ベクレルとグレイとシーベルト
いろいろな発表資料を見ているとベクレル(Bq)とシーベルト(Sv)あるいはグレイ(Gy)という単位が出ています。昨日あたりからニュースに流れている乳牛やほうれん草についてはベクレルが使われています。
ベクレルとシーベルトまたはグレイの違いは放射能の量を示しているか、放射線の強さを示しているかです。
放射能の量はベクレルで表します。1 ベクレルは1秒間に1 つの原子核が崩壊したときに放たれる放射線の量のことです。たとえば、1 秒間に 100 個の原子核が崩壊したら、100 ベクレルの放射能があることになります。
一方、放射線の強さを表すのがシーベルトやグレイです。
放射性物質にはいろいろな種類がありますが、放射性物質が異なると、放出する放射線の種類や強さが変わります。そこで、放射線が与える影響を考えるときには、物質が単位質量あたり吸収する放射線の強さで考えます。
1グレイとは、被曝するもの1 キログラムあたりに1ジュールの放射線のエネルギーが吸収されたということを意味します。つまり、1 Gy = 1 J/kg です。
また、放射線の人体への影響を考えたとき、ひとくちに1グレイの放射線といってもアルファ線かベータ線かによって影響の大きさが違います。そこで、同じ強さの放射線でも、人体への影響が異なることを考えなければなりません。そこで、放射線の強さを示すグレイ単位の数値に修正係数をかけて表したものがシーベルトです。人体が吸収した放射線の影響を数値化したものです。
| 固定リンク | 0
「物理」カテゴリの記事
- 単位メートルが光速度基準になる(1983年10月20日)(2022.10.20)
- アイザック・ニュートンの「プリンキア」出版(1687年7月5日)(2022.07.05)
- メンデレーエフが周期律表を発表(1869年3月6日)(2022.03.06)
- アンリ・ベクレルが放射線を発見(1896年3月1日)(2021.03.01)
コメント