ノーベル物理学賞は宇宙膨張の加速の観測に アインシュタインの宇宙項やダークエネルギーまで
2011年のノーベル物理学賞は、米カリフォルニア大バークレー校のソール・パールマッター教授(52)、オーストラリア国立大のブライアン・シュミット特別教授(44)、米ジョンズ・ホプキンス大のアダム・リース教授(41)が受賞しました。
受賞の理由は「遠方の超新星観測を通した宇宙膨張加速の発見」です。
宇宙の膨張は1929年に米国の天文学者エドウィン・パウエル・ハッブルが発見しました。ハッブルは宇宙には我々の銀河系の他にも銀河があることを発見、遠方の銀河からやってくる光の赤方偏移を調べることによって、距離が遠い銀河ほど大きな速度で地球から遠ざかっていることを見つけ、宇宙が膨張していることを突き止めました。
宇宙の膨張は今から137臆年前のビッグバンから始まったと考えられていますが、従来の理論では、宇宙の膨張速度は重力によって次第に減速すると考えられていました。
ところが、今回ノーベル物理学賞を受賞した3人の科学者が、明るさがわかっている複数の超新星からやってくる光を観測したところ、理論的な予想に反して、宇宙の膨張速度が加速していることがわかりました。彼らは1998年にこのことを論文にまとめました。
この膨張の加速は宇宙全体に存在するエネルギーの2/3をしめるダークエネルギーによるものと考えられていますが、その正体は未だよくわかっていません。
アインシュタインが一般相対性理論を発表した当時、宇宙の大きさは変わらないと考えられていました。そこで、彼の方程式には宇宙項と呼ばれる宇宙が静止することを意味する項が導入されていました。しかし、ハッブルによって、宇宙の膨張が発見されたことで、アインシュタインは宇宙項を方程式から外しました。
宇宙が加速的に膨張しているということは、宇宙の膨張率が一定ではないということです。そこで、宇宙項がダークエネルギーの効果を示すものではないかと考えられるようになり再び注目を受けています。
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