半減期が帰着するところは確率
先日、放射性物質の半減期の話をしていたら原子核の崩壊が結局のところは確率で決まるということがわかっていない知人がいました。もっとも、ニュースの解説でも、単純に放射能物質が半分になる時間(放射能が半分になる時間)ぐらいしか説明されていないことも多いのでしょうがないかもしれません。
放射性の原子核が崩壊して別の種類の原子核に変わるとき、もとの原子数の半分が崩壊する時間を半減期といいます。ただし、ある原子核が崩壊するかどうかは確率で決まります。たとえば、ひとつの原子核がいつ崩壊するのかはわかりません。半減期が経過したら必ず崩壊するというわけではありません。すぐに崩壊するかもしれないし、ずっと崩壊しないかもしれません。
実は半減期というのは多数の原子核が崩壊して半分になる時間を示しているだけです。ひとつひとつの原子核はいつ崩壊するかはわからなけども、全体を見ればある一定の確率で崩壊するということは言えます。
従って、半減期は、例えば1兆個の原子核が半分になる場合には適用できますが、4個が2個とか、2個が1個とかには適用できません。
ひとつひとつには適用できないが、全体には適用できるという例を、少々乱暴ですが簡単な例で説明してみます。
日本で平成21年に交通事故で死亡した人の数は約5000人です。日本の人口を1億3000万人とすると、21年の1年間で交通事故で死亡した人の確率は約0.004 %ぐらいということになります。この数字は、あくまでも、1年間で人口1億3000万人の5000人が交通事故で死亡するということしか言えません。特定の個人が交通事故で死亡するかは予想することはできません。
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