「燃えるごみ」と「燃えないごみ」の違い
ごみを捨てるときに「燃えるごみ」と「燃えないごみ」を分別します。しかし、よく考えてみると何が可燃ごみで何が不燃ごみなのかで悩むこともあるのではないでしょうか。一見すると燃えそうなものでも不燃ごみとして扱わなければならないものもあるでしょう。
また、引っ越しをした人の中には、以前住んでいた地域では可燃ごみで出せたものが引越し先の地域では不燃ごみだったなどの経験をした人もいるかもしれません。
可燃ごみと不燃ごみの違いはどこにあるのでしょうか。
ごみの処理は一般的に可燃ごみ、不燃ごみ、粗大ごみ、有害ごみ、資源ごみなどに分けられます。可燃ごみは焼却場で焼却され、焼却残渣がごみの最終処分場に埋め立てられます。不燃ごみは焼却せずにそのまま埋め立てられます。粗大ごみについては、焼却されるのか、埋め立てられるのか、再利用されるのかは、種類によって異なります。有害ごみは特別な処理をしてから埋め立てらます。資源ごみは再生可能な資源として回収され再利用されますが、再生できないごみは焼却されるか、そのまま埋め立てられることになります。多くの地方自治体はこのような形でごみの処理を行っています。
各地方自治体が配布しているごみの分別表には、いろいろなごみの例が出ていて、可燃ごみと不燃ごみの区別も記載されています。しかし、個別のごみについて地域で比較してみると、同じものなのに区別が違うものがあります。
例えば、スーパーやコンビニのレジ袋は地域によって可燃ごみや不燃ごみに分類されていたりします。レジ袋はポリエチレンという炭素原子と水素原子からなるプラスチックです。燃やしても二酸化炭素と水が発生するだけで有害ガスが出るわけではありません。ですから、可燃ごみとして処理しでも良さそうですがプラスチックは燃焼に伴う発熱量が高いためそう簡単にはいきません。
最近の焼却炉は高温にも耐えるように設計されていますが、古い炉は炉内の温度が高くなりすぎると炉が傷みます。古い炉を持っている地方自治体ではレジ袋を燃やすことができないため不燃ごみや資源ごみに分類することになります。
新しい炉を持っている地方自治体の中には、最終処分場の埋め立て残り容量を節約するためにレジ袋などのプラスチックフィルムは住民が不燃ごみとして出しても助燃剤として焼却しているところもあるようです。
このように、地方自治体の事情によって、ごみ処理の方法が違ってくるのは決してめずらしいことではありません。
一方、同じプラスチックでも全国共通で不燃ごみで処理されるものもあります。例えば、塩ビ(ポリ塩化ビニル樹脂)は不燃ごみとして処理されています。塩ビは塩素を含んでおり、焼却すると塩化水素が発生します。塩化水素は有害物質であり、酸性が強いため炉を腐食する原因にもなります。また、ダイオキシン類の発生の原因になるとも考えられています。このような背景から、塩ビは不燃ごみとして扱われています。
可燃ごみ、不燃ごみというのは、燃やしても良いごみと燃やしてはいけないごみと考えた方がわかりやすでしょう。
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