凸レンズの像点を求める方法(3)
関連記事:凸レンズの像点を求める方法(2)の続きです。
有限距離にある物体の1点から出てレンズにやってくる無数の光線は、それぞれさまざまな角度の光線となりますが、無限遠の1点から出てレンズやってくる光線は、レンズに角度のある平行光線として入ります。例えば、光軸に平行な平行光線は、光軸上にある1点から出た光であることを意味しています。角度がある平行光線は光軸から、その角度分だけずれたところにある点からやってくる光線です。
これら平行光線は凸レンズで屈折した後、焦平面上の1点に集まり、そこで像を結びます。つまり、ある角度でレンズに入る光線が像を作る位置は、その角度でレンズの中心を通る光線が焦点面と交わったところになります。ですから、光線の角度さえわかっていれば、作図は有限距離に物体がある場合よりも簡単です。
私たちは物体の大きさを目に入ってくる光線の角度として認識しています。遠くにある物体の大きさは下の図のように認識しています。
物体の大きさと物体までの距離がわかっている場合、物体の大きさをy、物体までの距離をL(図で∞の部分)とすると、次の関係があります。
y = L ・ tanθ
つまり、yとLがわかっていればθは求めることができます。
例えば、太陽と地球の距離は約1億5000万キロメートル、太陽の直径は139万2000キロメートルです。Lに150000000、yに太陽の半径1392000/2 を代入して、θを求めると、
tanθ= 0.00464
で、θは約0.27度となります。太陽の視野角は約0.5度ですから、だいたい一致します。
何光年も離れた遠くの星の場合はLがyよりも十分に大きいということになりますから、
tanθ= 0
となり、θは0度になり、光軸にほぼ平行に光線がやってくるということです。つまり、点光源のようにしか見えないということです。
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