ハイゼンベルクの顕微鏡~不確定性原理は超えられるか
ハイゼンベルクの顕微鏡~不確定性原理は超えられるか
石井 茂 (著)
ハイゼンベルクが発見した不確定性原理は、量子力学の一応の完成を告げると同時に、量子力学の物理的解釈をめぐって論争の種をまくことになった。量子力学の数学的定式化はフォン・ノイマンによって達成されるが、このときノイマンは不確定性原理がもたらす量子の観測問題にも手を染めた。量子力学を疑う人々がほとんどいなくなっていったこととは裏腹に、観測問題については「シュレディンガーの猫」「ウィグナーの友人」「EPRパラドックス」などのさまざまな疑問が提出され、長い間にわたって論争が続いてきた。
量子力学における観測問題を決着させたのは、日本の数理物理学者であった。その新しい観測理論は、ハイゼンベルクの不確定性原理に修正を迫る結果になった。
本書はハイゼンベルクやシュレディンガーなどのあまり知られていないエピソードをたっぷりと紹介しながら、不確定性原理がいかに発見され、その後いかなる道をたどったかを物語る。
単行本: 272ページ
出版社: 日経BP社 (2005/12/28)
ISBN-10: 4822282333
ISBN-13: 978-4822282332
発売日: 2005/12/28
商品の寸法: 19.4 x 13.4 x 2 cm
目次
第1章 不確定性原理とは何か
第2章 不確定性原理はどのようにして発見されたか
第3章 物理学会との対決―コペンハーゲン解釈の成立
第4章 再開された論争―アインシュタインの再批判
第5章 原子核物理学の発展とハイゼンベルク
第6章 コペンハーゲン解釈への挑戦
第7章 不確定性原理は破れているのか―重力波測定の限界をめぐって
第8章 書き直された不確定性原理―ハイゼンベルクから小澤へ
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コメント
おぉ~。
「量子力学における観測問題を決着させたのは、日本の数理物理学者であった。」
そうなんや。
面白そうなご本ですね。
投稿: 読んでみたい。 | 2011年6月 5日 (日) 11時56分