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2011年6月14日 (火)

ペットボトルロケットの仕組み

 ペットボトルで作った水ロケットは水と空気だけで100m以上も飛んでいきます。水ロケットは図1のようにロケットの先端、水と空気が入る圧力タンク、羽、噴射口からなります。ペットボトルの胴体が,空気と水を入れるタンクになっています。圧力タンクの部分に水を入れて、自転車の空気入れで噴射口から空気を入れていきます。噴射口の栓が抜けると、水ロケットは勢いよく水を噴きだして飛んでいきます。どうして水と空気だけであんなに遠くまで飛ぶことができるのでしょうか。

 図2のように空の注射器の先に栓をして、ピストンをおしていくとどうなるでしょうか。ピストンをおすと注射器の中の空気がおし縮めらます。さらにピストンをおしていくと、空気もさらにおし縮められますが、同時にピストンをおす力を強くしていかなければなりません。これはおし縮められた空気がピストンをおし返しているからです。そのためピストンから手を離すとピストンは元に戻ります。このように容器に閉じ込められた空気はおされると体積が小さくなりますが、もとの体積に戻ろうとする性質があります。

Photo_2

 水ロケットの場合は、ピストンでおすかわりに、空気入れで圧力タンクに空気を送り込みます。圧力タンクには空気の逃げ道がありませんから、タンクの中の空気はおし縮められていき、次々と新しい空気が詰め込まれて行きます。

 おし縮められた空気はもとの体積に戻ろうとする力を蓄えていきます。そして、噴射口の栓を抜くと、おし縮められていた空気がいっきにもとの体積に戻ります。このとき空気がタンクの中の水を勢いよくおし出すのです。

 壁を手でおしたときに手がおし返されるように、何かに力をかけると力をかけた方もその分の力を受けます。これを作用・反作用の法則といいます。

 水ロケットの場合は、噴き出る水の力が水ロケットを飛ばす力になります。水がなくなると圧し縮められた空気が噴き出しますが、これも水ロケットを飛ばす力になります。

 それでは圧力タンクに水をたくさん入れたらもっと飛ぶようになるでしょうか。水は容器に閉じ込めておしても、それほどおし縮めることはできません。ですから、水を入れすぎると、おし縮めることのできる空気の量が減り、水ロケットはあまり飛ばなくなります。

 実は水ロケットが飛ぶしくみは本物のロケットと同じです。本物のロケットは燃料ガスを噴き出しますが、何かを噴射して飛ぶという点では水ロケットも本物のロケットも同じなのです。

 水ロケットの実験を行う場合には、ペットボトルは炭酸飲料に用いられているものを使用します。炭酸飲料用ではないペットボトルは耐圧性がないので破裂する危険があります。

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