スペースシャトル最後のミッションへ
1981年4月のコロンビア号の初飛行以来、スペースシャトルは30年間にわたり宇宙へ人間と物資を運んできました。日本時間で2011年7月8日未明に予定されているアトランティス号の飛行が最後のミッションとなります。
30年間の中で2度の大きな事故がありました。1度目は1986年、チャレンジャー号が打ち上げ後に空中分解、2度目は2003年、コロンビア号が大気圏突入時に空中分解という事故でした。両方の事故ともに、登場していた7名の宇宙飛行士全員が犠牲になりました。大きな犠牲がありましたが、スペースシャトルによって宇宙開発が進んだのは紛れもない事実です。であるからこそ、大事故を乗り越えて計画が進められてきました。
しかしながら、当初は再利用可能な宇宙船と言われたスペースシャトルでしたが、実際に運用してみると、再利用することでメインテナンスに莫大な費用がかかり、かえって採算性が悪くなるという結果となりました。また、安全性についても、不安がつきまといました。こうしたことから、スペースシャトル計画に終止符が打たれることになりました。
スペースシャトルは月探査などにも使われる予定でしたが、現在はオリオンという別の宇宙船を使った計画が進められています。オリオンはアポロと同じように、再利用できない使い捨ての宇宙船となっています。
現在の計画では、オリオン宇宙船と打ち上げ用ロケットのアレスⅠは2013年に試作機が完成、有人飛行は2015年以降を予定しているようです。当初は2011年試作機完成、2014年に有人飛行という計画でしたが、計画が遅れたことにより、しばらくの間、米国には人間や物資を運ぶ宇宙船がなくなることになります。
現時点で最後のアトランティスの打ち上げは天候が危惧されています。天候が回復しない場合、打ち上げは延期となります。NASAによると延期となる確率が70%だそうですから、予定通り打ち上げできないかもしれません。
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