ウルトラセブン第8話「狙われた街」放映45周年!(1967/11/19 19:00)
ウルトラセブンは 1967年10月1日に放送が開始されました。11月19日は第8話「狙われた街」が放映された日です。
収録されているDVDはNo.2になります。
資材置き場で遊ぶ子どもたち。子どもたちは皆マスクをしています。この頃は花粉症などはありませんでしたが、大気汚染が問題となっていました。そのことを風刺しているのだろうと思います。
そこに突然、女性の悲鳴が聞こえてきます。見ると、暴走したタクシーの後部座席の窓から女性が手を振って助けを求めています。そのタクシーを追いかけるパトカー。いったい何が起こっているのでしょうか。
タクシーは資材置き場で止まります。タクシーから降りて逃げる女性を、運転手が追いかけます。タクシーの運転手は女性を殴ります。
パトカーが到着し、2人の警察官がタクシーの運転手を捕まえる。すると、タクシーの運転手は何もされていないのに突然気絶してしまいます。
その様子を見ている遊んでいた子どもたち。そこへ、ウルトラ警備隊のポインターが到着します。子どもたちは大喜びでポインターに駆け寄ります。
ポインターの助手席にはアンヌ隊員、運転席は・・・たぶんダン。航空機のパイロットのアンヌ隊員の叔父が操縦する旅客機が墜落し、アンヌ隊員は叔父さんの息子を迎えに来たのです。
- アンヌ隊員はポインターで迎えに来るのですが、今なら公私混同と言われそうですが、当時はこういうのはよくあったのだろうと思います。
シーン変わってお葬式。このお葬式のロケは世田谷区にある慶元寺で行われたようです。葬儀で人々が噂話をしています。
「最近と言ってもここ10日ばかりの話ですわ。何か事故があったというと、必ず、この街の人間が主役ですから」「この間の列車衝突事故の運転手もこの街の人でしたね。千葉でタンカー爆発でつかまった犯人もそうですよ」「私はタクシー会社をやっているものだが、30件もの人身事故があり、会社を閉めてしまいましたよ」。
噂話に聞き耳をたてるダン。この北川町で何か異変が起きていることに気が付きます。
シーン変わって、北川町の駅前。フルハシ隊員とソガ隊員が駅前の自動販売機でタバコを購入し、一服しようとすると、突然銃声が鳴り響きます。なんと、男がライフル銃を乱射しています。フルハシ隊員が男を取り押さえようと突っ込みますが、足を撃たれてしまいます。ソガ隊員がウルトラガンでライフルを撃ち落とし、警察官と男を取り押さえます。しかし、この事も、突然気絶してしまうのです。
- いくらウルトラ警備隊の隊員が勇敢でも、丸腰でライフルを持った犯人に突入するというのは・・・フルハシ隊員ならではの行動だろう。それに対して、ソガ隊員は冷静に対応して、男を捕まえています。
シーン変わって、薄暗い部屋。ここはメディカルセンター。ベッドに横たわっているのはフルハシ隊員。天井に並んだ大きな白い丸い照明をバックに、フルハシ隊員とアンヌ隊員をのぞくウルトラ警備隊の隊員が4人並んで、事件について話をしています。ソガ隊員がキリヤマ隊長に、男はライフルと弾を行き付けの銃砲店から気が狂ったように強奪したようで、その前にはタバコを喫んでいたこを説明します。男は普段はおとなしい青年だったらしく、職業は平凡なサラリーマン、とてもこんな事件を起こすような人間ではありません。ただし、男が住んでいる街は北川町でした。
ダンは、この話を聞いて、またしても北川町の住人が事件を起こしたことを認識します。そして、男が留置されている警察署に向かいます。
警察の話によると、男は気絶した後に2時間眠り続け、やっと取り調べを開始したところらしい。ダンは取り調べのオブザーバ。刑事が男に取り調べをしていますが、男は何も覚えていないと言い張ります。そして、その日の行動を振り返ってみると、北川町の駅前でタバコを買って喫んだことを思い出します。
- この刑事は穂積隆信さん。積み木崩しなどで有名ですが、ウルトラシリーズや仮面ライダーなどの特撮にもたくさん出ています。
シーン変わって、ポインターに乗り捜査をしているダン。すると、緑色のダンプカーがポインターを追い抜きます。すると、ダンプカーは荷台に積んであった砂利をバラマキ始めました。ポインターは砂利に乗り上げ、ダンはハンドルを取られます。ダンプが停車したので、ダンがポインターから降りて、ダンプの運転席をのぞき込むと、ダンプには誰も乗っていませんでした。
ダンが「何者だ。姿を見せろ。堂々と出てこい」と叫ぶと、そこに謎の男の声が聞こえてきます。
「モロボシダン、いやウルトラセブン。我々の邪魔をするな。これは命令だ。今すぐに手を引け。我々にとって君を倒すことは問題ではない。だが、同じ宇宙人同士で傷つけあうのは愚かなことだ。もう一度忠告しておく。北川町に近よるな、ウルトラセブン」
シーン変わって、ウルトラ警備隊の作戦室。作戦室の照明は暗くなっています。フルハシ隊員が杖をついてメディカルセンターから抜け出し、タバコを一服しに来ています。フルハシ隊員にコーヒーを入れましょうというダン。
フルハシ隊員が北川町の駅前でソガ隊員と買ったタバコに火をつけると、フルハシ隊員は顔を赤くし、コーヒーを入れたダンを杖で殴りつけ、暴れ出します。キリヤマ隊長が殴り、アマギ隊員が何か白い棒で殴って、やっと事態が収拾します。そして、フルハシ隊員は突然気絶してしまいます。ソガ隊員がフルハシ隊員をメディカルセンターに運んでいきます。
メディカルセンターから戻ってきたソガ隊員が、フルハシ隊員のことを、死んだように眠っていて、ライフル魔とそっくりだと言います。そして、フルハシ隊員が置いていったタバコに手をのばして一服します。すると、今度はソガ隊員の顔が赤く染まって、フルハシ隊員と同じように暴れ出し、ウルトラガンを抜きます。そこでダンがヘルメットをソガ隊員に投げつけます。格闘の末、ソガ隊員は取り押さえられ、そして突然気を失います。
ダンはフルハシ隊員とソガ隊員がタバコを喫んだ後に暴れ出したことに気が付きます。二人が喫んだタバコを取り出して、葉を確かめると、中から赤い色の結晶が出てきました。ダンはタバコに原因があることを突き止め、キリヤマ隊長はタバコを分析するため科学班にまわします。
キリヤマ隊長、ダン、アマギ隊員はメディカルセンターにかけつけます。ダンが、事情を聞こうとして、フルハシ隊員とソガ隊員を起こそうとしますが2人は眠ったままです。そこで、ダンとアンヌ隊員は、亡くなったアンヌ隊員の叔父の家に話を聞きに行きます。すると、子どもが、お父さんは北川町駅前の自販機でタバコを買ったことを証言します。このとき、ダンはライフル魔の取り調べを思い出し、北川町駅前の自販機のタバコが怪しいことを突き止めます。ダンとアンヌは自販機にかけつけますが、既にタバコは売り切れになっていました。タバコを補充しにやって来るはずだと、2人は自販機を張り込むことにしました。
シーン変わって、ウルトラ警備隊の作戦室。科学班がキリヤマ隊長に赤い色の結晶の分析結果を報告しにきます。赤色の結晶の正体は地球のものではなく、宇宙ステーションV3の隊員がワイ星を探険したときに持ち帰った宇宙ケシの実によく似たのでした。赤色の結晶に侵されると、他人がすべて敵に見えるようになる効力があるようです。
科学班の隊員はキリヤマ隊長に「理性や感情を失い、敵を倒す殺意だけを持った人間に変わってしまうんです。それをタバコに仕込むとは恐ろしいことを考えたもんです。人類の約半分はタバコを吸っているのですからね」と説明します。
- JTの調査によれば日本人の1965年の喫煙率は男性が82.3%、女性が15.7%だったようです。2011年は男性が33.7%、女性が10.6% となっています。
シーン変わって、北川町駅前のビルの中の喫茶店。ここから自販機を張り込むダンとアンヌ隊員。2人とも私服で張り込んでいます。やがて、自販機の前にワゴン車が到着し、黒い帽子をかぶった黒服の男が自販機にタバコを補充し、去って行きます。ダンとアンヌ隊員は男の車をタクシーで追跡します。
- 乗ったのは個人タクシーのようです。
たどりついたのは北川町のとある木造の古いアパート。男はアパートの中に入っていきます。
- アパートの塀には大小便禁止と書いてあります。小はともかく、大もする奴がいるのか・・・
ダンはアンヌを残して、アパートの中に入っていきます。ダンが、アパートの廊下を探索していると、突然、とある部屋の扉が開き、部屋の中に引き込まれます。
部屋の中にいたのは、なんとメトロン星人でした。メトロン星人はダンに話しかけながら、ちゃぶ台の前に座ります。ダンもちゃぶ台の前に座ります。宙人同士がちゃぶ台の前に座り、宇宙人同士では話をする有名なシーンです。部屋の中には三丁目の夕日2に出てきたような冷蔵庫が置いてあります。
ダンはメトロン星人に対して、計画はすべて暴露されたから、おとなしく降伏しろと迫ります。しかし、メトロン星人は計画は十分に成功したと答えます。そして、メトロン星人が計画の全貌を話します。
メトロン星人:「赤い結晶体が、人類の頭脳を狂わせるのに十分効力があることが分かったのだ。教えてやろう、我々は人類が互いにルールを守り、信頼し合って生きていることに目をつけたのだ。地球を壊滅させるのに暴力をふるう必要はない。人間同士の信頼感をなくせばよい。人間たちは互いに敵視し、傷つけ合い、やがて自滅していく。どうだ、いい考えだろう」
ダン:「そうはさせん、地球にはウルトラ警備隊がいるんだ」
メトロン星人:「ウルトラ警備隊?恐いのはウルトラセブン、君だけだ。だから君には宇宙へ帰ってもらう。邪魔だからな」
そう言ってメトロン星人は、ふすまを開けて隣の部屋へ。すかさず、追いかけるダン。なんと、そこは、メトロン星人の円盤だったのです。
アパートの屋根がパカッと2つに割れて、そこから宇宙船が飛び立ちます。それを見て、すぐにウルトラ警備隊本部に連絡するアンヌ隊員。ウルトラホーク1号が出動です。
まもなくホーク1号がやってきて、円盤と空中戦を繰り広げます。ホーク1号が円盤を撃つと、円盤は2つに分かれてしまいます。そして、ホーク1号は2機の円盤に背後を疲れますが、やがて急旋回で切り返し、円盤を1機撃ち落とします。その円盤に乗っていたのがダン、すかさずウルトラセブンに変身します。そして、同じ円盤に乗っていたメトロン星人が巨大化して現れます。
夕日を背景に闘う、ウルトラセブンとメトロン星人。赤く染まった太陽をバックにしたストップモーションも入り、幻想的なシーンです。その間に残りの円盤を撃ち落とすホーク1号。
ウルトラセブンとメトロン星人の戦いに戻ります。ウルトラセブンとメトロン星人は向かい合って走り出します。ウルトラセブンは宙返りをしながらアイ・スラッガーをメトロン星人に投げつけます。そのまま空に飛んで逃げようとしているメトロン星人に、体を縦断するようにアイ・スラッガーが入ります。そして、エメリウム光線で爆破します。ウルトラセブンの勝利です。
- 通常だと、アイ・スラッガーで怪獣がまっぷたつなのですが、メトロン星人はまっぷたつにはなっていません。エメリウム光線で爆発したメトロン星人の姿が消えます。
シーン変わって、北川町の川の橋からの夕日。夕焼けは綺麗ですが、工場の煙突から煤煙がもくもくと出ています。
- 特にナレーションなどは一切ありませんが、冒頭のマスクのシーンとつながっています。
最後のナレーション
メトロン星人の地球侵略計画はこうして終わったのです。人間同士の信頼感を利用するとは恐るべき宇宙人です。でもご安心下さい、このお話は遠い遠い未来の物語なのです。え、何故ですって?我々人類は今、宇宙人に狙われるほど、お互いを信頼してはいませんから。
- このナレーションがこの物語の全てでしょう。
【余談】
このセブンに倒されたはずのメトロン星人は、ウルトラマンマックスに出てきます。どうも、この後、少年に助けられて、一命を取り留めたようです。アイ・スラッガーで切られたところを縫われています。実はこのメトロン星人は、すっかり地球の暮らしに慣れています。携帯電話を利用している人間を見て、このまま放置しておいても、人間は馬鹿になるだろうと言い残し、宇宙へ帰って行きます。
このお話ともよく似ています。
「人類やばい」アインシュタインが恐れていたことが現実になった…それを証明する写真
http://labaq.com/archives/51769534.html
このメトロン星人を演じたのは寺田農さん、この話とても面白いので、興味のある人は見てみると良いでしょう。ウルトラマンマックス 第24話「狙われない街」(2005年12月10日放送)です。ウルトラマンマックスの第24話「狙われない街」はDVD7巻に収録されています。
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コメント
このライフル魔なんですが、
ナイナイの岡村隆史に似ているとおもいませんか?
投稿: たーじん | 2015年2月24日 (火) 20時07分