ヨイトマケの唄 by 美輪明宏さん NHK紅白歌合戦で
2012年のNHKの紅白歌合戦で美輪明宏さんがヨイトマケの唄を歌うということで、その部分だけ見てました。そろそろかなと思ってチャンネルを回したら、ちょうど紹介が始まるところでした。
ヨイトマケの唄は美輪明宏さん(丸山明宏さん)が作詞・作曲を手がけた1966年の曲です。
この曲はとても良い曲と思うのですが、歌詞の中に差別用語があるということで、日本民放放送連合の制度によって、要注意歌謡曲(放送禁止唄)に指定され、以降は民放で放送されることがなくなってしまいました。この指定は1983年に制度そのものがなくなったため、解除されているのですが、民法テレビで放映されることはほとんどなかったのです。
その一方で、NHKではこの曲が放送禁止となることはなく、機会があるごとに美輪明宏本人のオリジナルバージョン、もしくは他の歌手によるカバーバージョンが放送されていました。これまで、美輪明宏さんがNHK紅白歌合戦に出演したことはありませんが、2012年紅白歌合戦では、ヨイトマケの唄で77歳にして初出場を果たしました。
昔はヨイトマケ工法の工事現場がよくありました。子どもの頃には、唄の歌詞に出てくるような情景も良く見ました。たしか、西岸良平さんの「三丁目の夕日」でも、ヨイトマケ工法で働くお母さんと息子の話があったと思います。
この唄では「土方」という言葉が差別用語となったようです。こうした用語を配慮なく使うことの危うさというのは理解しますが、過去の文化作品などが抹消されてしまうのはとても口惜しいことでもあります。幸いにしてヨイトマケの唄は完全に封印されていたわけではありませんが、未だに封印されている唄や映像もたくさんあります。現在はメディアの種類もたくさんありますから、何とか知恵を出し合って、復刻させることも考えてはどうかと思います。
ヨイトマケの唄の歌詞
父ちゃんのためなら エンヤコラ
母ちゃんのためなら エンヤコラ
もひとつおまけに エンヤコラ
1.今も聞こえる ヨイトマケの唄
今も聞こえる あの子守唄
工事現場の昼休み
たばこふかして 目を閉じりゃ
聞こえてくるよ あの唄が
働く土方の あの唄が
貧しい土方の あの唄が
2.子供の頃に小学校で
ヨイトマケの子供 きたない子供と
いじめぬかれて はやされて
くやし涙に暮れながら
泣いて帰った道すがら
母ちゃんの働くとこを見た
母ちゃんの働くとこを見た
3.姉さんかぶりで 泥にまみれて
日にやけながら 汗を流して
男に混じって ツナを引き
天に向かって 声をあげて
力の限り 唄ってた
母ちゃんの働くとこを見た
母ちゃんの働くとこを見た
4.なぐさめてもらおう 抱いてもらおうと
息をはずませ 帰ってはきたが
母ちゃんの姿 見たときに
泣いた涙も忘れ果て
帰って行ったよ 学校へ
勉強するよと言いながら
勉強するよと言いながら
5.あれから何年経ったことだろう
高校も出たし大学も出た
今じゃ機械の世の中で
おまけに僕はエンジニア
苦労苦労で死んでった
母ちゃん見てくれ この姿
母ちゃん見てくれ この姿
6.何度か僕もぐれかけたけど
やくざな道は踏まずに済んだ
どんなきれいな唄よりも
どんなきれいな声よりも
僕を励ましなぐさめた
母ちゃんの唄こそ 世界一
母ちゃんの唄こそ 世界一
今も聞こえる ヨイトマケの唄
今も聞こえる あの子守唄
父ちゃんのためなら エンヤコラ
子どものためなら エンヤコラ
これがオリジナルのバージョンです。
こちらは、最近のものです。
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コメント
この唄を29歳のときに作ったというのがすごいですね。
投稿: toshizo | 2013年1月 6日 (日) 17時40分
はじめてゆっくりと歌詞をみました。
よい歌ですね。
こんな歌がNHK紅白歌合戦にでるなんて、
NHKやる。
美輪明宏さんの衣裳も素敵でした。
訳のわからない歌が多い中(^^;
なかなかよいことだと思います。
投稿: アン・アインシュタイン | 2013年1月 6日 (日) 15時51分