凸レンズの像点を求める方法(2)
関連記事:凸レンズの像点を求める方法(1)の続きです。
前回は「下図が与えられたとき、光軸上にあるM点の像点M'はどこに来るでしょうか」というところで記事が終わりました。
この問題を解くヒントは「無限遠にある物体の実像は焦平面にできる」ということです。無限遠にある物体の1点から出た光はレンズに角度をもつ平行光線として入ります。その平行光線は焦平面で交わり像を結びます。
平行光線だけに着目すると、「物体が無限遠にあるのか有限距離にあるのか」、「光線がどこからやって来ているのか(光線が同じところからか出ているのか、違うところから出ているのか)」、「光線が像を作るのか、作らないのか」に関係なく、レンズに入る平行光線は焦平面上のどこか1点で交わるということを意味しています。
それを踏まえて、M点からレンズの主平面に対して光線を描き、その光線と平行な光線を描いてみます。
この2つの光線はレンズで屈折して折れ曲がりますので、レンズを出た後、どの方向に進むのかわかりません。つまり、この2つの光線ではM'は求められないということになります。
そこで別の平行光線で使えるものがないか考えてみましょう。
レンズを出た後、そのまま真っ直ぐに進む光線を使えば良いことがわかります。この光線はレンズの中心(主点)を通る光線です。この光線を使えば焦平面のどこに平行光線が集まってくるのかがわかります。
作図の手順は下記の通りになります。
以上のようにM’を求めることができました。
ある一点から出て、ある角度でレンズに入る光を描いてみると下の図のようになります。
光軸に平行な光線を入れて描いてみると、次のような感じです。
物体が有限距離にあるときは、この方法を使うまでもなく、前回説明した3本の光線で像ができる位置を求めれば良いのですが、物体が無限遠にあるときは、3本の光線で作図するわけにはいきません。物体が無限遠にあるときに、わかっているのは光線の角度だけだからです。物体が無限遠にある場合の作図は次回で紹介します。
関連記事:凸レンズの像点を求める方法
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