殺してしまうのだそうですが、最近では、子供を助けることもあるようです。

 次に有名なのが「赤いマント」の妖怪です。特定のトイレの個室に入ると、「赤いマントがいいか、青いマントがいいか」と聞かれます。赤いマントを選ぶとナイフで刺されて真赤な血に染まって死に、青いマントを選ぶと全身の血を吸われて真青になって死ぬそうです。この赤いマント、昭和二十年代後半には「赤いチャンチャンコ」といって、チャンチャンコの色を聞いてきたというのが面白いところです。さらに昔は、「赤い紙と青い紙どっちがいい?」と聞いてきたようです。妖怪も人間の文明社会の進化にしっかりと追従しているようです。

 トイレの妖怪には色がつきものなのですが、どうやら京都に住んでいる「カイナデ」という妖怪がそのルーツのようです。カイナデは家のトイレに住んでいて、節分の夜に、トイレに入ってきた人のお尻をなでる妖怪です。トイレに入りたいときには、「赤い紙やろうか、白い紙やろうか」と唱えると良いのだそうです。

 トイレに出る妖怪に「がんばり入道(加牟波理入道)」がいます。大晦日にトイレで「がんばり入道ホトトキス」と唱えると、一年間トイレに妖怪が出てこなくなると言われています。

 トイレに入ったら、耳を澄まして、あたりを見回してみましょう。突然、水が蛇口から滴り落ちたり、天上や床の角の暗がりに何かを感じたら、何かが潜んでいるのかもしれません。

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