写真技術の先駆者 ジョセフ・ニセフォール・ニエプス没
世界で初めて写真を撮影したのはジョセフ・ニセフォール・ニエプス(Joseph Nicéphore Niépce、1765年3月7日 - 1833年7月5日)です。
ニエプスは1798年にアロイス・ゼネフェルダーが発明した化学反応によるリトグラフ(版画の一種の石版印刷)に興味を持っていましたが、ピンホールカメラでできる像を光による化学反応で何とか絵として残すことができないかを考えていました。
ニエプスは天然アスファルトに光を当てると、硬化して油に溶けなくなることに注目しました。彼はまず最初に版画を作ってみました。天然アスファルトの上に半透明の紙に描いた絵を起きました。天然アスファルトの絵の線がある部分は光が当たらないため固まらず、線のない部分は固まりました。この天然アスファルトを油で洗うと、絵が浮かび上がりました。
ニエプスはこの技術をヘリオグラフィと名づけました。彼はこれと同じ原理でピンホールの像を残すことができると考えました。そして、 1826年、彼は天然アスファルトを感光材に使って写真の撮影に成功しました。彼の方法では1枚の写真を撮影するのに8時間もかかりましたが、カメラ・オブスクラの像を写真として残すことに成功したのです。
ニエプスが撮影した景色の写真
View from the Window at Le Gras, the first successful permanent photograph created by Nicéphore Niépce in 1826.
Rebecca A. Moss,Director of Visual Resources and Digital Content Lab, via email. College of Liberal Arts Office of Information Technology University of Minnesota
http://www.arthist.umn.edu/vrcinfo/
この写真はニエプスが1826年に撮影したもので長らく世界最古の写真とされていましたが、後年、ニエプスが1825年に撮影した「Un cheval et son conducteur(馬を引く男)」という題名の写真が見つかっています。
1829年 、ニエプスは同じフランスのルイ・ジャック・マンデ・ダゲールと研究を進め、銀メッキした銅板にヨウ素を反応させた感光板を使って写真を撮影する方法を考えました。
ところが、ニエプスは1833年7月5日に脳卒中で急死してしまいました。タゲールはニエプスとの研究を進め、1839年にダゲレオタイプという銀板写真を完成させました。
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